僕の強みは、人を惹きつける言葉の力 トレーニングジムSTH代表 西村将汰さん #1

高1で筋トレに出会った西村将汰さんは、独学でトレーニングに励み、デビュー戦で東京都優勝・東京都新記録を樹立。18歳以下の日本・世界大会で連続優勝を果たしたことを機に、パーソナルトレーナーを目指します。自分のジムを開設すると、初年度に50人以上を集客。一時期は入会を断ることもあったそう。なぜそんなに人を集められるのか、その理由を教えていただきました。

SHOTA‘s  PROFILE

名前

西村将汰

出身地

東京都墨田区

出身学校

都立三田高校

趣味・ハマっていること

仕事が遊び。遊びが仕事。

憧れの人

祖母。「あなたはそのままでいいのよ」という言葉を投げかけてくれた、無償の愛をくれる存在でした。

仕事道具へのこだわり

器材はいちばんいいものを。安いジムだから安い器材ではなく、安いジムだけれど高い器材と質の高いトレーナーを配置しています。

18歳以下の日本・世界大会で連続優勝

STHは「まだ名前が決まっていないジムを訪れた友人に『お前の精神(S)と時(T)の部屋(H)を使っていいか?』と言われたことに由来。僕たちドラゴンボール世代なので」。

――この業界に入ったきっかけを教えてください。

高校は進学校でテニス部に入ってみたけれど、やりがいを感じられず3日で退部しました。もともと走るのが好きだったので高1の夏休みに850kmくらい走ったんですよ。いま振り返っても常軌を逸した距離ですが、そしたら体重が43kgまで落ちてしまって。新学期になって「俺たちガリガリだから今日から筋トレしない?」と友だちに誘われたのがきっかけでした。

スポーツクラブのフリーウェイトトレーニングをするエリアは、マッチョなおじさんたちが占領していて一連の器械をみんなで回しながら使っていました。20kgしか上げられないガリガリの高校生の僕は当然そこには入れない。どうやら60kgを10回上げたらあの輪の中に入れるらしいということを高校生ながら観察して分かったんです。高3の終わりには150kgぐらい上がるようになっていました。

――輪に入れるようになったのですね(笑)。

はい。マッチョなおじさんの中のひとりが勝手にベンチプレスの大会にエントリーしてくれて、そういうのがあるんだということを初めて知りました。大会後にその方がご病気されて、がんばれっていうのもちょっと違うな。じゃあ自分のがんばっている姿を見せて元気づけようと思って、初めて出た公式戦で東京都優勝・東京都新記録。その後18歳以下の日本・世界大会と連続で優勝を果たしました。

――すごい!としか言いようがないです。

それで生計を立てている大人たちに出会い、「これで飯食うのカッケー」と思って早稲田大学スポーツ科学部を受験。作文用紙の縦と横を間違えてしまい0点。単願だったので大学生にはなれず…。もう1年勉強する気にもなれなくてスポーツクラブでアルバイトを始めました。

広告を一切打たず初年度に50人以上集客

STHのスローガンは「全ての人に健康を。あなた専属のパーソナルトレーナーを」。

――スポーツクラブ時代について教えてください。

幸いベンチプレスの実績があったので、アディダスファンクショナルトレーニングというライセンスを取るための研修を受けた後、業務委託のパーソナルトレーナーになりました。

――そこでは何人くらい担当されたのですか。

5名です。というのには理由があって、僕には昔から人に馴染めないようなところがあるんですよね。当時精神的にも強くなかったので、通勤しようと思うと謎の蕁麻疹が出て仕事に行けなくなってしまい、結局1ヶ月で辞めてしまいました。

――そうだったんですね。その後は?

晴れてニートに。大学も行ってない。就職もしてない。人生終わりだと落ちこんでいたときに、幸い知人が多かったので知人からお金を借りてやり始めたのがこのジムです。当時18歳の僕が考えたことは、月4回ひとり1万円で30人いたら30万。家賃払って生きていけるという非常に浅はかな考え。でも幸い1年目の終わりには50人集客。ひとりで生きていけるようになって無事お金も返せました。

――50名もどうやって集客したのですか。

錦糸町や銀座で知り合った人に「僕パーソナルトレーナーやってるんですけど、月4回1万です。押上の隣の隣なんですけど来てもらえませんか」と声をかけるところから始めました。入会してくれた方が人を紹介してくれて、人が人を呼んで。広告は一切打たず、4年目にはもうちょっと断るぐらいの状況になったんですね。いま9年目ですけど、僕9年間で休んだのは20日くらいです。

――超ブラックじゃないですか(笑)。自分でアナウンスしたということですが、それにしてもなぜそんなに人が集まったんですか。

4年目には月4回で18,000円まで上げさせてもらったんですけど、当時のパーソナルトレーニングの相場は安くても1回6000円くらい。月4回だと3万円。その半値は業界最安値。それが大きな理由だと思います。

これメチャメチャ需要あるなって思ったときに、当時僕19歳でしたけど僕みたいに筋トレで飯食っていきたいっていう人の経済基盤を作りたい。あとは僕のお客さんの受け皿がなかったので、貯めたお金で2023年には2号店の八広店をオープンしました。

自分の強みは、人を惹きつける言葉の力

「トレーナー業では先生と呼ばれることがありますが、それで横柄になったりしてはダメ。お客様と同じ目線で話すことが大事」

――業界最安値以外にも、西村さんには人を集める理由があるような気がします。

自分の強みとして、人を惹きつける言葉の力があるのかなと思います。

――人を惹きつける言葉の力?

僕のお客様には辞める人が圧倒的に少ない。その理由はなんだろうと考えたときに、どれだけそのお客様を特別に思ってあげられるかが大事なんじゃないかなと思うんです。その上でどう伝えるか。

例えば体験レッスンでは「いつ、どうやって予約すればいいですか」、「これでお願いしたいです」とお客様に言われるぐらいまでの関係構築を心がけています。

話し方、メールでのやりとり、話す内容など挙げたらきりがありませんが、ときには一般教養も大事。例えば「築地に家買おうと思ってるんだけど」というお客様がいたら、「あそうなんすか」、「いいっすね」で終わってしまうのではなくて、「いま上がってますもんね。でも○○さん、本当に買うときは僕に相談なんかしないで買ってますよ」って僕はたぶん言います。僕と喋りに来るお客様も多いですね。

――西村さんとお話したくて。

トレーニングを教える技術やトレーニングの力量は、トレーナーとして持っていて当たり前。お客様との会話やコミュニケーション術みたいなものはなかなか教えてもらえないと思います。幸い僕はその辺が備わっていたので、それをいまスタッフに伝えているところです。

やっぱりそれをやるとリピート率は非常に上がります。結局、いいから来るし、人にも紹介してもらえるじゃないですか。いいことなのか分からないですけど、僕はお客様を単にお客様とは思っていないんです。ここに来る仲の良い人たちにトレーニングしているという感覚かもしれませんね。

後編では、スタッフの経済基盤を作ることをいちばんに考えているというジムの運営についてお伺いします。

撮影/佐藤克己
取材・文/永瀬紀子


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トレーニングジムSTH
住所:東京都墨田区東墨田2-18-7

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