【美容師のパーマ技術】BEAUTRIUM 265 伊東一篤さんが伝授!リアル外国人風が叶う『フリーリーパーマ』#1
日本人女性があこがれ続ける「外国人風」ヘアとは、実際どんなスタイルなのか…を追求したBEAUTRIUM 265 伊東一篤さん。たどりついたのが、外国人のクセ毛をリアルに再現する『フリーリーパーマ』だったそう。今回は、伊東さんのスタイル作りの考え方から、注目の『フリーリーパーマ』のポイントについて伺いました。
BEAUTRIUM 265 店長 伊東一篤さんにインタビュー
カウンセリングで見るのは、髪だけでなく全身です
——サロンワークの中で重視していることは?
一番大切にしているのは、カウンセリングですね。美容院に行くときって、今いちばん気に入っているファッションだったり、「こんな風に見られたいな」っていう服を選ぶことが多いと思うんです。だから、まずはしっかりお客様の全身を見て、仕上がりで髪だけ浮くことがないように意識します。もちろん、毛髪診断もきちんと行います。とくに薬剤を使うパーマの施術では、髪質をきちんと判断しないと失敗の原因になってしまいます。
——スタイルの提案で意識していることは?
新しいスタイルを自分で生み出す人もいますが、自分はそういうタイプではないので、まずはいろんなことを吸収することを大切にしています。街を歩いているステキな人、雑誌やポスターに写っているモデルさんはもちろん、映画や音楽、絵画、建物など、いろんなものを取り入れるようにしていますね。一般的な流行も取り入れますし、個人的に好きな「マイトレンド」もあります。それらを、どんなかたちで、どのお客様に提案するか。流行を求める方、自分に似合うものをおまかせしてくださる方…。引き出しをいっぱい作っておくことで、お客様に合わせた提案ができると思います。
パーマの失敗体験を払拭できる、確かな施術を提供したい
——パーマのオーダー状況はどうですか?
以前に比べると増えていると思います。個人的にも、よく提案しますね。ヘアアイロンで巻き髪を作っているという方が多いんですが、毎朝すごく大変だと思うんです。だから、少しでも楽になればと思って…。でも、パーマを提案すると、「失敗した経験があってパーマに抵抗がある」という人がけっこういるんです。思っていたよりパーマがかかってしまったり、逆に全然かかっていなくて次の日に取れちゃったり…。ダメージが出てチリチリになってしまったという方もいました。
——そういう失敗は、なぜ起こるのでしょうか?
たとえば、パーマがかかりすぎてしまうのは、2液塗布後に時間をおきすぎたことによる過剰反応。これは細かいチェックができていないからです。パーマが取れてしまうのは、そもそもパーマがかかっていないんですよね。髪内部の結合を離す工程で、思っていたよりも髪が強く結合していて、きちんと結合を離せていない、とか。これは手で触ってチェックするんですが、経験で判断するものでもあります。また、ダメージが出てしまうのは、最初のカウンセリングできちんと判断ができていないから。どこにダメージがあるかを把握していれば、薬剤を塗布する前にダメージを出さない処理ができます。
——すごく繊細な施術なんですね。
パーマって、薬剤を使って髪に化学反応を起こす施術なので、髪への負担もあるし、リカバリーがきかない。だからこそ、慎重に、丁寧にカウンセリングしないといけないんですよね。もちろん髪質によって、パーマがかかりにくい方もいらっしゃいますし、思っていたよりかかりやすかった、ということもあります。だからまず、そういう可能性をきちんと伝えておかないといけないと思います。「失敗した」という印象をできるだけ持って欲しくないので…。だって、成功したら絶対に可愛いし、毎日がラクになるはずなんです。パーマをしないなんてもったいないですよ!
——どんなパーマが人気ですか?
ヘアアイロンで毎朝巻いている方がラクできるような、巻き髪を再現できるパーマは需要が高いと思います。お客様が求めているのは、後れ毛や顔にかかる髪のうねりとか、毛先のナチュラルな動きとか、ちょっとしたニュアンスが毎日きちんと出せること。だから、再現性の高さも重要だと思います。
——これから提案していきたいパーマは?
お客様が求めていることを踏まえつつ、プラスアルファでお洒落さを出せたらないいなと思っています。僕は海外旅行に行くのが好きなんですが、街を歩いていると外国の方の髪にすごく惹かれるんです。これを日本人の髪で再現できないかなと思って、いろいろ研究したんですよ。これまでも「外国人風パーマ」ってあったと思うんですが、リアルじゃないなと感じていたのもあって…。産毛のうねりやウェーブの始まり方、毛先のほつれた感じを追求したんです。そうして、お客様に合わせて欲しいところにウェーブを作れるような、自由度の高いパーマ、『フリーリーパーマ』が完成しました。ぜひ、試してみてほしいです。
伊東さんが提案する『フリーリーパーマ』とは?
サロンワークの中で、お客様が求めているのは、パーマやヘアアイロンでは出せない、リアルなクセ毛のニュアンスだと気づいたという伊東さん。また、海外や街中で見かける外国人のクセ毛に魅力を感じていたことから、そのニュアンスを再現することに。そうして、研究を重ねて編み出したのが『フリーリーパーマ』。ロッドの巻き方、抜け感の作り方にこだわった、今までにないパーマテクニックです。
『フリーリーパーマ』のいいところ
1.誰にでも対応できる自由度の高さ
2.抜け感が簡単に演出できる
3.スタイリングも楽で再現性が高い
お客様の求める巻き髪のニュアンスと再現性の高さに、マイトレンドの「リアル外国人風」を組み合わせて完成した、伊東さんの『フリーリーパーマ』。後編では、そんな『フリーリーパーマ』の詳しい作り方をご紹介します。
取材・文:山本二季
撮影:奥村亮介(スタジオ バンバン)
ヘア:伊東一篤(BEAUTRIUM)
メイク:相場史帆(BEAUTRIUM)
モデル:ギャビー・ダカン
▽後編はこちら▽
【美容師のパーマ技術】BEAUTRIUM 265 伊東一篤さんが伝授! リアル外国人風が叶う『フリーリーパーマ』#2>>
教えてくれたのはこの人!
Profile
伊東一篤さん
BEAUTRIUM 265 店長
1981年生まれ。日本理容美容専門学校を卒業後、「BEAUTRIUM」に所属。オリジナリティあふれる、ファッション性の高いヘアデザインが人気。サロンワークはもちろん、ファッション誌やコレクション、海外でのショーなど、幅広いフィールドで活躍中。
インスタグラム https://Instagram.com/beautrium_kazuma_ito/