自分の中の「ときめき」を知ることから始まる、唯一無二のSNS世界観づくり【nanuk Daikanyama店長・立花菜摘さん】#1
SNS発信が潮流となりつつある美容業界。就職活動におけるSNSの影響力も年々高まっています。本連載では、就活に役立つSNS活用法を、現役美容師のリアルな経験から紐解きます。
今回は、『nanuk Daikanyama』で店長を務める立花菜摘さんにインタビュー。独創的で温度感のある言葉選びと親しみやすい人柄で多くのファンを魅了し、Instagramのフォロワー数は4万人にのぼります。前編では、ご自身のルーツから紐解くブランディング、地道な積み重ねから1万人、4万人へとフォロワーを繋げた道のりを伺います。
お話を伺ったのは…
『nanuk Daikanyama』店長・トップスタイリスト 立花菜摘さん
国際文化理容美容専門学校卒業。新卒でnanukに入社し、現在は代官山店の店長を務める。独自の色彩表現と、どこか「少女感」の漂う繊細なヘアスタイルがSNSで反響を呼び、フォロワー数は4万人を超える(2026年3月現在)。
最初の8ヶ月でフォロワー「1万人」達成。数字の裏側にあった、地道で丁寧な分析。
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――菜摘さんがSNSに力を入れるようになったのは、入社2、3年目だったそうですが、本格的に「SNSを強化しよう」と思った決め手は何だったのですか?
オーナーや先輩方がSNSでの得意スタイルの打ち出し方がすごく上手だったんです。SNSの一枚の画像で多くの美容師や一般の方を惹きつける圧倒的な発信力を間近で見て、「自分もこういう風に常に打ち出していかなければいけないんだ」というのをひしひしと感じていました。それを形として動かせるようになったのが入社2、3年目くらいの時でした。
――サロンの方々の影響が大きかったのですね。現在フォロワー4万人ですが、大きく伸びるきっかけとなったターニングポイントはありましたか?
スタイリストデビュー当初は3,000~4,000人ほどで、伸び悩んでいた時期もありました。そこでお客さまの写真を撮らせていただく際、ただ撮るのではなく、髪の質感にフォーカスしたり、ヘアアレンジを加えてみたりと、自分なりに色々と工夫を凝らしました。その中で、いつもよりリーチ数が伸びる投稿が少しずつ出てきたんです。「その投稿はなぜ反応が良かったのか」を常に考え、似たアプローチを繰り返すことで、プロフィールへのアクセスや保存数が増えていきました。
――急にフォロワーが増えたわけではなく、地道な積み重ねがあったのですね。
はい。最初の1年で「1万人は目標で行こう」と決めて8か月目くらいで達成しました。この波を終わらせちゃいけないなと思ったので投稿頻度を保ち、「1ヶ月ごとに何人まで増やす」という目標を決めて、徐々に今のフォロワー数になったという感じです。
――リーチが伸びたのはどんな投稿でしたか?
「葡萄色」のカラーをした女の子のヘアを私がお団子に結んでアレンジしている動画です。リール再生数がすごく伸びて、「葡萄色」を求めてくれる方が多くなったきっかけになりました。今でも根強い人気です。
「日本語」の魅力を活かしたキャッチーなネーミングの誕生秘話
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――菜摘さんは、「葡萄色」や「珊瑚色」など、独自の色彩表現がとても魅力的ですが、ネーミングのきっかけは何だったのでしょうか?
珊瑚色は、オレンジとピンクの間の「コーラルカラー」を指すのですが、「コーラル」は日本語で珊瑚という意味なので、「珊瑚色」と言った方が可愛いなと思ったのが始まりです。最初はカッコつけようとも思ったのですが(笑)、あえて日本語にすることで親しみやすさが出るかなと。
実は、私自身が学生時代に「ミルクティーベージュ」や「バーガンディ」といったカラー名が、どんな色か想像しづらかったんです。普段から、日本語の方がより魅力的に感じる瞬間も多く、日本語からイメージを膨らませるのが自分には合っていました。
――どういったときに思いつくのですか?
