短期的な集客に頼らず、じっくりとお客さまとの信頼関係を築き上げる『LOAWe』
下北沢駅から徒歩数分、一番街商店街の奥にある『LOAWe（ロウイ）』。同サロンはお客さまの髪にまつわる悩みに真正面から取り組み、絶大な信頼を得ています。
後編の今回はオーナー・ディレクターの江田有希さんに、お客さまの客層や感想、内装へのこだわり、そして今後のビジョンについてうかがいました。
お客さまとは長く、じっくり付き合いたい
――お客さまにはどのような方が多いですか？
「大学生のお客さまもごくまれにいらっしゃいますが、基本的には20代半ば以上の方が多いですね。下北沢は若い方が多い街なので、学生のみなさんをターゲットにするのもいいとは思いますが、そうするとクーポンサイトでの値下げに頼らざるを得ず、値崩れしてしまう心配があります。また、そういう集客で来てくださるお客さまは初回の安いところを探してどんどんお店を移ってしまいますから、そこで勝負しても仕方がないかな……と考えています。毎回初めてのお客さまの髪を切るよりも、お店のことを好きで来てくださる方と長くお付き合いしていきたいと考えているので、実は学割もやっていません。なので、どうしても定着されるお客さまは20代半ばから30代になってきますね。ちなみに70代の方もいらっしゃっています。
お客さまのお仕事としては、接客業・サービス業の方が多い印象があります。看護師さんのほか、アパレルにお勤めの方などけっこう髪の毛で遊べる職業ですね。何かしらファッションに自由度があるお客さまが多いと思います」
揺るぎないブランディングの軸と、徹底したカウンセリング
――お客さまからはどのような感想が多いですか？
「トリートメントについては本当に喜んでいただけている感じがしますね。ありきたりですが『今までと違う！』とか『自分の髪じゃないみたい！』なんて感想を本当にもらってます。当サロンはトリートメントの比率がかなり高くて、来店される女性のお客さまでカット・カラーをされた場合は8〜9割くらいの方が施術を受けられます。みなさん、『カットだけじゃなくてトリートメントもお願い！』って感じですね。初回の方にはトリートメントを是非体験してみてくださいとお伝えして、そこで体験していただくと非常によかったと感じられて、また次回につながるという流れがお店の仕組みとしてできあがってきています。
カウンセリングについてはお客さまの悩みをしっかり聞いたうえで、言いづらい部分や『聞かれなかったけど大丈夫かな？』というところをなくすために、細かく要望を聞き取ることを心がけています。たとえば前髪を切って欲しいというお客さまに、はいわかりましたと言って始めてしまうと『眉上に切られちゃうのかな、眉下に切られるのかな、ザクザクに切られちゃうのかな……』という不安感が残ってしまいます。だから前髪を切るだけでも長さや切り方、完成のイメージまで、1つひとつ細かく聞いていきます。そういうことを積み重ねることでお客さまの印象に残る、“思い出してもらえる美容師”になれるのかな、と考えています」
お客さまに「江田ちゃんらしいお店だね！」と言われる内装
――内装については、どのようにされていますか？
「自分自身がこんな家に住みたい、というイメージで内装を決めました。無機質で、ちょっと男くさい雰囲気ですね。もちろん、やり過ぎないように注意しました。それでも、よくある白くて明るい美容室というのはちょっと違うな、と思ったので。ポイントはアンティークとインダストリアルなデザインです。天井を抜いて、換気用ファンや照明用ライトも工場っぽいものを選び、カウンターもスタッフとアンティーク調にペイントしました。あと、“白くて明るいサロン”って掃除も大変ですからね」
初めてのサロンづくりで失敗したスペースを、より効率的に変えていく
――今後のビジョンについて教えてください。
「2店舗目、3店舗目も考えていますが、おかげさまで最近は忙しくなってきたので、まずはこのお店を大きくしたいです。ここは私ひとりで始めたんですが、この広さでセット面が4枚はちょっとスペースを贅沢に使いすぎたな……と思ってます。それでも後々のことを考えて拡張できるようにサロンは作っておいたので、配置を変えればセット面もかなり増やせるでしょう」
独自の魅力を発信し、多くのお客さまを下北沢に引き寄せる『LOAWe』>>
