管理薬剤師とは?仕事内容やなるための条件、メリット・注意点を紹介
管理薬剤師は、薬局などの店舗においてさまざまな管理を担う重要なポジションです。一般的な薬剤師と比べて責任は重くなりますが、その分メリットも多く、やりがいのある仕事といえます。
今回は、管理薬剤師とはどんな立場でどのような仕事を行うのか、管理薬剤師になるにはどうすればいいのかを解説したうえで、管理薬剤師として働くことのメリットと注意点もお伝えします。
薬剤師のキャリア形成の一環として、管理薬剤師を目指す方も多いです。将来の働き方について考えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
管理薬剤師とは?一般的な薬剤師とどこが違うの?
.jpg)
管理薬剤師とは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」に基づき、薬局や医薬品関連施設に必ず設置しなければならない責任者のことです。
薬機法の第七条・第八条では、薬局の開設者が管理者を置き、業務が適正に行われるよう管理させることが定められています。
管理薬剤師は、医薬品を適正に管理し、提供体制を整えるなどの役割を担い、施設全体の運営を統括する立場です。
以下で、管理薬剤師と一般的な薬剤師の違いについて解説します。
引用元
e-Gov 法令検索:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
一般の薬剤師との違い
管理薬剤師と一般薬剤師の大きな違いは、仕事内容に伴う責任範囲と、重い責任への対価となる給料です。一般薬剤師は調剤や服薬指導が主な業務ですが、管理薬剤師はそれに加えて施設全体の管理を担います。
仕事内容
管理薬剤師は、医薬品の在庫管理や品質管理、従業員の指導・監督、患者への情報提供体制の整備などを行います。一般薬剤師は個々の調剤業務が中心ですが、管理薬剤師は組織全体の安全性と適正運営を支える役割です。
なお、管理薬剤師の仕事内容は、次項でさらに詳しくお伝えします。
給与
令和7(2025)年に実施された「第25回医療経済実態調査」によると、管理薬剤師の前年の年収(給料+賞与)は725万3,583円で、一般の薬剤師は479万4,684円でした。目安ではありますが、管理薬剤師の年収は、一般の薬剤師より約250万円も高いという驚きの結果です。
仕事内容の広さや責任の重大さによって、そもそもの基本給が異なったり、役職手当や所持資格に応じた手当が加算されたりするため、収入面でこのように大きな差が生じると考えられます。
引用元
e-Stat:第25回医療経済実態調査(医療機関等調査)
e-Stat:第25回医療経済実態調査(医療機関等調査)全体版
関連記事
管理薬剤師の年収とは?給与が高めである理由や収入をアップさせる方法を紹介
管理薬剤師の仕事内容
.jpg)
管理薬剤師の仕事は多岐にわたり、薬局や施設の安全性と信頼性を支える重要な役割を担います。具体的な仕事内容を見ていきましょう。
1. 医薬品や現場の衛生の管理
職場の医薬品の在庫管理・使用期限の確認・保管状況のチェックは、管理薬剤師の基本業務です。
また、麻薬や覚せい剤の原料など、特別な保管や帳簿管理が義務づけられている医薬品については、届出や適切な保管も管理薬剤師が行います。安全な医薬品供給体制を維持するための中核的な役割です。
過剰在庫や欠品を防ぐための発注調整も行い、医療の質と経営効率の両立を図ることが求められます。
さらに、店舗や施設の衛生環境を保つことも管理薬剤師の業務の一環。調剤室などの清掃や消毒を徹底して清潔な状態を保つほか、設備に異常や問題がないかなどにも気を配らなければなりません。
2. 使用者への情報提供
医薬品の効果や副作用、使用方法といった医薬品に関する情報を把握して、その医薬品を使用している患者に正確な情報を提供するのも管理薬剤師の仕事です。
通常の服薬指導だけでなく、医薬品に関するカウンセリングや副作用発生時の対応、医薬品回収が行われる場合の連絡・回収業務も含まれます。医療安全の観点から重要な業務です。
患者の理解度に合わせて説明を行い、安心して服用・外用できる環境を整えることで、患者からの信頼感にもつなげられるでしょう。
3. 従業員の指導・監督
管理薬剤師は、現場責任者として、同じ職場内の他の薬剤師や事務スタッフなどの従業員が適切に業務を行えているかを監督するのも仕事の一つです。
医薬品を適切に管理できているか、患者への情報提供は行えているかなどをチェックし、問題があれば指導して、薬局運営の質を保つ役割を担います。新人教育や業務マニュアルの整備を通じて、職場全体のレベル向上を図ることも求められます。
4. 意見申述
管理薬剤師には、積極的に法令遵守するために問題点を把握し、必要に応じて薬局開設者に意見を述べる「管理者による意見申述義務」が課せられています。薬機法の改正により、責任と権限が強化されました。
なお、口頭ではなく書面で意見を伝える必要があり、この書面は記録として管理薬剤師が保管しなければなりません。
引用元
厚生労働省:「薬局開設者及び医薬品の販売業者の法令遵守に関するガイドライン」について
管理薬剤師になるために必要な条件とは?
