堀江を代表する人気サロン 15周年を機にリニューアル『cache HORIE』
2009年、南堀江の隠れ家サロ「Cache」と北堀江のプライベー トサロン「Cache PRIVEE」が統合。移転して新たに登場したのが「cache HORIE」です。まるで高級リゾート地の別荘のようなこの店は、2016年に迎えた15周年を機に大きく生まれ変わりました。今回、そのcacheの変革を主導しているマネージャー兼トップスタイリストの笠松由有基さんに、お話を聞いてきました。
40倍の難関を突破して
――まず、笠松さんご自身についておうかがいします。美容学校を出られてから、最初に働かれた店はどこなのですか?
「美容学校入られてすぐcacheに入社して、ずっと堀江にいますね。もう12年になります。勤続年数が長いのは僕だけでなく、cacheは離職率が低いのでほとんどが生え抜きでベテランが多いです」
――では就職先としてcacheを選ばれた理由とは何だったのでしょう?
「僕が入社した時はまだ南堀江と北堀に店があったころです。どちらも現在のような路面店ではなく、ビルの上階にありました。Cacheっていうのは“隠れ家”という意味があるのですが、当時はまさに隠れ家的な店だったんですが、機会があってこの店の就職説明会に行ったのがきっかけですね」
――その説明会はどのようなものだったのでしょう?
「実際行ってみると80人もの学生が来ていたんですが、『いっぱい働いていっぱい遊ぶ』というオーナーの考え方が自分にフィットしていると。先に就職した先輩に就活の相談をしていたのですが、先輩いわく『尊敬できる人がいる店に行くべき』というアドバイスをもらっていたこともあって、就職するならここだ!と思ったのです」
――80人が来ていて、結局就職したのは何人だったのですか?
「就職したのは2名だけでした。以前からcacheの就職倍率は40倍程度あったようで、『cacheは受からない』というジンクスめいた噂が流れていました。学校の先生ですら『cacheはやめときなさい』というほどの難関でした。まあでも実際のところcacheとしては、いい人がいたら全員採用する、というスタイルだったのですが。ともかく狭き門を潜り抜けてCacheに入れたのは本当に幸運でした」
幸せを受けとめる器になる
――現在笠松さんは「cache」を引っ張っていくお立場におられますが、この店のコンセプトとは何なのでしょうか。
「もともとcacheはアットホームな店としてブランディングしていたのですが、現在は堀江と中崎の2店舗とも路面店となったこともあり、昨年15周年を迎えて、新たにコンセプトを作り直しました。 “幸せを受けとめる器になる”というものです。これを実現するために、お客様のライフスタイル全体を豊かにして、一緒に成長していく集団で在りたいと思っています」
架空のお客様のペルソナを設定
――堀江と中崎のコンセプトの違いは?
「“幸せを受けとめる器になる”というのは共通ですが、それぞれ、お客様として架空の女性をイメージするというコンセプト手法を用いていますね。いわゆる架空のペルソナ(人格)を設定しているのです」
――どのようなぺルソナなのでしょうか?
「例えば堀江は、27歳、アパレル内勤、感度が高くて、SNSでも結構フォロワーがいる、というタイプの女性をイメージしています。その方に対してヘアスタイルはもちろんライフスタイル全般においてさまざまな提案をして、その女性のライフスタイルが変わっていく、というストーリ―を作っています。実際、代謝を促進する肌用のクリームも置いていたり、いろいろ商品幅広く扱うようになって、ヘアスタイル以外の提案もしています。cacheに来ることによって、その彼女が何か得られるものがあったらいいな、ということです。それに合わせて店内も改装していて、間もなく終わる予定ですね」
――では中崎のペルソナとはどのようなものなのでしょう?
「中崎の方は、その彼女の彼氏。28歳で、広告代理店勤務。ちょっと内気な感じだけどおしゃれが好き。オンとオフの服装の差が激しく、オンの時はスーツをビシッと着こなしているけど、オフの時はストリートな感じで遊び心もある。なので中崎はちょっとメンズライクな感じで、ちょっと武骨感を残してて。メンズの化粧品もあったりして。このイメージに沿った感じで中崎も改装しています」
――こういったペルソナの設定は、笠松さんがされたのでしょうか?
「この店は、何事もみんなで決めるスタンス。ペルソナを設定する提案は僕がしたのですが、どんな属性にするかはスタイリストを中心としたスタッフチームで決めました。スタイリストそれぞれが、自身が思うペルソナのブックを作ってきて、それを見せあって決めたのです。まあ、だいたいみんな似たような感じでしたが(笑)」
15周年を機に、笠松さん主導で大きく変化している「cache HORIE」。後編では、この店の魅力のひとつである、高級リゾート的な内装がどのように作られたのか、そして施術に関する特徴、そしてスタッフの育成法などについて語っていただきます。
誰もが言いたいことを言える 自由な雰囲気が店舗の活力に『cache HORIE』>>