3年のブランクを打ち消すために、バイトを掛け持ち。絶対に負けたくない思いで前進した学生時代 「lyann表参道」大内優衣さん
東京・青山や表参道など、美容室激戦区に「Agnos青山」「kyli表参道」「lyann表参道」の3店舗を構える「KANOW GROUP」。トレンドをしっかりと押さえたスタイル提案や、スタイリッシュな内装で人気を集めるサロンです。
2024年に入社し、現在は「lyann表参道」所属のスタイリストとして活躍しているのが大内優衣さん。元々獣医を目指していた過去があり、同級生と比べてブランクが3年ある状態で美容専門学校に入学します。
負けず嫌いの性格だという大内さんは美容学生時代、そのブランクが遅れにならないように、バイトを掛け持ちし、さらにコンテストは常に上位入選を目指すなど、さまざまなことに力を注いできたそうです。
今回、お話を伺ったのは…
「lyann表参道」/スタイリスト
大内優衣さん

元々は獣医を目指していたが、美容師になりたいと方向転換し、美容専門学校に入学。卒業後、千葉県にある個人サロンで2年ほど経験を積む。2024年2月に「KANOW GROUP」に中途入社。現在は「lyann表参道」所属のスタイリストとして、くびれヘアやハイトーンを武器に、活躍している。
「自分にしかできない仕事」を目指して

――美容師になろうと思ったきっかけから教えてください。
高校生時代から自分へのご褒美として時折、表参道の美容室に勤める美容師さんの元へ通っていたのですが、その体験から美容師になりたい気持ちが強くなっていきました。髪をきれいにしてもらった状態で表参道の街並みを歩くと、とてもテンションが上がりましたし、またここに来れるようにがんばろうと思える自分がいて。髪型ひとつでこんなにも誰かの気持ちを高めることができる、美容師の仕事に憧れるようになっていったんです。
また美容師というのは、お客様が美容師についてくださることで成り立つ仕事だと考えており、「自分にしかできない仕事をしたい」という思いがあったので、美容師であればそれも可能になるのではないかと。
――では、高校卒業後は美容専門学校へ?
実は高校卒業後の私は、獣医を目指していまして。獣医になるための学校は学費が高額だったため、費用を貯めるためにアルバイトをしていました。でもその美容師さんの元へ通い続けるうちに、美容師に挑戦したい気持ちの方が日に日に強くなっていったんです。最終的には美容師を目指してみようと決め、獣医の学校のために貯めていたお金を使って、美容専門学校に通うことにしました。
同級生のほとんどが19歳のなか、私は22歳から美容専門学校に通い始めたんです。
――そうだったのですね。美容専門学校時代は、どんなことに力を入れていましたか?
専門学校の勉強、学校内で開催されるコンテスト、掛け持ちしていた2つのアルバイトなどさまざまなことに力を入れていました。アルバイトはトータルビューティーサロンと、私が美容師になるきっかけにもなった表参道の美容室の2箇所で働きました。前者は当時ヘアメイクの仕事にもいずれ携わりたいと思っていたからで、後者は就職後に遅れをとらないように美容室の業務に慣れるためです。学校内で開催されるコンテストにも積極的に参加し、10位以内の入賞を目指していました。
どんなに忙しくても、学校の勉強や実技の科目も遅れをとりたくなかったので、授業中になるべく習得できるように集中していました。
――かなり忙しい生活ですね。
そうですね。人より3年遅れで専門学校に通い始めたので、ほかの同級生から遅れを取りたくない、絶対に負けたくないという気持ちが強かったんです。学生時代は学校生活を楽しむというより、早く1人前になりたいという思いの方が強く、美容師になるための通過点だととらえていました。
倍率50倍の難関を突破できず、第一希望のサロンは不採用に

