“美容師の働き方”から“サロンの経営方法”までを変革する『nico』
五反田駅から徒歩30秒という場所にある『nico(ニコ)五反田店』。同サロンはスタッフとお客さまの距離が近く、たびたびお土産をいただくとのこと。そんなフレンドリーでアットホームなお店は、今また大きく変化しようとしています。
後編の今回は、オーナーの宮下健太郎さんに、お客さまとの関係性やお店づくりのこだわり、今後のビジョンについてうかがいました。
20代の若者から地元のセレブシニアまで広がる客層
――お客さまにはどのような方が多いですか?
「20代の方から40代の方が中心ですが、50代、60代の方もいらっしゃいます。五反田は白金などに近いことから高所得なシニアのお客さまが多く、サロンの特徴に挙げたエイジングケアもそんなお客さまのためにご用意しています。やはりシニアの方が来られると、地元に根付いた感じがしてうれしいですね」
お客さまからいただくお土産は、お店が愛されている証拠
――お客さまからはどのような感想が多いですか?
「40代〜50代の方で満足していただいている方ほど来店サイクルが非常に短い傾向があり、1ヵ月に2回来られる方もいらっしゃいます。それから、このお店ではお客さまからお土産をいただくことが非常に多いです。私などはほぼ毎日もらっていますし、他のスタッフもかなりの頻度ですね。おそらくそれが“お客さまの感想”と言えるでしょう。ちなみにお土産をくださるのは20代から50代、60代のお客さままで年齢は関係ありません。
『どこどこに行ってきたよ』とか『どこそこがよかったよ』といった言葉とともにお土産をいただくのは、やっぱりうれしいです。そして旅行先で思い出していただける美容師という仕事は本当にすごいな、と思います。こんなことは他の職業ではなかなかないんじゃないでしょうか? やはり髪に触れるというのは特別なことで、とても距離が近くなるんだと思いますね」
“お店のスタイルの変化”と合わせ、内装も変えていく
――お店づくりや内装でこだわっている点はありますか?
「現在のサロンの内装のコンセプトは私の趣味は抑えて、一般受けするように作っています。たとえば椅子に使っている茶色も私が好きな深いブラウンではなく、女性が好みそうな薄いキャメルを選ぶなど、できるだけソフトな色使いにしました。なるべく我を出さないように中間点をとった内装です。
しかし、2015年頃からお店の方向性を“低価格サロン”から“ブランディングする通常のサロン”へと切り替えたこともあり、今年内装は変える予定です。また店内に置く雑誌や流す映画も、私が好きな旅行先のものと自分が好きだと思える映画にしています」
2015年頃から始まった“新しい経営”へのチャレンジ
――今後のビジョンについて教えてください。
「これまではあまり多店舗展開は考えていませんでしたが、ここにきて少し考え方を変えています。というのは、これまではお店のサイズに合わせてスタッフを集めていたのですが、それはあまり経営的に健全ではないなと思うようになったのです。これからはお店にスタッフがあふれるような環境を作って、いわばお店という“水槽”がもうきゅうくつだという状況になったら、新たにお店(=水槽)を作るという方針にしようと考えています。また多くの美容師は美容師だけをやっているのでは長く続けられず、効率も悪いと私は考えているので、スタッフを美容関係だけでなく、飲食やIT系、カメラマンなど幅広い仕事に挑戦する集団にしていきたいと思っています。ただし接客業がベースですから、対人スキルが重要になるサービスに特化したいです。そういうチャレンジができてこそ、会社化されて安定したサロンで働く意味があるのではないでしょうか。
2015年頃まではとにかくマーケットのニーズに合わせて、自分自身の考え方や好みを出さないようなサロン経営をしていましたが、今はそれを大きく変えている最中です。ですからサロンの海外展開にしてもマレーシアは現状維持として、次は誰も注目していない中南米などにチャレンジしたいですね」
Salon Data
nico(ニコ)五反田店
住所:東京都品川区東五反田5-27-6 第一五反田ビル 7F
TEL:03-5422-6277
https://www.nicoandniconail.com/
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