子育てをしながらサロンのオーナー業も!仕事とプライベートのバランスがやりがいに繋がっています。
この世に手業を生業にしているサービス業はどれぐらいあるのでしょうか?手一つで人を喜ばせたり、疲れを取ったり、美しくしたり、癒やしたり・・・。これってすごいことですよね。
このコラムは、手業を生業にしている美容からヘルスケアの業界の方々にフォーカスをしたプロフェッショナルインタビューです。その人の手が語る物語をお楽しみいただければ幸いです。
モアリジョブ編集部
私の手にしか、できないシゴト。 沖優斗さん
――美容師を目指したきっかけは?
沖 高校卒業後、20歳までちゃんと働かずフラフラしていました。「このままだとやばいな」と、手に職を付けられるよう専門学校に行こうと思い立ちました。美容師か調理師のどちらになるのか迷い、その当時美容師ブームもあって、美容専門学校に行くことにしました。
――美容専門学校卒業後、すぐに美容室に就職したのですか?
沖 いいえ、すぐには就職せずに専門学校卒業して2年経った頃に就職しました。
私は沖縄出身で、美容師になるなら東京だと思い、卒業後に上京してきました。とにかく有名店で働きたくて、東京の有名店の面接を申し込んだりしていたのですが、なかなか受からなくて・・・。それから東京の誘惑に負けてしまい、2年間フラフラしていました。
――2年間も定職に就かなかったのに「美容師やろう!」と思い立ったのは?
沖 年齢も年齢だったので、そろそろしっかりしようと、家の近所の小さいサロンに就職しました。
――美容師になっていかがでしたか?
沖 早くデビューしたいと思っていましたね。人よりも少し遠回りしているので、デビューするきっかけを探していました。
――入社後どのぐらいでデビューしましたか?
沖 入社後、1年弱でデビューしました。
――随分と早いデビューですね。
沖 私が働いていたお店は、ご夫婦でやられている小さな美容室で、ご主人がオーナーで奥さんが店長、従業員は私だけでした。
ある日、店長が病気になってしまい、アシスタントだった私にオーナーから「スタイリストになってほしい」と急遽デビューが決まりました。入社して1年も経っていなかったので、技術や接客がまだまだ伴っていませんでしたが、ラッキーにもデビューしてすぐに店長のお客様の入客をさせてもらいました。
――美容師になられてからの失敗談があれば教えてください。
沖 失敗談ですか・・・。う〜ん、今まで失敗って思ったことがないんですよね(笑)。
――美容師時代の成功談を教えてください。
沖 特別これといったのはないですね。全てが成功だと思っているので(笑)。
――思い出に残っているお客様はいらっしゃいますか?
沖 お客様じゃないんですけど、自分の祖母の髪の毛をカットしてあげたことは、今でも大切な思い出ですね。まだアシスタントで技術力が伴っていなかったので、祖母はあまり気に入っていなかったかもしれませんが・・・。カット後に「ちょっと切りすぎかな。」と言われたことは忘れられませんね(笑)。
――美容師を辞めたいと思ったことはありますか?
沖 美容師を辞めたいと思ったことはないですね。ただ、土日に休めないことで、お店を辞めたいなと思ったことは何回かありました。
――土日に何かやりたいことがあったんですか?
沖 自分が好きなイベントの開催がありました。土日に開催されることが多く、土日が休みの友達はよく参加していました。自分は仕事なので、参加できないことにフラストレーションが溜まっていきました。友達と一緒に参加するために、週末が休みのサロンに転職しようと本気で考えましたね。
――今でも美容師を続けられている理由は何ですか?
沖 美容専門学校時代の友人の頑張っている話や姿を知って、「負けたくないな。」って。それがバネになって頑張れているんだと思います。
私は地元沖縄県の美容専門学校を卒業しました。同級生の男子生徒は5人と少なく、私を含め全員が卒業後に東京に出てきました。彼らとは月に一度、必ず会うようにしています。卒業して何年も経ちますが、いい関係を築くことができています。
――仕事を続ける上でのモチベーションは?
沖 二つあって、一つ目は子供で二つ目は、サロンの仲間ですね。
このモアナをオープンする時に、「沖さんがやるなら行きますよ。」と言ってついて来てくれたスタッフがいるんです。彼らとは、毎日のようにミーティングしたり、家に帰ってからもラインで話し合ったり・・・。夜遅くまでラインでやり取りをした翌日も、出勤したらしたでまた話し合う。お店を良くしようと一緒に考え、行動してくれる仲間に感謝ですね。
――モアナは業務委託系サロンとのことですが、そもそもどうして業務委託のサロンで働こうと思ったのですか?
沖 業務委託をやっている友達から、業務委託サロンでの働き方を聞いて、興味を持ったのがきっかけです。
――通常のサロンから業務委託系のサロンに転職して違いを感じましたか?
沖 全然違いました。働き方はもちろんですが、みんなイキイキしていますね。プライベートの時間も上手に取ることができるので、仕事とバランスをよく取りながらやっています。私の場合は、午前中に子供の面倒をみて、午後から出勤することもあります。通常の美容室ではこんなにバランスよくできなかったので、業務委託系のサロンに転職して、仕事とプライベートのバランスは断然良くなりました。
――今回ヘッドライトさん初の試みのビジネスパートナー制度でオーナーになられたとのことですが、経緯を教えてください。
沖 ヘッドライトの別のサロンに、業務委託として入って半年ぐらいの時に、マネージャーからこの制度を使って自分のお店を持たないかと声をかけてもらいました。自分でお店を持ちたい夢は持っていたのですが、資金面で当面は無理かなと思っていた時だったので、声をかけていただけた時は、本当に嬉しかったです。このビジネスパートナー制度は、資金や経営のノウハウも全て本部のサポートがあるので、経営経験ゼロの私も、安心してお店を運営することができています。
――このビジネスパートナー制度を使っての今後の展望は?
沖 まだこのお店が始まったばかりなので、今は売り上げに集中していきたいと思っています。プレッシャーは感じていますが、一緒に働くスタッフが頼りになるので、不安は感じず「絶対、大丈夫。」という自信があります。今後は、沖縄出店の計画もあるので、自分のブランド『モアナ』を沖縄で何店舗か出店し、沖縄を拠点にしていきたいと思っています。また、自分が頑張って成功することで、これからヘッドライトで自分のようにお店を出店していくオーナーが出てくると思いますが、そのオーナー達から憧れられるような存在になりたいなと思っています。
――最後に業界や美容師を目指している方に一言。
沖 私が美容師を始めたばかりの頃は、この業界は体育会系で、先輩も怖いし、いっぱい働かないといけない大変なイメージがありました。結局就職してもその通りで、自分も色々と大変な思いをしてきました。この数年は、業務委託系のお店が増え、サロンも働き方改革を掲げ取り組んでいるところも多くなり、美容師が働きやすい環境が出来つつあります。美容師を目指している人、家庭の事情で美容師を諦めた人、今の働き方を変えたい人は是非、悲観的にならず楽しく自分らしく働ける環境が必ずあるんだと、周りを良く見渡して働く美容室を見つけて欲しいと思います。