.jpg)
管理薬剤師になるには、一定の要件を満たすことが望ましいとされています。ただし、以下は推奨要件であり、絶対条件ではありません。
「原則として、管理者は薬局における実務経験が少なくとも5年あり、中立的かつ公共性のある団体(公益社団法人薬剤師認定制度認証機構等)により認証を受けた制度又はそれらと同等の制度に基づいて認定された薬剤師であることが重要である。」
とはいえ、ある程度の経験や実績が必要です。そこで、管理薬剤師を目指す一般的なルートをチェックしましょう。
引用元
厚生労働省:「薬局開設者及び医薬品の販売業者の法令遵守に関するガイドライン」について
1. 5年以上の実務経験を積む
推奨要件なので絶対ではないものの、管理薬剤師には店舗運営や従業員指導を行う役割があるため、一定の実務経験が望ましいとされています。そこで、薬剤師として5年以上経験を積むことが理想です。
場合によっては5年未満でも就任可能ですが、現場経験が豊富なほうが管理薬剤師の業務に対応しやすい傾向があります。調剤業務のほか、在庫確認やスタッフ対応など幅広い経験を積んでおくことで、管理業務への適応がスムーズになるでしょう。
2. 認定資格を取得する
推奨要件のもう一つが、認定資格の取得です。薬剤師認定制度認証機構などの中立的な団体が認証した制度に基づく資格で、さまざまな分野の専門知識が身につく「認定薬剤師」や「専門薬剤師」などは、スキルの証明になるとともに信頼性も向上します。
研修や学会などに参加して先端の医療や薬学の知識を身につけることで、職場内外からの評価も高まりやすくなるでしょう。
3. 管理薬剤師として昇進・転職する
上記のような推奨要件を満たしたのちは、現在の職場で管理薬剤師に昇進するか、管理薬剤師を募集している職場に応募して採用されるかのいずれかによって就任が可能です。
人材不足の地域では管理薬剤師の需要が高く、経験や実績次第で好条件の求人が見つかる場合もあるかもしれません。
4. 都道府県に申請する
昇進・転職して管理薬剤師に就任する際は、都道府県の保健所への届出が必要です。申請方法は自治体ごとに異なるため、事前に問い合わせるか、ホームページなどで確認しておきましょう。
必要書類の不備があると手続きが遅れるため、薬局開設者と連携して準備を進めることが大切です。
引用元厚生労働省:保険薬局の申請・届出に関するよくあるご質問
新潟市:変更届(薬局・店舗販売業‐管理薬剤師・店舗管理者変更)
管理薬剤師として働くメリットと注意点とは?
.jpg)
管理薬剤師は、薬剤師としてより活躍の幅を広げたい・出世して高年収を得たいといったようなキャリア志向の高い方にはおすすめのポジションです。しかし、その分責任も重く、いい面ばかりではありません。
そこで、管理薬剤師として働くメリットと注意点の両面について解説します。
管理薬剤師として働くメリット
管理薬剤師は、前述にもあるように、一般の薬剤師と比べて高収入を得やすいことが大きなメリットです。また、マネジメント経験を積めるため、キャリアアップにもつながります。
責任は重いものの、幅広い業務に携われるためやりがいを感じやすい点も魅力です。スタッフの育成や店舗の運営に主体的に関われるため、自身の判断が職場環境の向上に直結します。医療の質と経営の両方に貢献できる点は、専門職としての成長を感じられやすい要素です。
管理薬剤師として働く際の注意点
ここまで見てきたように、管理薬剤師は責任範囲が広く、法的責任も重くなる点に注意が必要です。また、管理薬剤師は原則として副業が認められないケースが多く、働き方に制限があります。
万が一のトラブル発生時には管理責任を問われる可能性があり、精神的な負担が大きくなることもあるでしょう。長時間勤務や急な対応が求められることもあるため、ワークライフバランスの調整が欠かせません。
管理薬剤師はキャリアアップを目指す方におすすめ!
.jpg)
管理薬剤師は、医薬品管理の責任者として施設全体を統括する重要な立場です。一般的な薬剤師と比べて仕事内容や責任範囲が広く、その分、収入やキャリア面でのメリットに期待できます。
管理薬剤師になるには、5年以上の実務経験を積み、関連資格を取得したのち、現在の職場で昇進するか、管理薬剤師を募集している職場に転職する方法が一般的です。自分の経験やスキルを活かせる環境で、これまでに培ったスキルや経験を存分に発揮しましょう。
管理薬剤師としてより良い条件で働きたい方は、薬剤師専門の転職支援サービスを活用するとよいでしょう。
リジョブと提携している「ファーマキャリア」では、薬剤師一人ひとりの理想のキャリアプランに応じた相談が可能です。オーダーメイド求人で、求職者の希望にマッチしやすい職場の提案も行っています。
管理薬剤師へのキャリアアップを目指す方にぴったりの仕事が見つかる可能性があるので、ぜひ一度ご相談ください。
監修者
この記事の監修者
森正弘
薬剤師専任キャリアアドバイザー
社内MVP受賞
【経歴・実績】
・北海道大学大学院(修士)修了 / 元大手インフラ企業 研究職
・社内受注金額MVP / 成約率41%の実績
【プロフィール】
理系院卒の深い理解と論理的交渉で、週休3日や高年収など他社が敬遠する難条件も実現。
深層心理まで掘り下げ、客観的な利点と欠点を提示します。意見を押し付けず、最終的にはご本人の意思決定を最優先に尊重します。
.jpg?q=1)
.jpg?q=1)
.jpg?q=1)
.jpg?q=1)
.jpg?q=1)
.jpg?q=1)