「小さな変化」を見逃さない。地道な分析と誠実な言葉で紡ぐ、愛されるSNSの育て方【nanuk Daikanyama店長・立花菜摘さん】#2

SNS発信が潮流となりつつある美容業界。就職活動におけるSNSの影響力も年々高まっています。本連載では、就活に役立つSNS活用法を、現役美容師のリアルな経験から紐解きます。

今回は、『nanuk Daikanyama』で店長を務める立花菜摘さんにインタビュー。独創的で温度感のある言葉選びと親しみやすい人柄で多くのファンを魅了し、Instagramフォロワー数は4万人にのぼります。後編では、視線を惹きつける構図のこだわりや、フォロワーと信頼を築くコミュニケーション、そして自分自身の「個性」との向き合い方を伺います。

お話を伺ったのは…

『nanuk Daikanyama』店長・トップスタイリスト 立花菜摘さん

国際文化理容美容専門学校卒業。新卒でnanukに入社し、現在は代官山店の店長を務める。独自の色彩表現と、どこか「少女感」の漂う繊細なヘアスタイルがSNSで反響を呼び、フォロワー数は4万人を超える(2026年3月現在)。

インスタグラム

一瞬で目を引く、余白とバランス。髪を主役にする「構図」の黄金比とは

ユーザーの目線に合わせた「頭の位置」。「頭の上の隙間をちょっと空けると、より髪に目が向いてくれるなという感覚があるので、そういうバランスは大事にしています」と菜摘さん。

――Instagramの世界観は、一目で「菜摘さんのスタイルだ」とわかりますが、撮影で工夫されていることはありますか?

色味、ウェーブの動き、結んだときの「たわみ」のニュアンス……そういうところにも着目して写真を撮るようにしています。また、たとえ「引き」で全身を撮っていたとしても、髪の毛はちゃんと映るように意識しています。

構図で言うと、画面を横に10分割して、下から数えて8番目くらいのところに頭の位置が来ると、パッと一枚の画像を見たときに自然と顔まわりに目線が行くと思っていて、そこに頭の位置がくるように画角を調整したりしています。

フォロワー数が伸びた理由を紐解く習慣。DMは対面と同じ「謙虚な言葉」で

――『nanuk』では、SNSのノウハウを共有する機会はありますか?

年に一回、SNS講習のようなものをやっています。その時にフォロワー数の伸びが良かったスタッフが「どういうところが良かったと思うか」、「どういう風に続けてきたか」を自己分析して発表するんです。私も発表させていただくことが多いのですが、やはり「少しの変化を見つけてあげること」が大事だと伝えています。いつも100いいねだったら、120いった投稿は何が違ったのか。その「20の差」を分析して、良かったところを見つけるのが大切かなと思っています。

――小さな変化を見逃さないことがポイントなんですね。編集アプリや投稿ルーティンについても教えてください。

色味の補正には「VSCO」を使っています。肌のトーンや色味のトーンバランスを整えて、世界観を統一させることが目的です。

投稿時間は、平日は夜20時と決めていますが、土日はあまり縛られずに投稿しています。「ルールに縛られすぎない」ことも、楽しく続けるコツかもしれません。

――お客さまとDMでやり取りもされていますか?

はい。ストーリーズで予約の空き状況を流すときも「DMでもお気軽にどうぞ」と書くようにしています。そう打ち出すからには、返信のスピード感も大事にしていますし、どの方に対しても「目の前のお客さま」と同じように、謙虚な言葉選びを心がけています。

――SNSでもお客さまに寄り添う言葉選びを徹底されていますね。

都会の美容室って、きっと緊張してしまいますよね。私がどんな人かわからないまま来るのは不安だと思うんです。なので、できるだけ親近感が湧くといいなと思っていて。

DMでも、なるべく美容業界の専門用語になりすぎないニュアンスで伝えるようにしています。「髪の毛のここがいいよね」というのを、お客さまと「そうそう!」とわかり合えるような、わかりやすい一言で伝えたいなと。「ちょっと緊張するけれど、話しやすそうだな」という、いい緊張感を築けるような言葉選びを、自分なりに心がけています。

フォロワーからのコメントに対しても丁寧に返答する様子から、菜摘さんの人柄が伝わります。

自分の個性を信じて「向き合う」大切さ

――美容学生さんや就活生に向けて、菜摘さんが「魅力的だな」と感じるのはどんなアカウントですか?

面接でもInstagramを見させていただくのですが、作品撮りの多さ以上に「美容とどう向き合っているか」という姿勢を大切にしています。自分のファッション感を含めた「世界観」がちゃんとある子や、ヘアスタイルを作ろうとする意欲は、不思議と画面越しに伝わってくるものなんです。

――自分の強みがまだわからない、という学生さんへのアドバイスはありますか?

人には絶対にいいところがひとつはある、と私は思っています。私自身、突き抜けた個性がないことにコンプレックスを感じていた時期もありました。でも、人と比べて自分を追い込む必要はないんです。自分が好きなものをとことん大事にすることが、結果的に「強み」に繋がっていくんじゃないかなと。

――最後にSNSに苦手意識がある方へメッセージをお願いします。

私も自分のことを載せたいわけではなかったですし、苦手意識がありました。でも、苦手だと思っていると損をしてしまう。「今の時代、SNSを避けては進んでいけない。やるべきことなんだ」と割り切ってしまうのも一つの手です。

自分の好きなものや作品を載せることから始めてみてください。自分の個性を押し殺さずに、良いところを見つけてあげれば、就活も美容室探しもどんどん楽しくなるはずです!

画面越しに「想い」を届ける大切なこだわり3つ

1、「髪が主役」になる画面構成を研究する

2、反応が良かった投稿の微差を見逃さない

3、お客さまと信頼関係を築ける言葉選び

取材・文/Maki Nagai


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「nanuk Daikanyama」
住所:東京都 渋谷区恵比寿西1-30-12-3F
TEL:03-6416-9227
Instagram:@nanukhair

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