ミーティングは一切なし!自発性を高め個々に輝く場所を作る『coto』
コーヒーとアートの街、清澄白河に2016年オープンした『coto』。地元企業とのつながりを大切にし、お客さまの高い満足度もあって、オープンから1年足らずでなかなか予約の取れない人気店になっています。しかし『coto』では、オープンから一度もミーティングをしたことがないのだとか。その理由についてオーナーのおひとり、宮崎俊介さんにお伺いしました。
チームワーク、自発性の両輪で人を育てる
――3人でオーナーをやられてみて、いかがですか?
「17年仕事をしてきて、独立する前はそれぞれがお店のトップでしたから、教えることはあってもなかなか教わることはありません。今は3人がそれぞれもっている力を出すことで、お互いが刺激し合うことで、僕はこのお店にきてからうまくなったと思ってますし、それは他の二人も同じなんです。いわゆる1アップってやつです(笑)」
――お店の特徴はどんなところでしょうか?
「このお店の特徴はメニューではなくて、人の部分だと思っています。いくらいいメニューがあったとしても、提供する人間が心を込めていなければお客さまはいいと思えないはずです。そこでミーティングと朝礼をなくし、自分の時間が増えたところで、その時間を使って自発性を高めてほしいと思っているんです。今、美容師のフリーランスが増えていますが、成功している人たちは自発性が高いんだと思うんです。それは人を育てます。一方で組織に所属しているよさといものもあります。チームワークだったり、アイコンタクトでのコミュニケーションだったり、社員旅行も楽しいですしね。このサロンではフリーランスのよさと組織のよさの両輪でスタッフを育てたいと思ったんです。これからの時代に必要な、新しい形の働く環境かなと思っています。1年間その形でやってきてコミュニケーションがきちんととれていますし、お客さまの予約が先々まで入っていて、リピート率も高いんです。空いた時間を使って個々が輝くようなことをやってもらいたいと思っています」
――自発性を上げる取り組みについて具体的に教えてください。
「お客さまに出すハーブティをアシスタントの3名にすべて任せています。ハーブティの会社まで行って説明を聞き、選定して仕入れ、どのようにそれをディスプレイするか、どのように説明して、販売するのか。小さい経営者となって、経営というものがどういうものかを学んでもらっています。他にもいくつかそういった取り組みをしていて、スタッフの自発性を高めています」
“人や物を大切にする”ことで生まれる幸せを
最後に『coto』で働くことで得られること、また今後の目標について、オーナーのひとりである河本さんに伺いました。
――現在スタッフを募集中とのことですが、どんな人材を求めていますか?
「明るく元気で、人思いな方、人懐っこい方、そして初心を忘れない人にきてもらいたいですね。僕たちも初心を忘れないからこのサロンを始めたわけなので。好きなことを見つけるのは簡単ですが、続けるというのは覚悟がいります。美容を好きでいる覚悟がある方、この記事に書かれていることに共感できる方にぜひ来ていただきたいです」
――『coto』で働くことで得られることはどんなことでしょうか?
「この会社の経営理念に『大切から生まれる幸せ』というのがあるのですが、大切にすると愛着がわきます、愛着が沸くというのは幸せということですよね。人や物を先に大切にすることで、幸せになれると思うんです。そういった大切なことを学べる環境だと思っています。なので今よりいろんなものを大切にできる人になると思います」
――美容師の仕事はきつい、大変というイメージの方もいると思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか?
「何を重要視するかだと思います。お金をいきなり稼ごうとしても無理です。でも人を大切にすることでお金は稼げるようになると思っているんです。その順序を間違えなければいいのかなと。ただ僕たちは美容師の仕事は本当に楽しい仕事だと思っていて、一度も大変だと思ったことはないんです。そういったマイナスのイメージがつきすぎてしまっている気がします。これからは美容師がいかに楽しいかという情報もたくさん発信していきたいと思っています」
――最後に今後の目標を教えてください。
「店舗展開ですね。スタッフが働く場所を増やすという意味での店舗展開を目指しています。事柄を通して、清澄白河を好きになってもらいながら、スタッフもお客さまも輝ける場所を作っていきたいですね」