髪が本来持つ“素材美”とヘアデザインの両立を目指す『Volno』
JR池袋駅西口にある東京芸術劇場にほど近いサロン『Volno』オーナースタイリストの窪田哲也さん。同サロンはオーナーの窪田さんが大切にしている“髪の素材美”に徹底的に取り組んでおり、多くのファンに愛されています。前編の今回は、お店の概要と特徴についてうかがいました。
同サロンが提唱する“圧倒的な素材美”とは
――まず、『Volno』さんではどのようなサービスを提供されていますか?
「当サロンのコンセプトは“洗練されたヘアデザインは圧倒的な素材美の上に”というものです。お客さまのライフスタイルにマッチしたヘアデザインのためには、素材(=髪の毛)自体の美しさ・機能美が欠かせません。たとえば髪にツヤがあること、毛先が自然におさまること、根元のボリューム感、普段のお手入れで扱いやすい、といったことです。それらがあって初めて、その人なりの洗練されたデザインが可能になる、という想いがコンセプトには込められています。ですから当サロンでは、まず“髪の毛のケア”に徹底的にこだわっていますね」
髪にじっくり向き合う、“大人のサロン”を作りたかった
――サロンをオープンされたきっかけを教えてください。
「もともと私は池袋の、このお店からも近いサロンに新人の時から18年間勤めていました。早くから責任のある立場を任せていただいて、かなり自由にやることができたので、私としても思い入れのあるお店でした。そんなわけであまり独立は考えていなかったのですが、30歳を越えたあたりから、だんだん自分なりのこだわりが強く出てきました。それは、たとえばお店の空間や施術内容です。当時勤めていたサロンは私自身やスタッフ、お客さまも若かったので、“ワイワイ楽しく”という雰囲気でした。そういうのも嫌いではなかったのですが、もう少し落ち着いた、髪の毛に対するケア意識や感度の高い方に来店していただいて、じっくりと施術させていただく、ちょっと大人のスタイルのお店をやってみたいと思うようになったのです。
それからだんだんと独立を考えるようになり、当時勤めていたサロンの社長ともお話をしました。ありがたいことに社長は私の独立を応援してくださり、やめる数年前から独立することを前のサロン内で公認していただきました。さらにお客さまも引き継がせていただけたり、お店の近くの池袋エリアに出店することも認めていただけたのです。独立前のお店のみなさんには、本当に感謝していますね」
素材美とデザイン、そのバランスを見極める
――提供しているサービスの特徴はどういったところでしょうか?
「いくら凝ったデザインをしても、家でセットしにくいとか、髪が傷んで手触りがひっかかるというのでは気分が上がりません。もともとカットやパーマ、カラーなど“デザインをする”ということは、どうしても髪にダメージを与え、素材美を損なってしまうことです。ですから、いかに素材美とデザインの両立を図るか、バランスを取るかが、私たちの仕事だと考えています。お客さまによっては素材美を高めるケアを中心に提案する場合もありますし、普段のお手入れをしやすくするためにパーマやカットをすることもあります。最低限の髪への負担でどれだけいいデザインができるか、そのための薬剤選びや処理の仕方は、とくに長年、私が研究と実践を積み重ねて、このサロンで提供しているところですね」
劇場前の大通りから少し奥に入った『Volno』は、まさにシックで落ち着いた大人の空間です。後編では同サロンのお客さまの客層や人気のメニュー、ビジョンについてうかがいます。
髪に悩む方たちに、ひそかに知られる存在でありたい『Volno』>>