私の履歴書 Vol.2【Violet MANAE】#1
どんなに才能がある人でも下積みや苦労した時代がある。そんな人たちの生い立ちをインタビューする『私の履歴書』。第2回目に登場するのは、インスタグラムフォロワー数5万5000人、SNSを中心に人気を博すVioletスタイリストのMANAEさん。彼女が有名になったきっかけとは? まずは幼少期から美容師になるまでのお話を伺いました。
MANAE’S PROFILE
幼少期〜専門学校時代
幼少期から、いつも何かに取り組んでいる子でした
–まずはMANAEさんの幼少期のお話から。どんな幼少時代を過ごされましたか?
幼稚園の頃から習い事ばかりの日々で遊んだ記憶が全然ないんです。ピアノ、水泳、テニス、ゴルフ、バレエ、塾など、やりたいと言ったことは全部やらせてくれる両親で。それが今の積極性とかチャレンジ精神を伸ばしてくれたのかなって思いますね。
中学から本格的に始めたゴルフではプロを目指していたんですけど、全然勉強をしていなかったので高校に入るために本腰を入れて勉強を始めました。そうしたら勉強がすごく楽しくなってしまって、そこにのめり込みすぎてゴルフはスランプに。それでプロの世界は諦めたんです。高校に入学してからはいくつか部活に入ったのですがどれもしっくりこなくて、それから渋谷のギャルサークルに入ったんです。読モがいて、本格的にイベントをする子たちの集まりだったから刺激が多くて。そこで初めてしっかりメイクをしたんですけど、「メイクでこんなに顔が変わるんだ」ってすごく衝撃を受けて。さらにそのイベントのときは髪を盛るんですよ。それを美容師さんにしてもらったときに美容師さんってすごいなと思って。それで美容に目覚め、その道に進もうと決めました。
–それが、MANAEさんが美容師になろうと思ったきっかけですか?
もともとはブライダルに興味があったので、母校のブライダル科を受けたんです。でも、いろんな人に「ブライダルをやるにしても美容師免許があった方がいい」と言われることが多くて。それで美容科に変更して、美容師の勉強をしてみたらそれがまたすごく楽しくて。それで美容師になろうと決心したんです。
–専門学校時代はどんな学生生活を送っていましたか?
昔からクリエイティブなスタイルが好きで、2年間学校の代表としてクリエイティブ系のコンテストに出ていました。その頃は今みたいに学生が作品撮りをする時代じゃなかったのですが、積極的に作品撮りをしてかなり力を入れていましたね。あとはメイクにも興味があったので、メイクの授業も意欲的に受けていました。
メイクにこだわりを持つMANAEさんの愛用コスメのほんの一部。カラーマスカラやリップなど、ポイントになるカラーアイテムが多い。
ファンデーションは使わず下地だけで仕上げる肌作りはMANAEさんのこだわりのひとつ。
専門学校卒業後〜スタイリストデビューに至るまで
スタイリストデビュー後都内サロンへ、それが全ての原動力になっていました
–どんなことにも熱心に取り組まれていたのですね。卒業後の進路はどうやって決めたのでしょうか?
クリエイティブなスタイルが好きだったし、それを作り続けていきたかったのでクリエイティブ系に強いサロンにしようと決めていました。もうひとつ考えていたのが、スタイリストデビューをしてから都内のサロンで働くということ。
–それはどうしてですか?
都内のサロンだと撮影などやることがたくさんあって、アシスタント期間が大体5〜10年かかるのが当たり前だったんです。でも地元横浜のサロンなら2〜3年でスタイリストデビューができるカリキュラムもあって。一旦地元で就職し、最短でスタイリストになってから都内に出る方が効率はいいかなと思って。
–なるほど、頭がいい!(笑)就職活動では何社か受けられたのですか?
いえ、1社のみストレートで合格しました。そのサロンのカリキュラムはカットテストが月に1回しかなくて、落ち続けるとデビューまでにかなり時間がかかってしまうんです。なので入社してからはひたすらカット練習をしていました。鍵を持って帰ると誰よりも早く来て、最後に閉めなきゃいけないじゃないですか。だから鍵を常に持つようにして、誰よりも長くサロンにいて、練習をしていました。
–カットテストも順調に?
それがグラデーションボブのテストをクリアするのに9ヶ月かかったんです。これが私の人生の中での一番悔しいエピソードかも……。そのときはただひたすら練習して、絶対一発合格しようって強い気持ちでなんとか乗り越えました。
–アシスタント時代はとにかく練習の日々だったのですね。他に取り組んでいたことはありますか?
入社して2ヶ月後には作品撮りを始めました。社内でもコンテストがあったので、そこに出せるように。今は専門学生もやるくらい作品撮りって当たり前になってるんですけど、私の時代は作品撮りをしているアシスタントの子もいなくて。そのときに社内のコンテストで、入社1年目で初の受賞者になりました。他のコンテストにも出るために休みの日も練習と作品作りで動いていました。でもそれが苦じゃなかったんですよね、今思うとパワフルだったなって思いますけど(笑)
–それから転職されて、スタイリストデビューを?
いえ、もともといたサロンの店長が独立することになったんです。そこについていったので、サロン名は変わりましたがカリキュラムはほぼ一緒でした。デビュー前にかなり頑張ったのがカリキュラムにある100人カット。
–100人カット!?
はい、全部のテストの最後にあるのですが、100回カットではなく100人というところが肝なんです。100人違う人のカットをし、カットした展開図も100人分提出するんです。それをできるだけ最短でクリアしたくて、友達に友達を紹介してもらったりしながら多い日で朝昼晩と1日3人カットした日も。休みの日も先輩にお願いして、平均1年以上かかるものを半年でクリアし、念願のデビューを果たしました! それが今でも力になっていると思っています。
–そこまで頑張れた原動力って?
学生の頃からずっと雑誌のお仕事がしたかったんです。『ar』という雑誌に載るのが夢で、それを叶えるために早くデビューして都内のサロンに行こうという強い気持ちが一番の原動力でしたね。
努力を重ね、念願のスタイリストデビューを果たしたMANAEさんのデビュー後からVioletに入社するまでの経緯などを、次回ご紹介します。
取材・文/黒川香菜子(レ・キャトル)
撮影/奥村亮介(スタジオバンバン)
Salon Data
Violet 表参道店(ヴァイオレット オモテサンドウテン)
住所:東京都港区南青山5-10-1 H2 AOYAMA BLDG.3F
TEL:03-5778-9646
営業時間:平日/12:30~21:30 土日祝/10:00~19:00
定休日:第1、3月曜日、毎週火曜日
http://violet.tokyo
インスタグラム
https://www.instagram.com/manae_violet/
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