日本人のために考案したペルヴィス®ワークが大人気に ボディワークプロデューサー kyoさん#2
幼児体操教室の先生からフィットネス業界をスタート。骨盤から全身を整えるペルヴィス®ワークを考案したkyoさん。要所要所で意味ある方に引き立てられてきたkyoさんのキャリアは、日頃の立ち居振る舞い、言葉遣い、下支えしている人たちを大事にしてきたことに起因していたそう。
この後編ではkyoさんが日本人のために考案したペルヴィス®ワークについてお伺いします。エアロビクスとは真逆の理論に最初は受け入れられなかったそうですが、体験した人の口コミで徐々に広がり、人気プログラムとなったのだとか。
アメリカでのエアロビクス修行とお母様の影響で骨盤に注目

――骨盤ケアに着目したきっかけを教えてください。
アメリカにエアロビクスを習いに行ったときに、日本人だと分かるとインストラクターが覚えたての日本語で「オナカシメテ」「オシリシメテ」とリードしてくれるんです。欧米人は骨盤が前傾している人が多いのでお尻を閉めればいいんですが、日本人には後傾気味の人が多いので教わった通りにリードすると後傾を助長することに気づいたんです。体格の違いは骨盤にあり!
――アメリカでのエアロビクス修行がきっかけだったのですね。
それとその頃、すでに亡くなった母が骨盤ベルトを売り出したことにも影響を受けました。母は下着の通販会社で売り上げ日本一になるほど商才のある人でした。東京に呼ばれて表彰されたりしているうちに、整体の先生と出会い、その先生が開発した骨盤ベルトを母が売り出したんです。「おばあちゃんになるとフィットネスクラブには行けないから、わたしはこれで高齢者を救うんだ」とか言って(笑)。
――お母さんもkyoさんに負けず、すごい方だったんですね。
「運動指導者であるわたしの母親が骨盤ベルトなんてやめてよ」とか言ってたんですけどね。疲労からでしょうね。体が思うように動かず、心身共に落ちた時期があったんです。それを知った母が骨盤ベルトを送ってくれて「騙されたと思ってこれをしてみなさい」と。
骨盤ベルトを着けて一旦休んでみたら、なんか調子がよくなったんですよね。骨盤の神秘に気づいたのはこのときでした。故・岡島瑞穂先生に頼みこんで仲間に入れてもらい、整体の勉強を始めたことが転機になりました。
ペルヴィス®ワーク人気でナンバーワンインストラクターに

――kyoさんが考案したペルヴィス®ワークとは?
骨盤にフォーカスして全身を土台から整えていくメソッドです。活動しているときは締まり、リラックスしているときには緩む。骨盤本来の動きをスムーズにし、全身のバランスを整えて本来持つ自然治癒力や免疫力を引き出します。
――ペルヴィス®ワークはすぐに人気になったのでしょうか。
いえいえ。フィットネスクラブ時代の後半に開発したメソッドなんですが、エアロビクス業界の常識とは真逆の理論だったので同業者からはなかなか受け入れてもらうのに時間がかかりました。でも、現場の生徒さんたちがプロポーションや体調の変化を実感され、ペルヴィス®ワークの評判が一気に上がりました。
骨盤から全身の歪みをとることで腰痛・肩こり・生理痛・冷え性などの不調が緩和。クラスの前後で顔つきやウェスト・ヒップのサイズが変わり、重い生理痛のある生徒さんが数回のレッスンで薬を飲まなくても過ごせるようになったりして成果が顕著でした。それが口コミで徐々に広がり、ペルヴィス®ワークのプログラムは常に予約のとれないクラスとして話題になりました。
――骨盤を整えることの重要性が理解されたのですね。
ヨガスタジオで初披露したときは、スタッフたちが起き上がった瞬間に「これビューティーじゃね?」って言ったんですよ(笑)。それは血流がよくなってお顔もリフトアップするから。日本人のために作ったものなので自信はありましたが、ヨガより先に満席になるほどの人気ぶりはわたし自身も驚きでした。
――すごいです!
ヨガスタジオで発表後、メディアにも注目され、立て続けに10冊の本を出版しました。いちばん最初は、編集者の方が覆面でわたしのレッスンを受けに来てくれて、3回目にはじめて名刺をいただいて「ぜひこのメソッドを本にしたい」と言ってくださったんです。この本の売上は8万部を超えてAmazonで1位を獲得したこともありました。

ペルヴィス®ワークは日常の延長線上にあってほしい。エクササイズが皆さんの生活に生かされて、生徒さんも教える人もお互いに健美になる。教えながら自身も元気になる。そんなメソッドであってほしい。
――豊川悦司さんとCM出演されたのもその頃だとか?
出版した本にDVDの付録がついていたんですが、それを広告代理店の担当の方の奥様が見つけてくださったんです。フローダンスでお尻を振っているわたしを「この動き面白い」とご主人に見せてくれたことがきっかけでオファーがきたんです。一般人のわたしがキンチョーのTVCMですよ。「あー今、豊川さんと撮影現場にいることは一生の思い出になるんだろうなあ」と思いながらその場にいたのを思い出します。素敵な時間でした。
人に喜ばれることがこの仕事の最大の魅力

――このお仕事の魅力を教えてください。
人に喜ばれることが最大の魅力だと思います。生徒さんと体を整えていく時間を共有することは、気の交換をしているのと同じこと。心身共にいい状態を保つことは、自身・家族・社会を生き抜くために重要なことです。元気な人をつくることをお手伝いできるやりがいのある仕事だと思っています。
――では業界を目指す人へメッセージをお願いします。
健康美容分野は人にとって欲求の絶えない分野です。不老不死の研究が世界中で行われている昨今、やはり体のメンテナンスは必須なのです。ペルヴィス®ワークの資格を取った方々には専門にする人もいれば、二刀流で活躍する人も多いです。現在の仕事をしながら、その職場で健康管理のひとつとしてサークル活動をしたり、副業として指導者の顔を持ったり、講演活動をする人も。女性の不具合が改善するということは、機嫌のいい人が増えるということでしょ。最近では男性の骨盤調整も需要が多いのですが、皆が機嫌がいいことは素敵なことです。
――おっしゃる通りですね。最後にkyoさんにとって働くとは?
働くことは健康のひとつです。「働く」って「人が動く」と書くでしょ。健康じゃないと動けないじゃないですか。「元気があればなんでもできる」これは名言ですよね。なにかあったときに人のお世話になるより人のお世話をする側にいたい。それが理想だし、喜びでもあります。
kyoさんの成功の理由は
1.日頃の立ち居振る舞いや言葉遣い、下支えする人を大事にしてきた
2.引き立ててもらったとき、そのチャンスを生かした
3.欧米の真似ではなく日本人に合うメソッドを考案した
60代とは思えない若々しさと美しさを持つkyoさん。ご自分に備わった魅力を生かし、そのときに掴んだチャンスに沿うように磨きをかけ続けることで、時代に求められる仕事をしてこられたのだなと感じました。
撮影/山田真由美
取材・文/永瀬紀子
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ボディワークプロデューサー
kyo(小林 亨)さん
骨盤専門スタジオb-i STYLE
住所:東京都港区北青山2-9-13サイトウビル2F
電話:03-6434-7357
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