西原 良子 interview#1:“誰かにメイクをやって欲しい”、その気持ちだけで起業へ
パーティーへの出席や大切な人に会う前など、女性は限られた時間のなかでメイクを直さなくてはいけません。“誰かに手早くきれいにやって欲しい”そう思う女性は多いはず。
『アトリエはるか』は、そんなニーズに応えるお店です。2001年に名古屋にオープン以降、銀座をはじめに次々と新店をオープン。20分で仕上げるクイックヘアメイクが女性の支持を集めています。
創業者は西原良子さん。もともとは、合コンにあけくれるOLだったというから驚きです。今回は、会社員時代の生活や、事業計画もないまま『アトリエはるか』を起業した当時のエピソードについて語っていただきました。
美容に無頓着な学生時代から合コン漬けのOL時代へ
――起業する前の会社員時代についてお聞かせください。
「大学を卒業後、地元のテレビ局に入社し事務職をしていました。ヘアメイクにはまったく関わらない部署でしたよ。ちなみに学生時代は、メイクの仕方がまったくわかっていなかったうえに、化粧水が面倒くさいからとハンドクリームを顔に塗っていました(笑)。当時から、誰かにヘアメイクをやって欲しい気持ちは強かったと思います。また、就職したテレビ局では仕事が終わったらすぐに洗面室に駆け込み、15分でメイクを直して合コンに向かうような生活でしたね。多いときは週に5回も合コンをこなしていました」
――なぜそんなにたくさん合コンをされていたのですか?
「もちろん、いいパートナーを見つけるためですよ。ただ私の場合は、お会いした相手の仕事に興味を持っていたんです。常に新しい業界を求めていたので、同じ業種の人とは合コンをしませんでしたね。今と違ってSNSも発達してないので、情報を集めるには人と会って話を聞くのが一番よい手段。人を介して情報を得る、助けてもらう、そして人を巻き込んで何かをすることがもともと好きだったのかもしれません」
事業計画もなく起業へ突っ走る
――起業しようと思ったきっかけを教えてください
「テレビ局時代に多忙な生活を送っていたので、とにかく早くきれいにヘアメイクをして欲しかったんです。“そんなお店をやりたい”そう思っただけで、事業計画もなく突っ走ってしまいました。もちろん周りからは反対されましたね。それに実は、自分でも成功するとは一切思っていなかったんです」
――なぜ、名古屋市の地下街『セントラルパーク』に1号店を出店したんでしょうか?
「雨風に当たらないので、地下がいいと思いました。当時の合コンは直接お店で待ち合わせるのではなく、わかりやすい場所に一度集合してから向かっていたんです。その集合場所に向かう途中に通る地下であれば、髪型が崩れずに行けますから」
――1号店出店に至るまでの流れを教えてください
「まず、インフォメーションの方に“ここにお店を出したいんですが、どうしたらいいですか?”と聞いたところ、親切に営業部を教えてくれました。その後、営業部の方と面談をし、出店させてもらえることになったんです。また、出店する条件として“会社を作ってください”と言われ、合コンで知り合った経営者の方に会社の作り方を教えてもらいました。他にもスタッフの募集を雑誌に載せるときにお願いしたリクルート社の方も、合コンで知り合った人ですね」
採用基準は“友達になりたい人”
――オープンスタッフの採用基準はなんでしたか?
「“友達になりたい人”でした。当時、求人を出したところ30人くらい来てくれましたが、そのとき採用したのは5人です。面接もしたことがなかったので、たずねた内容といえば“血液型はなんですか?”や、“お酒は飲めますか?”などで、逆に“どんなお店ができるんですか?”と相手からの質問が多いくらいでした(笑)。面接に来ていただいたことだけでもありがたかったので、ハンカチを用意し、“ありがとうございました”と全員に手渡しましたね」
知らない人にも積極的に声をかけるという西原さん。そんな彼女の性格が、多くの出会いを引きよせているのでしょう。
中編では、オープン直後のお客さまの反応や東京に出店した際のお話しをしていただきました。
Profile
西原良子さん
株式会社アトリエはるか 取締役副社長
1975年愛知県生まれ。女子大学を卒業後、地元テレビ局に就職。2年で退職し、2000年にアトリエはるか創業。全国主要都市での約60店舗の美容サロン運営のほか、関連事業へも進出。
Information
株式会社アトリエはるか
本社
住所:愛知県名古屋市中区錦3-4-6 第一生命ビル3F
TEL:052-953-0800
FAX:052-953-0801
東京支社
住所:東京都渋谷区渋谷3-19-1 渋谷オミビル3F
TEL:03-5778-9700
FAX:03-5778-9701
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