苦労続きだった就活を経て気づいた、自分に合うサロンの見つけ方「ico」榎本葉奈さん
LA発祥のケラチントリートメントを導入しており、「自分史上一番の髪質を叶える」サロンとして話題を集める美容室「ico」。さらにハイトーンやインナーカラー、ブリーチなしのグレージュカラーなど、デザインカラーの幅広さも強みのサロンです。
今回お話を伺うのは、美容師歴5年、「ico」入社2年目となるスタイリストの榎本葉奈さん。コロナ禍の真っただ中に迎えた専門学校時代の就職活動では、働きたいと思えるサロンが見つからない、1社目に応募したサロンに落ちるなど苦労の連続で、ストレスから体調を崩す経験もしたといいます。
しかしその後見つけたサロンは、終始穏やかな雰囲気のなかで採用試験を受けることができたという榎本さん。「自分の雰囲気に合うサロン」という基準を持ったことで、納得のいく職場と出合うことができたそうです。
お話を伺ったのは…
榎本葉奈さん
「ico」スタイリスト

東京都出身。日本美容専門学校を経て美容師免許を取得。表参道のサロンで経験を積み、2023年に「ico」に入社。スタイリストデビューを果たす。やわらかい透明感カラーや赤みを抑えたオリーブベージュを得意とし、「ico」で注目を集める若手スタイリストのひとり。
幼いころから憧れた美容師。苦手なことから気づいた自分らしい美容師像

――美容師になろうと思ったきっかけから教えてください。
明確なきっかけがあったわけではありませんが、保育園に通っていた3歳のころから、七夕の短冊には「美容師になりたい」と書いていたそうです。自分ではあまり記憶がないのですが(笑)。
小学生のころには美容室に行くことが大好きになり、「きれいにしてもらう時間」にワクワクしていました。自分の髪のアレンジも楽しんでいて、高校の文化祭では友だちのヘアセットもよく担当していたんです。
――そこから迷わず美容専門学校へ?
はい。日本美容専門学校に進学しました。見学に行った2校のうち、もう一方の学校は男子が多く少し躊躇したこと、そして日本美容専門学校は先生と生徒の距離が近そうで、家からも通いやすかったことが決め手になりましたね。
――専門学校時代に印象に残っていることは?
クラスに1歳年上の友人がいて、その存在に大きな刺激を受けました。北海道の美容学校を半年で辞め、「東京で挑戦したい」と再入学してきた子で、いつも一歩先を歩いているように見えたんです。おしゃれでキラキラしていて、「追いつきたい」と思わせてくれる存在でした。
――学生時代に力を入れていたことはありますか。
1ヶ月に1回の小テストでは、毎回しっかり勉強して必ず100点を取るようにしていました。私は勉強をすることが好きだったこともあり、基礎を積み上げることは苦ではなかったです。
また、高校時代から続けていた飲食店でのアルバイトもいい経験になりました。美容とは関係ありませんが、接客の基本を学び、お客様の表情の変化に気づく力が身についたと思います。
――逆に苦労したことは?
ワインディングなどの技術を競う「スクールコンテスト」です。このコンテストは参加が必須となっていて。作品作りが得意ではなく、人前で何かをするのが苦手な私は、毎回緊張していました。
でもこの経験を通して「自分は派手な舞台よりも、日常のサロンワークでお客様を笑顔にしたい」と気づくことができたんです。コンテストがきっかけで、自分の理想とする美容師像がより明確になったと思います。
コロナ禍での就活。1社目のサロンは不採用に

