笹沼彩子 interview #3:読者がもっと可愛く、魅力的な女性になるように
1995年に、“美しいわたし新発見マガジン”として誕生した女性誌『ar』。最新のヘアスタイルやメイクなどの情報を中心に、美容グッズやファッション情報も掲載。また、「雌ガール」や「おフェロ」といった新たなトレンドを作り、注目を集めています。そんな、個性的な女性誌を生み出しているのが編集長の笹沼彩子さん。いったい、どのように編集部員をまとめ、arを作り上げているのでしょうか。
後編では、雑誌を作るうえで大切にしていることや魅力的な女性像について伺いました。
靴と靴下から読み解く女性の性格
――長年女性誌に関わってきた笹沼さんが、普段からとくに見ているファッションのポイントはありますか?
「足元ですかね。女性は日々の気分で服の雰囲気が変わりますが、無意識のうちにその人の素が出てしまうポイントが靴と靴下です。とくに靴下のチョイスは気になりますね。靴下は大きく3種類に分かれて、シンプルなソックス、キャラクター系、女の子っぽいレースが付いたものです。それぞれの靴下を履く女性の印象としては、まずシンプルなものを選ぶ人は、石橋を叩いて行動するタイプですね。次に、キャラクター系を履く女性は、サービス精神が旺盛で活発な方が多い印象です。レースの靴下を選ぶ方は自分の気持ちやプライドを大切にする女性が多いですね」
遊んでいないといい仕事はできない
――編集部員からよく受ける相談はありますか?
「仕事と私生活の時間配分が難しいという声は、よく聞きますね。私は、遊んでいないとよい仕事はできないと考えているので、まず遊びの予定を決めてそれまでに仕事を終わらせるようスケジュールを組みます。オフの時は、なるべく仕事のことを考えないように意識していますが、ふとおもしろい言葉が思いつき、メモに残すことも多くあります。遊んでいる時にひらめいた言葉のほうが、会社で考えた言葉よりも企画に合う場合が多いですね」
――なぜオフの時に浮かんだ言葉のほうが、よいものになるのでしょうか?
「読者は、勉強をしようと思って雑誌を読むのではなく、寝る前やお酒を飲みながらなどリラックスした状態で読んでいます。作り手が心に余裕を持っている時に生まれた言葉のほうが、より読者に届きやすいのかもしれません」
もっと素直に、自分の愛情を表現したほうがいい
――笹沼さんが魅力的だと感じる女性像を教えてください。
「好きな人に対し、出し惜しみをせずサービス精神を発揮する女性ですね。恋愛指南本のなかにはデートに誘われてもすぐに返事をしないなど、モテる技術を紹介しているものもありますが、もっと素直に自分の愛情を表現したほうが素敵だと思います。女性は誰しも母性があり、大好きな人にはすごいエネルギーを使えるものです。その力は、使えば使うほど相手も自分も幸せにしてくれます」
――最後に、arを読んでいる読者にメッセージをお願いします。
「女の子がarを読むことでもっと可愛くなり、草食系の男性が積極的に追いかけてしまうような、魅力的な女性になってほしいです。女性のみなさんには、好きな人ができたらまずarを手に取って欲しいですね」
女性は「自分が好きでもない人からたくさんモテるバブリーな状態よりも、本当に好きな人ひとりだけに褒められる、可愛いと思ってもらえる喜びのほうが大きい」と語ってくれた笹沼さん。そのために、女性の魅力を引き出す洋服やメイク、ヘアを提案していきたいと笑顔で答えてくれました。ページをめくるたびに、新しく可愛い世界が広がる雑誌、ar。ぜひ、あなたの愛読書のひとつに加えてみてはいかがでしょう。
Profile
笹沼彩子さん
1997年に『主婦と生活社』に入社後、ar編集部に配属。2012年に編集長に就任、現在に至る。