美容師が働きやすい理想のサロンをつくる『Anli』
多くの人が行き交う仙台の商店街にあるサロン『Anli』。白と黒を基調にした落ち着いた店内には、スタッフの明るい笑顔と声があふれています。前編では、代表の平塚貴之さんに、働きやすい環境づくりやサロンのおすすめメニューについて伺いました。
スタッフが生き生きと働けるサロンをめざす
――独立するきっかけはありましたか?
「美容師として経験を積んでいくなかで、ぼんやりと自分の店を持ちたいなとは思っていましたが、どうしてもやりたい理由があって独立したというわけではないんです。ただ“みんなが働きやすいサロン”をつくりたかった。僕の希望を叶えることよりも、スタッフがちゃんと技術を身に付けられて、お客様もつくれて、楽しく働いていける場を用意したいって思ったんです。なので、今もそれを一番に考えていますね。」
――“働きやすいサロン”にするために実際行なっていることはありますか?
「美容師のアシスタントはプライベートの時間もなく、夜中まで働いているイメージが一般的にあると思うんですが、それは良くないなと考えています。店の勉強会は週に一度、あとは自主練習というスタイルにしているので、自分の時間も調整してつくることができます。かといって、甘いだけの環境にはしたくないので、朝に練習する時間を設けているんです。朝は自主練習ではなく、毎日課題を決めてそれに取り組む。主にブローの技術などを身に付ける時間にしています。コンテストの参加も店全体では年に一回のみで、これはアシスタントも含め全員参加。ほかのコンテストに関しては、個人の自主性にまかせています。また来年からは、新人アシスタントの給与の大幅ベースアップと、全スタッフの休みを月に8日は取ってもらいたいと考えています。ただ営業日数が変わるわけではないので、人数が少なくなる分はスタッフみんなでフォローしながらやっていきたい。美容師を続けたいのに、職場の環境が悪いから辞めたい…という状態にはしたくないので、その点に関してはこれからもさらに力を入れていきたいと思います」
新しい技術を取り入れて客数を伸ばす
――全国的にもめずらしい施術メニューを取り入れているそうですが、それはどういったものですか?
「“ヘアリセッター”いうメニューです。前髪やつむじの周りなどが髪のクセで、根元がパカッと割れてしまう悩みってありますよね。それが治ってしまうカットなんです。カットと言っても、髪はほとんど切れない特殊なハサミを使っていて、根元から絡んでいる髪の毛をほどいていく。ヘアスタイルや長さを変えることなく、気になるクセを整え、根元からふんわりとしたボリュームがつくり出せます。効果は40日間くらい持続し、自宅で念入りにブローしなくても、施術後と同じような仕上りになるんです。後頭部がペタンとなってしまいがちなショートカットの人にすごく好評ですね。このメニューを取り入れたことで、新規のお客様の数が増えました。仙台ではうちだけ、全国的にみてもまだ少ない技術なので、是非試してもらいたいです」
――おすすめのメニューをアピールしたり、新規客を獲得したりするのに、どのような方法を取り入れていますか?
「ホームページはもちろん、今はSNSを使って集客というのが当たり前。でも実際仙台では、そんなに集客に結びついていないんじゃないかと思っているんです。今現在、効果的なのは、まだ大手ウェブサイトの広告なのかなと僕は考えています。ただ数年前から、集客方法は変革期に入っているので、広告費に見合った効果が出ているかどうかは、見極めが大事。あと、うちのサロンはスタッフみんなの仲が良いんですが、そういう空気感がお客様に伝わっているようで、ほめてもらえることがよくあるんですよ。そのせいかは分かりませんが、顧客からの紹介で新規客が来店するパターンも多いです」
スタッフが心地よく働ける職場環境を整えることで、スタッフの技術力アップやサロンの雰囲気づくりにもプラスに作用している『Anli』。後編は代表の平塚さんに、美容師として日頃から取り組んでいることなどをお伺いします。
Salon Data
Anli
住所:宮城県仙台市青葉区一番町3-1-17 しまぬきビル4F
電話:022-797-7084
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000310549/