仕事を繋ぐプレゼン力とは? CANAAN代表・長崎英広さん #2

CANAAN(カナン)代表・長崎英広さんは、サロン経営の他にセミナーや商品開発の分野においても活躍されています。
ヘアカラーを中心としたセミナー活動は年間で120本、受講者も毎年1万人を超え、書籍はすでに4冊も出版しています。2回目のインタビューでは、どのようにして今のポジションを築いてこられたのかお伺いしました。

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仕事が出来る人ほどプレゼンテーション能力が高い

――長崎さんは、お話しがとてもお上手な方という印象です。言葉に迷いがないですし、その反面、威圧感もない。どんどん話に吸い込まれます!
「仕事において最も大事なものは、プレゼンテーション能力だと思っています。どんなにいいアイデアを持っていてもプレゼン力がないと後に残らない。相手があっての商売ですから、伝える力は最も大事だと考えていますね」

――確かにそうですね。
「セミナーなどでは1ステージで1000人近い人の中で話すこともあるのですが、大人数を収容する会場の照明は暗いんです。でも、僕は一人一人の目を見るようにしています。目を見て相手の温度、つまりテンションを確認する。その様子からプレゼンの流れの中で抑揚をつけていくわけです」

――どんなに身になる話でも、独りよがりに語っていてはダメなんですね。これは訓練が必要なのではないでしょうか?
「僕なりに心理学に基づく手法を勉強しているつもりです。妻が大学で心理学を学んでいたことも大きいですね。彼女から吸収したものはたくさんありますから。実の所、僕自身は“美容師=職人”という意識が大きい。でもスタッフに“バカヤロー”なんて怒鳴っていたら、人はついてこないわけです。

“今どきの子は叱られるのが苦手だから…”と言う人いますけど、そんなの時代は関係ない。昔から怒鳴る人は嫌われますよ(笑) 中世の頃からこれは変わらないんです」

長崎さん

作品撮りを通してデザイン力をあげて欲しい

CANAAN

――長崎さんはスタッフ教育がとても大事だと仰っていましたが、実際、精神面ではどのような教育を心がけていますか?
「叱るときは演技です。全て演技。感情で叱ることは最もよくない。人が育ちませんね。ただ、褒めるときは心から褒める。昔から成功されている人はそのようにされていますから。この方法だとハングリーな精神が養われないという考えもあるかもしれませんが、
ただでさえ離職の多い美容業界で、きちんと勝ち残った人の魂はハングリーです。
こうゆう人材が、後に人を引っ張る役を行えばいいんです」

――技術面でスタッフに伝えていることはなんですか?
「表参道界隈で働くということは、デザインを武器にすること。また、幅広いデザインを作れることです。ですから“とにかく作品撮りをしなさい”と伝えています。じゃないと、この辺で働く意味なんてなにもないですから。
そもそも、郊外の美容室に勤務したい子と、美容の一等地に勤務したい子はタイプが違います。先ほど(♯1)もお話ししましたが、僕は郊外展開のできるサロンを持ちたいと考えていますが、CANAANとは違う教育法になってくると思いますね。この辺りで働くなら、とにかくデザイン。デザインを突き詰めることができないと、このエリアで勝負するのは無理ですから」

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早番・遅番制度を導入し働き方を見直す取り組みを実施

CANAANは、働き方についても他サロンより1歩進んだ取り組みを行っています。

――ヘアサロンにはまだ珍しい、早番・遅番制度を取り入れているそうですね。
「はい。一日8時間労働をベースにしたシフトになっています。ただ、レッスンや自主練などもありますから、毎日8時間というわけではないけれど、それでも接客に関わる労働は8時間にしています。週休2日とは別に有給休暇もあります。

――美容業界は労働時間が長い印象ですが、シフト制を用いることで女性は働きやすくなりますね。
「出産、子育てなどの時期も乗り越えられる環境を作ることは大切です。ただ、僕に限っては、この制度はほとんどないようなものですが(笑)。2012年にCANAANをオープンしましたが、まだまだ僕は休んでなんかいられない。がむしゃらに働かないといけないと思っています。でも、社員は違います。ずっと働き続けられる環境を提供することも経営者の大事な仕事ですから。タイムマネジメントは本当に大切。働く時間だけではなく、お客様に対してもそうです。満足のできる素敵なヘアスタイルを提供するためには、ただ時間をかければいいわけではない。時間を有効に無駄なく使っていくことで“質”の部分に注力したいと考えています」

井上さん
スタッフの井上さんは、ヘアアレンジが得意。彼女のアレンジ法は美容師の中でも話題で、テクニックを真似る美容師も多いという。「比較的大人の女性スタッフも多いCANAANで、シフト制は働きやすいと好評です。私は30歳を過ぎてから大阪を出てCANAANで再チャレンジしましたが、長崎さんは頼りがいがあって間違いのない人。ひとりひとりのスタッフの個性や、やりたいことを応援してくれるので、刺激的な毎日を送っています」と井上さん。

長崎さんは、間違いなくプレゼン力に長けた人物。これを武器にし、サロンの知名度を高め、スタッフを上手に教育し、自身では外部活動を長期的にこなし続けています。
類まれなバランス力を生かし、今後も美容界に新風を巻き起こしてくれるでしょう。

取材・文/小澤佐知子
撮影/田中大三

Salon Data

CANAAN

CANAAN(カナン)

染めるたびに髪質改善できる白髪染めなど、5社以上の中からオーダーメイドなカラーをカスタムしてくれるサロン。カラーや白髪染めによるダメージを気にする人の間で、「髪が傷まない」「ツヤがアップした」と評判のサロンです。
また、余分な薬剤をオフするかけ流しの高濃度・炭酸泉スパシャンプーを採用。クリーンで健康的な頭皮が蘇り、美髪を育みます。
http://www.canaan-salon.jp/

多角的サロン経営を目指して! CANAAN代表・長崎英広さん #1>>

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