既存の美容室のあり方にとらわれず、すべてオープンにして信頼を得る『9 NINTH FLOOR』

池尻大橋から徒歩1分。その名の通りビルの9階に位置し、開放感あふれるサロンとなっている『9 NINTH FLOOR』は、既存の美容室のあり方にとらわれないさまざまな試みを行っています。自由な場所に座ってもらう、すべてオープンなフルフラットの空間など、なぜそのような取り組みをするようになったのか、オーナーの間田澤勲さんに伺いました。

9 NINTH FLOOR

スタッフが本当の幸せを手にできる、時間の使い方

――このサロンをオープンさせたきっかけについて教えてください。
「以前から、時間の使い方について考えることがありまして。時間の使い方というのは、美容師の仕事は拘束時間が長くて、その割に給料が安いという傾向がありますよね。これは効率的ではないなと(笑)。我々も人で、お客さまも人と考えたときに、お互いに時間を上手に使えれば、お互いが幸せになれますよね。僕らがお客さまに与える技術も、“早い、うまい”が一番うれしいじゃないですか。“長い、下手”ではだめですし“早い、下手”も困る。満足度というところで見ると、早くて上手なサービスをお客さまに提供できれば、こちらの時間もあるし、お客さまの時間もあるという状態になる。満足いただく確率があがるわけです。その分の対価としてお金をいただいたときに、それは安くある必要はないと思ったんです。そういう商売をしようと思ったのがきっかけですね。これからこのサロンに入ってくるスタッフにも、そういう美容師になってほしいという思いがあります。自分の時間を有益に使えて、その幸せな時間をお客さまに分け与えるサービスができるような。それがコンセプトにもなっています」

――そういう思いを抱くようになったきっかけは、何かあったのでしょうか?
「客単価や時間単価が高いスタッフと低いスタッフがいることを見ていて思うことがありました。新規クーポンに頼ってフリーのお客さまを担当しているスタッフは、1 日中働いて、売上が僕の半分くらい。だとしたら、もう少しひとりのお客さまにしっかりと施術をしてその対価を確実に得て、新たな時間と報酬を確保していったほうが、スタッフの人間性もアップするし、担当されたお客さまも嬉しい。お互いに幸せになれるじゃないですか。そういうところを目指していきたいと思ったんです。別にクーポンを使った集客を否定しているわけではないですし、多くのお客さまの施術をする経験としてはいいと思うんですが、長く美容師人生を送ってほしいと考えたときに、体を酷使する期間が長くなると後半に響きますよね。なので確実に自分の価値を高め、人間性を磨き、ステップアップしていくことは必要なんじゃないかと」

間田澤さん

お客さまの選べる自由を大切に

――内装があまり美容室っぽくないと感じたのですが、どのようなこだわりがあるのでしょうか?
「まず四角い形の物件を探していました。ここは、一歩足を踏み入れるとサロンをすべて見渡すことができる空間です。見せてはいけないものを持つというのが性格的に合わなくて(笑)、すべてを見えるフルフラットの状態にしたかったんですね。たとえば、薬剤もディスプレイとして飾っていますし、カラー剤を混ぜる作業も見えるところでやるようにしています。見えるところで調合するので、お客さまから質問もされます。お客さま自身が、何を使って何をされるのか、興味を持っていただけるアトラクションのような場所になっています。鏡と椅子が整然と並んでいる空間が美容室らしさであるとすると、このサロンは、セット面以外のスペースを広くとっていて、必ずしも見せる必要のないものも見えるようにしているところが美容室らしくない理由かもしれません。スタッフが休んでいるところを見られてもいいと思ったんですよね。 美容師って人が商品なので飾っておいてもいいわけですよ」

――お客さまが椅子や座る場所を選べるというシステムをとっているそうですね。
「そうですね。カットは鏡のある席で施術していますが、カラーリングやパーマの待ち時間は、好きな場所に座ってもらいたいと思ったんです。美容室は全面鏡張りというところが多いですが、待ち時間に自分の顔を見ていなくてもいいと思っています。外が見える席でもいいし、カウンターで好きな本を読みながらでもいいし、自由にリラックスして過ごしてほしいと思ったんです。あとは、ドリンクや雑誌も自分で選べるようにしています。差し出してあげることがサービスだと思われがちですけど、与えられたものを受け取るよりも、自分で選べることのほうがよいかな、と。どうぞお好きにしてください、その準備はしますというスタンスです。空間的にも四角いので開放感がありますけど、お店を使うときの開放感というのもありますね」

――スタイルでのコンセプトはありますか?
「私たちのサロンのお客さまは 30 代~50 代のいわゆるファーストグレイ、つまり白髪が生え始めた人や、ある程度お金を自由に使える人、お店に来るスパンが短い方が多いんですね。このサロンでは、カラーだけで 6 種類の取り扱いがあり、薬剤によってパフォーマンスや値段が違うので、それらを表にしたメニューを用意しています。そのなかから、お客さまに選んでいただきます。カラーを繰り返すとダメージがでますが、短いスパンで続けてもダメージしにくい状況を作ることで気軽に来てもらえるようにしています。トリートメントも 3 種類から選んでいただけます。私たちのサロンに通い続けるメリットは、人がいいとか技術があるというのももちろんありますが、続けていてもダメージしにくいということです。薬剤を見えるところで混ぜているのも、やましいところが一切ないからなんです。お客さまに信頼されるためにも、オープンにやっていくことが大事だと思っています」

   

Salon Data

9NINTH FLOOR

9NINTH FLOOR

住所:東京都目黒区東山3-1-15 HOLON池尻ビル9F
TEL:03-6712-2840
http://9th-floor.com/

「経験がその人の厚みを作る」スタッフの人生経験と共感を大切に『9 NINTH FLOOR』>>

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