美容業界で働く人へ! 考えておきたいお金の貯め方 #1

現在、サロンで働く20代のみなさんは、貯蓄や将来設計をしていますか? 「目標はサロン経営」「スタッフとして腕を磨きたい」「今のままで働きたい」など、考えはさまざまですが、将来的に余裕を持った生活を送ることは、みなさんの願いではないでしょうか。今回はお金の先生とも呼ばれるファイナンシャルプランナーの山中伸枝さんに、上手なお金の貯め方や将来設計などについてうかがいました。

20代は自分への投資。稼ぐ力を身につける

お金の貯め方

――先生のクライアントには20代の方たちはいますか。
「20代の方もいますが、30代から40代の方からの相談が多いです。割合は女性が多い傾向にあります」

――20代の方にはどのようなアドバイスを。
「人的資本である、自分自身への投資についてアドバイスを行うことが多いです。20代では金融への投資を行う金銭的余裕がまだないので難しいのが現実です。したがってスキルアップして、しっかりと稼げる力を身につけることをメインにお話しています」

――具体的には。
「自営で独立されていると国民年金のみになり、厚生年金がありません。現在の収入を、そのまま使い続けていると、将来の自分への仕送りがまったく出来ない状態になりますから、まず稼ぐ力をつけるためのスキルアップをして、30代に入ってから投資についてのウエイトを増やしていくことが大切です」

――会社員などお勤めしているクライアントは、どのようなことで悩んでいるのでしょうか。
「年齢別でみていくと30代から40代の独身の方は結婚や子育てなど、近い将来の出来事を踏まえたお金の相談です。50代になると「今のまま勤めていていいのか」と先輩などを見て迷いが生じるようです。そのなかでどう稼いでいくか、できるだけ働かずにお金を増やす方法がないかなどですね。年代別でお金の悩みが違うので、ライフスタイルやターニングポイントになる出来事とあわせながら、資産運用のアドバイスをしています」

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働き方とライフイベント!人生のメリットを考える

――ライフスタイル、ターニングポイントというお話が出ましたが、どのようなタームで行えばいいのでしょうか。
「何をするにしても早すぎる遅すぎるはないと思いますが、できるだけ早めに自分の人生設計、プランニングを考えておくに越したことはないですね。例えば20代なら“このぐらいの年齢には、こんな自分になっていたい”という青写真を描くことは、すごく大切。もちろん、その通りにいかないこともあるけれど、迷うことなく行きたい場所にたどり着くためには、着きたい場所や課程を思い描いておくと、チャンスが巡ってきたときにつかみやすくなります」

――40歳で独立したいなどの目標を立てるということでしょうか。
「そうです。特に女性の場合は結婚や出産、育児などライフイベントがたくさんあります。体力的な問題も考えると年齢で多少の制限が出てきます。やりたいこと、やらなければいけないことの優先順位を考えて、バランスを見ながら自分の中で整理しておくといいでしょう。自分の年齢にはタイムリミットがあるということを、しっかりと自覚することも必要です」

――年齢による立ち位置も違いますよね。
「そうですね。例えば40歳過ぎてから契約社員として働く場合、生活を成り立たせながら、将来の自分に仕送りするのは、なかなか厳しい面があります。働くことによって入ってくるお金だけではなく、福利厚生や社会保障など、トータルに比較して、どういったワーキングスタイルが自分の人生において大きなメリットがあるのかを考えておく必要があります。社会保険に加入することで守られることもたくさんあります。そういった意味でも社会の仕組みについては、しっかりと勉強しておいて損はないと思います」

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Profile

山中さん

山中伸枝(やまなか のぶえ)

ファイナンシャルプランナー(CFP)、確定拠出年金アドバイザー。株式会社アセット・アドバンテージ 代表取締役。
1993年米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業。留学経験や海外業務・人事業務などを通じ、これからはひとりひとりが、自らの知識と信念で自分の人生を切り開いていく時代と痛感し、お金のアドバイザーであるファイナンシャルプランナーとして、講演・相談・執筆を中心に活動。著書は『ど素人が始めるiDeCo(個人型確定拠出年金)の本』(翔泳社)、『「なんとかなる」ではどうにもならない定年後のお金の教科書』(クロスメディア・パブリッシング)など。
アセット・アドバンテージhttp://asset-advantage.com/

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