――就活を意識し始めたのはいつごろから?
1年のころから、さまざまなサロンに足を運んで髪を切ってもらっていました。ただ「ここだ」と思えるサロンに出合えす、1年生の終わりごろに行われた先生との面談でも、就職したいサロンの方向性さえも明確になっていない状態だったんです。
大手の美容室だと、2年生の4月ごろには就職試験の受付が始まるので、先生からも「早く見つけたほうがいい」とアドバイスを受けていました。
しかも、2年生に上がった年はちょうどコロナ禍。先の見えない状況のなかで、焦りだけが募っていました。
――その後、どのようにして1社目のサロンを見つけたのですか?
先生からのアドバイスで「美容雑誌を見て、自分がいいと思うスタイルを発信しているサロンに応募してみては」と言われて、見つけたのが1社目のサロンでした。技術力の高い代表に惹かれ、ここでなら自分も成長できるかもしれないと思ったんです。
ただ、結果的にこのサロンは面接で不採用となってしまいました。
――落ちた要因をどのように分析されましたか?
今振り返ってみると、サロンの雰囲気と自分の性格が合っていなかったのだと思います。体育会系の雰囲気があるサロンで、私はどちらかというとマイペースなタイプ。そういった点を面接でも見抜かれていたのかもしれません。
――就職先は自分の雰囲気に合っていることが大切なんですね。
そう思います。就活をしていたときに「自分が働いていることを想像できるようなサロンに入るのがいい、その方が入社後も自分らしく活躍できる」というアドバイスを聞いたことがあったんです。その意味でも、最初のサロンは少し無理をしていたのかなと。
――採用試験で印象的だったことは?
集団面接のとき、面接官がある受験者にだけ「会社から髪をバッサリ切ってと言われたら切れますか?」と質問していたんです。その瞬間に「あ、この人は受かったんだな」と感じました。
――なぜそのように思ったんですか?
そのサロンはリクルートに関する記事をいくつか出していて、採用したい人には必ずその質問をすると書かれていたからです。私の場合はとくにプラスに作用したわけではありませんが、面接前にその会社の発信を一通りチェックしておくことが大切だと感じました。
就職先が決まらない焦りから体調不良に。やっと見つけた自分に合うサロン

――1社目の不採用を知ったとき、どんな気持ちでしたか?
正直、人生で一番落ち込んだ時期だったと思います。コロナ禍で採用試験が後倒しになっていたので、1社目の結果が出たのは2年生の10月ごろ。
就職先が決まらない不安から、食後に激しい腹痛に襲われたり、夜中に目が覚めてしまったり。ストレスで体調を崩すほど、焦っていた時期でした。
――それは大変でしたね…。その後どのように就活を進めたのですか?
先生から勧められたサロンを受けることになりました。幅広く技術を学べる環境に魅力を感じ、応募を決めたんです。
――採用試験の流れは?
書類選考、面接、サロンワークと3回の選考が設定されていました。
――面接はどんな雰囲気でしたか?
全体的に和やかでした。面接官である先輩スタッフも緊張を和らげてくれたので、自然と笑顔で話せたことを覚えています。私と同じ日に面接を受けた子がのちの同期になるのですが、彼女もずっと笑っていたと言っていたので、会社全体の雰囲気が穏やかなのだと思います。
最初に受けたサロンの面接との違いも感じ、ここでならがんばれるかもしれないと思いました。
――面接時に印象的だったことは?
上がり下がりで自分の人生を表現する形式で、生まれてから今までの「人生グラフ」を作ってくださいと言われたことです。私は高校時代に全国大会に出場するレベルのダンス部に所属していたので、そこでの経験を「上がり」に、最初に受けたサロンに落ちたことを「下がり」として表現しました。
それがどのように評価されたかはわかりませんが、面接前に自分の過去を整理しておくと、こうした課題にも落ち着いて対応できると実感しましたね。
――採用試験で心掛けていたことは?
とくに面接で意識していたことですが、肩ひじを張らず、等身大の自分を見せることです。美容師はサービス業ですから、面接で話す内容よりも、「目を見て話す」ことや「笑顔を絶やさない」ことのほうが重視されるのではないかと考えていました。
私は高校も面接で合格していたので、面接に対してあまり苦手意識がなく、むしろ得意だと思っていたくらいで。自然体で挑むことができたのもよかったかもしれません。
2年生の11月に書類選考、面接、サロンワークのすべてがぎゅっと詰め込まれていたため大変でしたが、12月に内定の連絡をいただいたときには心からほっとしたのを覚えています。
後編では、1社目のサロンでの経験、そして「ico」への転職について伺います。1社目ではスタイリストデビューを目前にしながらも、自分の将来像をうまく描けなかったという榎本さん。
アシスタントとして転職すれば、また一から技術の学び直しになるかもしれない。そんな迷いのなか、「ico」からはスタイリストとしての入社を打診され、思い切って新しい環境へと踏み出しました。
入社後は、代表の論理的なアドバイスのもとで技術にも心にも手応えを感じ、充実した日々を過ごしているといいます。
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東京都渋谷区神宮前6-10-4COMS神宮前2F
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