通い続けられるパーソナルジム×手に職をつけたいトレーナーをマッチング トレーニングジムSTH代表 西村将汰さん #2

ベンチプレス18歳以下の日本・世界大会で連続優勝を果たし、パーソナルトレーナーを目指した西村将汰さん。パーソナルジム開設の1年後には50人を集客。一時期は入会を断ったこともあったそう。前編では、桁外れの集客ができた理由についてお聞きしました。

この後編では、スタッフの経済基盤を作ることをいちばんに考えたジムの運営についてお伺いします。

スタッフの経済基盤を作ることが僕の重要な仕事

「『その歳にしてはすごいね』って言われないと応援してもらえない気がする、謎の危機感がありました」

――トレーニングジムの運営で大変なことは何ですか。

スタッフの経済基盤を作ってあげることが僕の重要な仕事なんですけど、そこがいちばんプレッシャーはかかるところですね。いま4店舗目オープンに向けて準備中ですが、スタッフは全員業務委託なので個人事業主です。

まずは地元で運動習慣をつけたいという会員様を一定数集めることで毎月ほぼ安定した金額が入ってくれば、メンタル的にも安心ですよね。それが作れたらうち以外でやってもらっても全然構わない。まずはスタッフの経済基盤を作ってあげたいんです。

――利益追求というよりもスタッフのためという気持ちが強いのですね。

僕もずっと自分の居場所を探し求めてきた過去があるので。トレーニングで食っていくと決めたのが16歳のとき。学校の先生にも「そんな筋トレばっかりして将来どうするの」って言われて「俺これで飯食うんすわ」って言ってやり始めて、悔しい思いもいっぱいしてきました。だからトレーニングをがんばっている人たち、何か夢を探している人たちを応援してあげたいという気持ちが僕としては強いですね。

あとは、ひとりでは運動を続けられない人、それからこの大不況の中、パーソナルトレーニングに毎月4万、高いところだと6万とか払って通い続けるのって難しいと思うんですよね。通い続けられるパーソナルジム×これから手に職をつけていきたいトレーナーさんをマッチングできたらいいですね。

――どんどん店舗を増やしていく予定ですか。

直営は5店舗くらいでやめようかなと思っています。あとはうちで働いてくれている子たちが自分で稼げるようになって、店舗を作って、当時の僕と同じような形で姉妹店を作ってくれれば僕としてはもうそれ以上望むことはないです。

ただこのサービスにはすごく需要があるなとは思っていて。休みたい気持ちもあるんですが、人の役に立ちたいというか救ってあげたいという気持ちが勝って、もしかしたら拡大していくんでしょうね…とも思っています。

――スポーツジムではなくてパーソナルジムにくる人たちは何を求めているのでしょうか。

一人では続かない、人目が気になるとかいろいろあると思いますが、無駄なコミュニティを作らなくてすむのがいいんだと思います。スポーツクラブだと多かれ少なかれコミュニティがあったりしますが、コロナ以降、閉鎖的な空間で人が過ごすようになり、それが嫌だという人が増えた印象があります。パーソナルジムは、完全個室でトレーナーと1対1。そこが需要が増えている一因だと思います。

トレーナー業は人に感謝される瞬間が多い

「スタッフ全員、何らかの大会競技に取り組んでいるのがうちの強み」。

――トレーナー業の魅力を教えてください。

例えば結婚式までにダイエットしたいというお客様が「先生のおかげできれいになりました」と言って、最高のお姿の結婚式の写真を見せてくれる。またベンチプレスの大会で目標の100キロを上げたお客様が泣いて喜んでくれる。そんなふうに人に感謝される瞬間が多いことですね。そこにやりがいを感じています。

――経営一本にしない理由もそこにあるんですか。

その瞬間に立ち会いたくて現場に立ち続けているところが大きいですね。経営に徹したほうがパフォーマンス自体は上がるんじゃないかなと思うんですけど、現場には立っていたいです。

――今後の展開は?

トレーナーの渋滞緩和と新たにピラティス事業を立ち上げるために4店舗目を準備中です。

スタッフには当時の僕のような辛い思いをしてほしくないんです。今思えば誰かに認めてもらいたくて、勉強もトレーニングもがんばっていたのかもしれない。いま好きなことでご飯を食べるという夢を叶えることができて、やっと自分に自信が持てるようになりました。今度は誰かの夢を叶えてあげたいという気持ちがすごく強いです。

トレーナーの人材育成事業「お悩み相談室」を始めたい

ジム経営の傍ら、2025年10月に行われた東京都選手権で見事優勝。

――西村さんの功績、20代にして尊敬します。

いえいえ。2026年にはトレーナーの人材育成事業を始めようと思っています。僕はコンサルという言葉があまり好きじゃないので「お悩み相談室」。これからトレーナーになりたい方や、既に開業しているけど困っている方のお話を60分1万円で聞く。

ホームページ制作会社や内装業者の紹介、またお客様とのセッションの中で紹介がもらえないなどの相談を1週間のアフターフォロー付きで受ける。〇ヶ月〇十万とかのコーチングではなく1回ポッキリでやっていこうと思っています。いい方がいたらうちで働いてもらってもいいし。

――他業種の相談にも乗れそうですね。

好きを仕事にしたい人が増えていますしね。お客様にもトレーナーとして独立したいという子たちがすごく増えています。そういう人たちを応援してあげられるプラットフォームを作りたいです。

――今後業界を目指す方にメッセージをお願いします。

よく「稼ぎたいです」という人がいるんですけど、僕はそういう人は採用しません。仕事は人のためにするものだと思っているので。

何でもいいんですけど、例えば痩せさせることが得意なら自分の技術や能力をそれに悩むお客様のために使ってほしい。そうやって人を喜ばせることができる人になってほしい。もしくはそういう人と一緒に働きたいですね。

――最後に西村さんにとって働くとは?

「自己表現ツール」のような気がします。僕は人と話すときに自分を取り繕ってしまうところがあるんですが、ベンチプレッサー・パーソナルトレーナーの自分は、自分そのものだと感じています。

いろいろあって親にも学校にも友達にも否定されることが多かったので、なかなか自分を肯定することができなかった。でも「あなたはそのままでいいのよ」という言葉を投げかけてくれる祖母にはすごく救われました。無償の愛をくれる存在でした。僕自身も祖母のような無償の愛を届けられる人になりたい。スタッフにも「俺は俺のままでいいんだ」と思ってほしいし、且つ自己表現できる場所を作ってあげたい。それがお客様にも広がって、小さな社会貢献を積み重ねていければいいなと思っています。

西村さんの集客力の秘訣は

1. トレーナーで生きていくという強い信念があった。

2. 人を惹きつける言葉の力を持っている。

3. 同じ悩みを抱える人の生活基盤を作りたいという明確な目的がある。

屈強な見た目からは想像もつかない悩みを過去には抱え、それでも驚異のスピードで驚異の人数を集めた西村さん。それは何で生きていくのか、何のためにやるのかが明確だったからではないかと感じました。

撮影/佐藤克己
取材・文/永瀬紀子


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トレーニングジムSTH
住所:東京都墨田区東墨田2-18-7

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