美しいヘアデザインを作るベースに着目 『HAIR STUDIO LUZ』
友原さん率いる「HAIR STUDIO LUZ」のサロンコンセプトのひとつに、健やかで美しい髪というのがあります。モットーとしている個々のゲストのライフスタイルに似合うデザインを叶えるためのベースとなる美髪作りについてや、長年一緒に働き信頼し合えるスタッフを育てる教育方針など、後編の今回はサロン作りの裏側について伺いました。
オリジナル商品を開発した理由とは
――オリジナルで開発された「sor7」とう毛髪補修型シャンプーとトリートメントを扱っておられますが、オリジナル商品の開発の意図とは?
「このシャンプーとトリートメントは当サロンを含め、志を同じくした6つのサロンが合同で開発したもの。僕たちスタイリストは美しいヘアデザインを作るのが仕事ですが、そのためにはまずベースとなる素材、つまり毛髪そのものが健やかで美しくあるのが理想です。だからこそ毛髪からクリエイトできればという思いがあり、撮影や勉強会で知り合い同じ思いを抱いていた他のサロンさんと一緒に開発をすることになったのです。ただ、これらの商品はメーカー発信ではなく僕たちが髪により良いものをと毛髪科学をベースに作ったので、とにかくコストが掛かってしまいました。とはいえ、お客様が続けて使える価格設定にしたかったため、利益率は非常に低い(笑)。それでもオリジナルを開発し続ける理由は、やはりヘアデザインの完成度を上げたいから。突き詰めれば、いかにお客様がサロンでの仕上がりに満足いただけるかを目指してのことです。」
独自のスタイル確立と他店からの刺激
――ディレクターとしてサロンワークを務めながらも、オーナーとして経営やスタッフ教育を行う立場におられますが、経営や教育哲学はありますか?
「経営に関しては独立する際に美容業界以外のセミナーなどに多数参加しましたが、様々な成功者の話を聞き、結局その人の真似をするのではなく自分のやり方やスタイルを持って取り組むのが大切だと学びました。それはスタッフ教育に関しても言えますが、うちの店はこうだと押し付けるのではなく、各スタッフのスタイルを伸ばすような教育が求められる時代だと思います。現在2名いるスタイリストは、以前の店舗から続いている子たちでそれぞれ13年と9年一緒に働いています。既に何でも話せる環境が出来上がっていますが、4月から新卒で1名入社するので、その子をどうプロデュースして個性を伸ばしてあげられるか、これは僕も一緒に学んでいかないといけないと。また、教育の一環でハイエンドなレストランに連れて行くなど、上質のサービスを体験できる機会を設けたり、注意する際も感情的にならないよう努力をしていますね。」
いつかはよりこだわった店をもう1店
――移転リニューアルされて約1年ですが、今後新たな展開はお考えでしょうか?
「今はまず、僕以外の2名のスタイリストの集客を高めてよりこの店を安定させることを第一に考えています。ただ、それが叶ったら今度は僕自身がマンツーマンでお客様を担当できるお店を持ちたいというのが夢。カフェに遊びに来るように足を運べ、カット後にお茶を飲んで寛げて、内装ももっと自分の好みを全面に出して…(笑)。つまるところ、やはり僕はお客様としっかり向き合えるサロンワークが好きなのだと思います。これからこの業界を目指す人も多いかと思いますが、たえず夢を持ってそれを追いかけて欲しいですね。ステップが進むにつれどんどん夢が展開して行くのが美容業の楽しみでもあるので、理想を追いかけることをやめないで欲しいです。」
キャリアを重ねてもなお新たな夢を持ってそれを追い続ける友原さんは、時代の流れをうまく掴みながら自己流にそれを乗りこなすまさにサーファー。止まることなく形を変え続ける波のように、これからもどんどんチャレンジを重ねて関西の美容シーンを牽引して行く存在なのではないでしょうか。
Profile
友原英紀さん
ディレクター
大阪出身。高校生の時に目にした当時の有名スタイリストの写真集に憧れ美容師を志す。専門学校卒業後に心斎橋の有名サロンに入社し、トップスタイリストとして10年務めた後に独立。トレンドヘアからモード、ナチュラルまで幅広いヘアデザインに定評が。
ベテランスタイリストの次なる一手 『HAIR STUDIO LUZ』>>