そんな芸術的な感じでもないんですが、海を見ている時に「珊瑚の色、可愛いな」とか、「葡萄の皮の色きれいだな、この透け感が出たら素敵だろうな」という日常の発見から、シンプルに名付けています。キャッチーでわかりやすく、お客さまがオーダーしやすいというところを大事にしています。
――日常にある親しみやすい言葉に言い換えると、イメージが湧きやすいですね。他にも「透ける暗髪」や「育てるカラー」などのネーミングも印象的です。
「育てるカラー」は、ブリーチをせずに、カラーを何回も継続していくことで理想の明るさに近づけていくため、一緒に育てていこうという意味を込めています。
他に、空を見たときに思いついた「夕焼け色」だったり、最近ではお客さまと「ワンちゃんカラー」と呼んでいるものもあります。ワンちゃんが好きなお客さまがいつも写真を見せてくれるのですが、ワンちゃんの毛色って、一言では表現できない可愛さがそれぞれにあるなと感じていて。その柔らかさを目指して、お客さまと一緒に取り組ませていただいています。
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――菜摘さんはお話しされていても言葉のチョイスが素敵ですが、ボキャブラリーを増やすために何か参考にされていることはありますか?
本も映画も好きですが、たまに楽しむ程度で。昔、落語を聞くのが好きだった時期はありましたが、それも「芸術として」というよりは、単純に「人が話している声」や「話し方」を聞くのがすごく好きだったんです。
人が話しているのを聞くのがもともと好きなので、そこから自分の中で「どう伝えるか」を学んでいった部分はあるかもしれません。一番は、やっぱり日々の接客ですね。毎日いろいろな方とお話しする中で、お客さまから得ているものがすごく多い気がします。
自分が何にときめくのかを知ることが、世界観づくりの第一歩
――菜摘さんのInstagramは「女性の柔らかさや可愛らしさ」が詰まった世界感ですよね。そういった「自分らしさ」はどう育ててきたのでしょうか。
自分らしさという意味では少し違うかもれしませんが、スタイリストとしての方向性を考えたとき、まず「自分のことは自分が一番知らないといけない」と思ったんです。それで、自分が髪の毛を見て「可愛い」って思うポイントはどこなんだろう?というところから掘り下げ、街を歩いている方の髪を結ぶ仕草だったり、髪の生え際の柔らかさだったり「自分は一体どこにときめきを感じているんだろう?」ということを、すごく考える時間を作りました。
そこから分析を進めて「好きな女性像」を形にしたのが、今のInstagramです。私の場合、自分自身のファッションとは全然違うんですよ。自分の中にある「好きな女の子のイメージ」が自分らしさに繋がっているのかなと。儚げだったり、大人でも若い子でもどこか少女感があったり。そんな、ときめきのある感じのスタイルを作りたいなと常に思っています。
――うぶ毛を生かした前髪のニュアンスにも、少女のような雰囲気を感じます。「自分の中にないも」のへの憧れなのでしょうか。
多分そうですね(笑)。私自身、ずっと野球をやっていたんです。小学生の時は男子の中で育った感じだったので、可愛らしい女の子への憧れがあったんだと思います。自分がそうなりたいわけじゃないけれど「こういう子ってやっぱり可愛いな」という。そこから、そういうスタイルを作っていく方に楽しさを感じるようになりました。そんなルーツがあるのかもしれません。
――自分の好みやルーツを分析することで、ブレない世界観の土台が生まれたんですね。
唯一無二の世界観を育む3つのヒント
1.自分の「ときめき」の源泉を知る
2.専門用語を「伝わる言葉」に変換する
3.反応がよかった投稿を分析
後編:「小さな変化」を見逃さない。地道な分析と誠実な言葉で紡ぐ、愛されるSNSの育て方
取材・文/Maki Nagai
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「nanuk Daikanyama」
住所:東京都 渋谷区恵比寿西1-30-12-3F
TEL:03-6416-9227
Instagram:@nanukhair
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