――就活はいつ頃から、どんな形で始めましたか?
本格的に就活に力を入れ始めたのは1年生の終わりごろです。インスタで情報を検索したり、ある会社が開催していたバスでさまざまなサロンの見学に行ける「サロン見学ツアー」に参加したりして、自分に合うサロン選びから就活をスタートさせました。トータルで30軒以上はサロン見学に行ったと思います。
――30軒も! そのなかで第一希望のサロンはどのように選びましたか?
当時、ブリーチやハイトーンのうまい美容師になりたいという思いがあったので、ハイトーンに特化したサロンを選びました。またそのサロンは撮影にも力を入れていて、メディアにもよく露出していたので、ヘアメイクに携わりたいと考えていた当時の私には魅力的に映ったんです。
――選考はどのような流れでしたか?
書類選考のあとに、PR動画の提出が必要でした。自分の長所と志望理由を話す30秒ほどの動画を撮影し、字幕やBGMなどをつけて見やすく編集して提出するという課題でした。
その後、サロンワーク試験や面接までは進んだのですが、最終面接の前に落ちてしまいました。第一志望のサロンは当時100名ほど応募があって2人しか採用されない狭き門でした。難しいとは分かっていたのですが、郵送で不採用の通知が届いたときはやはりショックでしたね。
――そうだったのですね。採用試験のなかで、とくに印象的だったことはありましたか?
PR動画を作成するのが難しかったです。学生時代、作品撮りは何回か行っており誰かを撮影することには慣れていたのですが、自分が写ることには慣れていなくて。カメラの前でどう話せばいいか、どうやったら写りがよくなるか、編集はどうするかなど考えることが多く、悩まされました。
個性的なスタッフの方が多いサロンだったので、応募者の個性を見る試験だったのではないかと思います。あとから振り返ってみて、私は少し真面目に撮りすぎてしまったので、自分の個性や遊び心をもう少し出せばよかったと反省しました。
新人時代は地方サロンで、幅広く技術を磨くことを決意

――その後、別のサロンで就職をされたのですね。
新卒で入社したのは千葉の個人店でした。美容師になるきっかけをくれた美容師さんが独立して、ご自身の地元である千葉に立ち上げたサロンです。美容学生時代、その美容師さんが働くサロンでアルバイトをしていたので、採用試験に落ちてしまったことを伝えたら、うちで働かないかと声をかけていただいたんです。
当初は都内のハイトーンやブリーチに特化したサロンを目指していたので少し悩む気持ちはあったのですが、その美容師さんから「都内は美容室の数が多いために特化型サロンという形をとって技術で差別化する傾向があるけれど、地方サロンの場合はさまざまなお客様からさまざまな要望を受けるため、技術の幅が広くないと対応できない。新人時代はそういったサロンで腕を磨くのも、成長につながると思う」と言われて、納得したんです。
――就職後はどのようなことを感じましたか。
入社後は、技術に苦戦をして悔し泣きすることも多かったですね。私はわりと手先が器用な方なので、すぐにいろいろできるようになるだろうと思っていたのですが、自分の甘さや技術不足を感じることがとても多くて……。とくに最初に苦戦をしたのが髪の毛をきれいに乾かすブローの技術で、練習を重ねすぎて指に傷ができるくらい必死だったのですが、きれいな形をつくることができませんでした。
技術の難しさを感じたことも多かったですが、お客様と接する時間は楽しく、美容師の仕事の魅力を感じた時期でもありました。
後編では、「KANOW GROUP」への転職体験について伺います。1社目に入ったサロンで美容師としての経験を積みながらも、東京のサロンで、複数の先輩から学びながら働きたいという思いが強くなっていったという大内さん。所属先のサロンにも相談し、転職を決意します。
転職の準備として情報収集に力を入れ、お客様の層をしっかりと把握。お客様に対してどのような強みを発揮できるかをアピールしたそうです。
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lyann表参道
住所:東京都港区北青山3-12-13北青山3丁目ビル2F-N
TEL:03-6427-2750
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