SACHIE OGAWA interview:フィリピンで広めたい”可愛い”へのワクワク

フィリピンは有望な投資先ランキングで世界1位※1となったことでもいま注目の国。今回は実際に現地へ行き、日本で大人気コスメブランド『CANMAKE』を独占販売されているSachie – Rocio Beaute & Health Inc.代表の小川さんへ、様々なお話しを伺いました。

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「起業のきっかけは、CA時代の経験」

――どんなきっかけがあり、フィリピンで事業をすることになったのでしょうか?
「短大を卒業しNY留学の後、フィリピン航空で『日本人機内通訳』として働いていました。フィリピンと日本を行き来し、常にフィリピンの方々と接していました。
約6年前、そんなCA生活を続けていた時に、クルーがだんだん日本でコスメを買うようになっていることに気が付いたんです。常にメイクをしなくてはいけない私達は、みんな”安くて良いもの”を探していたので、CANMAKEを買ってきてあげたり、化粧を教えてあげたりしていたんです。
その時、日本のコスメがフィリピンでもっと広まるかもしれない!と感じたのと同時に、まだフィリピンに無い良いものを広めてあげたいと思ったことがきっかけです。
その後、友人のつながりで、CANMAKEへ直接プレゼンし、販売権を獲得することができたんです。3年間ほどはフライトしながらフィリピンでパートナーを見つけ、事業をスタートすることができたんです」

小川さん

「フィリピンでの現在」

――CAをしながら事業をスタートさせたんですね!最初は大変だったのではないですか…?
「最初は自分で足を運びフィリピンでのマーケットを開拓していくことからのスタートです。CANMAKEは、日本ではブランド力があってもフィリピンでは無名なブランドでした。
当時はバイヤーさんから、見向きもされませんでしたね。約1年はお店を出すことさえできなかったです…」

――今では11店舗もお持ちですよね。大変な状況から、どのように成長されたのですか?
「うちは販売の代理店なので、マーケティングから販売から全て自分で行いました。その頃、フィリピンはまだメイクに対して、興味はあってもお金は使えない。メイクするとしても、眉毛、口紅、ファンデーションくらい。コスメを買うよりも、自分自身の生活をしていくことを第一に考える国でした。
そんな状況に直面するまでは、日本と同じマーケティングを進めてしまい、うまく起動に乗ることができませんでした。
例えば日本流のメイクを教えようとして、ギャルメイクをやってみたり、ブロガーを集めてイベントに出てみたりを試みたのですが、全くダメ。
それでも地道な活動を続けるうちに、お店を1店開くことができ、続けて2店舗目と進むことができたんです。そんな日々の中で、日本へ行ったフィリピンの子が、日本で『可愛い』を知り、フィリピンに『可愛い文化』を持ち帰ってきたんです!
その子たちが今までのような簡単なお化粧から、チークを付けたり、目元をオシャレにしたりと、今までの『お化粧をする』から『メイクを楽しむ』という流れが出来、そんなことが口コミで広がり、芸能人などメディアに出る方々がメイクアップアーティストを取り入れるようになったりと、フィリピンの生活に変化が生まれ始めました。
そのタイミングで、私たちはCANMAKEの店舗を開いていたので、日本のコスメが購入できるお店として取り上げられたことで、多くのお客様に来店頂けるようになりなったんです。
日本の可愛いが広まった時代の流れと、このタイミングでCANMAKEを出店していたことが、絶妙に重なった瞬間でしたね!」

Sachie - Rocio Beaute & Health Inc.

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「マーケットの違う国で、大切なこと」

――フィリピンで商品を展開していくにあたり、気を付けていることはありますか?
「私たちが扱っている商品は、日本では安価な俗に言う『プチプラ』ですが、フィリピンの方々にとっては決して安い商品ではありません。ましてやコスメに対して使うお金の感覚も、まだまだ違います。
そいう環境下では『日本で流行っているから売れる!』ということではなく、フィリピンのニーズに合わせて商品は選定しています。
今でも自分で各店舗を回り、スタッフから意見を聞き、お客様が欲しいと思っていることをまとめたり、イベントに顔を出し、現場を見て、現地の感覚を掴むようにしています。
いかに現地化するか。現地ニーズと日本のいいものをバランスよく取り入れるか、それが大事なんだなと気づいてきました。美容部員のメイクや、その人たちが使うコスメがそのままトレンドになって広まったりする国なので、月に1回以上は私もさまざまな店舗に足を運ぶようにしています」

――スタッフさんと接する際に、大事にしていることはありますか?
「楽しくほめて伸ばすことと、信頼関係を築くことを大事にしています。
これにはフィリピンの雇用制度が関係しているのですが、フィリピンの方々は、仕事に対してあまり頑張ろうと思っている子が少なく、もったいないと思っています。
でも、仕事に対してしっかりと頑張ってほしいし、キレイでいてほしいし、ワクワクしてほしい。それにコスメは、やっぱり売る人がキレイでワクワクしていると、それが買う方にも伝わるので、いい形で『WIN WIN』の関係が築けます。
スタッフには様々な子もいますが、しっかりと頑張った子に対しては、お給料という対価などで返してあげて、その子がしっかりと自分の人生設計ができるようにしてあげたいと思います。
生活が豊かになってイキイキするスタッフを見ていると、私自身も嬉しいし、やっててよかったなと思えるんです」

「フィリピンの可能性」

――小川さんから見た、フィリピンの可能性を教えて頂けますか?
「フィリピンは今、人口が増え経済は発展中です。そんな中で日常会話として英語を話せる方も多くいます。この状況で、多くの方々の所得がどんどん上がっている時に差し掛かっていると思います。
それでも全体を見渡すと、まだまだそれはごく一部でしかない国です。そんな発展と落差があるからこそ、これからがすごく楽しみな国だと思います。
私の事業面では、フィリピンの人たちにもっとメイクやおしゃれすることって楽しいと分かってもらいたいです。安い価格でも品質の良いものがあること。そういった商品でも十分に『メイク』を楽しめるということ。女性としての『ワクワク』がもっと増えたらいいなですね」

CANMAKEの可能性とフィリピンの可能性を誰よりも信じ、突き進んでいる小川さん。化粧品を通じて、フィリピンと向き合う姿勢がとても素敵でした。
マーケットの違う国で、日本を押し付けることはせず、現地のニーズに合った商品展開をしていくという考えは素晴らしく、フィリピンでCANMAKEが大ブームになる未来が楽しみなるインタビューでした。

※1参照:米誌「U.S.News & World Report」がまとめた有望な投資先ランキング「Best Countries to Invest In」

Profile

小川さん

小川幸恵(おがわさちえ)さん

Sachie – Rocio Beaute & Health Inc. 代表
短大卒業後、ニューヨークに語学留学。
帰国後、2001年にフィリピン航空会社 日本人機内通訳として入社。
フィリピン航空会社に勤務しながら、2013年4月に Sachie – Rocio Beaute & Health Inc. 化粧品卸 の輸入代理店を フィリピン人パートナーと設立。
現在は、IDAラボラトリーズの CANMAKE TOKYO のフィリピン代理店 の Director として活躍中。

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