ヘアメイクさんが撮影現場でしているメイクの下準備
モデル撮影では、ヘアメイクさんがモデルさんにメイクをしている現場に立ち会うことがあります。スタジオにもよるんですが、個室のメイクルームではなくスタジオとメイクルームがオープンな場合(仕切りがないところ)は、ゼロベースから仕上がりまでその作業の一部始終を見ることができるんです。私は、このプロの現場というのがとても大好き! 気難しい現場だとそうはいきませんが、気心が知れたスタッフさんが集まっている場合、私はその作業を何気なくチェックしています。
プロが行うベースの仕込みはわずか3つ
一連の作業の中でもとても勉強になるのが、ベースメイク前の下準備です。ファンデーションを塗る前の“仕込み”の作業が、みなさんプロフェッショナルなんです。もちろん人それぞれでいろんなパターンがあるのですが、①シートマスクをつけながらスチーマーをあてる。②フェイシャルマッサージ。③たっぷり水分補給。この3つが基本になります。では、ひとつずつ詳しく紹介しましょう。
パナソニックのスチーマーは所持率が高い!
ヘアメイクさんは、大きなスーツケースを持って現場に入ります。その中にはスキンケア製品、メイク製品、ドライヤー、スチーマーなどがいろいろ入っているのです。それをメイクルームにズラッとキレイに置いてからメイクがスタートします。モデルさんが別の現場から入った場合は、クレンジングから。メイクルームでは自宅のような大きな洗顔スペースはありませんから、クレンジングウォーターを使う方が多いですね。中でも所持率が高いのが、サンシビオ。
私も愛用しているんですが、これは肌が敏感な方でも安心して使えます。しかもコスパがいい! コットンにたっぷりとひたして肌になじませると、メイクをするっと落としながら水分をたっぷり補給できます。とても気持ちのいいクレンジングですから、ぜひ試してみてください。
そして、次に行うのが、水分補給です。私の独自の調べにはなりますが、80%以上のメイクさんが持ってるのが、パナソニックのスチーマーです。シートマスクを肌にのせながら、このスチーマーをあてること10~15分。肌コンディションはとにかく水分をたっぷり肌に与えること。ファンデのノリもアップしますし、角層にたっぷりの水分を補給することで、肌本来のツヤが生まれます。シートマスクは、みなさんお好きなものがあるようで、コレ!というものは限定できません。なので、普段使っているシートマスクでOKです。
デコルテ&フェイシャルマッサージで湯上りの肌
シートマスクをしている間もメイクさんのお仕事は続いています。この10分間で行うのがデコルテのマッサージです。首からデコルテにかけて、リンパの流れに沿って丁寧にマッサージを行います。その時、活躍するのがアロマオイル。いい香りのアロマをほんの少し使うことで、モデルさんの表情がパッと明るくなるのがわかります。ただし、すべてのモデルさんがアロマ好きとは限りませんので、無香料のオイルを使う方ももちろんいます。
マッサージの仕方ですが、耳のうしろ(耳下腺)から首の太いリンパを通って、そのまま鎖骨へ流しワキのあたりを軽くプッシュ。見ている私も気持ちよくなってしまいます。そして、シートマスクをはずして顔のマッサージを行います。これもリンパの流れを沿わせてやさしくマッサージ。するとどうでしょう、現場に入ってきたときとは別人のようなほんのり上気したピンク色の肌に。例えるならば、お風呂上がりのような肌になっています。こんなコンディションのいい肌になっていれば、後に使うファンデーションはごくごく少量で済みますよね。
その後は、化粧水、乳液などを使います。スキンケアのキモとなるのは、水分補給とマッサージで血行促進すること。ここまでの作業で、だいたい20分前後かかります。日常生活でなかなかここまで時間をかけてスキンケアするというのはありませんが、気合いをいれてメイクをしたい!という時には、ぜひ試してみてください。自分の肌の仕上がりに、きっと感動しちゃいますから。
Profile
美容ライター/エディター 夏目 円(なつめまどか)
出版社勤務後、独立。美容ライター・エディターとしてのキャリアは20年以上になる。雑誌、広告、ウェブ媒体などさまざまなフィールドで旬な美容情報を発信する。主な雑誌媒体として、宝島社「GLOW」、「InRed」、「大人のおしゃれ手帖」、「sweet」、リクルート「ゼクシィ」、白泉社「KODOMOE」など。また、インスタグラムでは、発売前の化粧品、スキンケア、ヘアケア、発表会情報など、最新のトレンドを日々アップデート。趣味の海外旅行と美容をリンクさせ、さらにワールドワイドな情報を発信することを目標としている。
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