SNSをきっかけに他業種からのコラボ依頼も。着実な努力で活躍の場を拡大【atelier+LIM 生澤郁香さん】♯2
大阪・梅田にあるショートネイルとアイラッシュのサロン「atelier+LIM」。現在スタンダードになっているショートネイルの先駆けであり、「誰かに見せるためではなく、自分の心を満たしてくれるネイル」というコンセプトが多くのお客様に支持される人気サロンです。
「atelier+LIM」で店長を務めているのは、生澤郁香さん。生澤さんは音楽大学を卒業後、別業種で会社員として働き、ネイリストに転職したという異色の経歴をお持ちです。
前編では、生澤さんがネイリストを志したきっかけや、人気サロン「atelier+LIM」に入社するまでの紆余曲折について伺いました。
後編では、ネイリストとして大切にしている心構えや活動の幅を広げたきっかけについて伺います。
今回、お話を伺ったのは…
生澤郁香さん
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「atelier+LIM」店長。栃木県出身。尚美学園大学で音楽を学んだ後、接客業・事務職を経験。「LIM NAIL SCHOOL」に入学してネイルの基礎を学び、ネイリストの道へ。日常になじむさりげない推しネイルの施術を得意としている。技術の高さが評判を呼び、セミナーも開講中。美術館とのコラボや、通販サイトと協働し手描きのアートが入ったグッズを発売するなど、活躍の幅を広げている。趣味はお菓子作りと漫画やアニメ、ゲーム。Instagramのフォロワーは1.4万人(2026年5月時点)。
終電まで自主練を繰り返し技術を向上。「日常になじむショートネイル」のスタイルを確立
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――入社後、苦労した点はありますか?
入社していよいよ本格的に研修が始まるというタイミングで、コロナ禍に突入してしまったことですね。外出の自粛要請が出たことで、サロンも丸々1か月お休みになってしまいました。
当時の研修のカリキュラムはとても厳格で、モデルを何十人とお願いし、ワンカラーやフレンチ、グラデーションといった基礎技術のテストを段階的にクリアし、すべての科目に合格して初めてデビューできるというシステムでした。しかしモデルをサロンに呼ぶことすらできず、自宅待機になってしまったんです。
――自粛期間はどのように過ごしたのですか?
「5本組のチップを4種類、合計20本のデザインチップを毎日制作し、写真を提出すること」という課題が出ました。朝から晩まで必死にチップを制作し、先輩からのフィードバックを反映してまたチップを作るということを繰り返していました。当時のデビューまでの目安期間である半年を守ろうと必死でしたね。
――営業再開後はどのように研修を進めましたか?
休業が明けてからも毎日必死で練習しました。サロンの営業が終わった後、ひとりで居残りして、毎日終電のギリギリの時間まで黙々と技術練習を続けていましたね。同期のネイリストも別の店舗で終電まで練習していたのを知っていたので、それを励みにしていました。当時は「早くデビューするんだ!」という一心で、必死だったことを覚えています。
――デビュー後、壁にぶつかったことはありますか?
パーツを使うネイルの習得には少し苦戦しました。当時は配置を決めるのが苦手で、ずっと悩み続けてしまっていたんです。その悩みをお客様に打ち明けたところ「じゃあ、私のネイルをパーツもりもりにしてください!」と言ってくださったんです。お客様と相談しながらパーツをたくさんつけたネイルを作っていたら、だんだんと「こういうことか!」とコツが掴めてきて、その瞬間、練習の成果が花開きました。
そこからパーツと手描きアートのバランスが半々になり、さらに「引き算の美学」も理解できるようになって、現在のシンプルで日常に馴染むショートネイルのスタイルが完成しました。
ネイリスト個人の影響力を増すことも大切。Instagramが仕事につながる
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――「日常になじむ推しネイル」に関して、意識していることはありますか。
お客様の推しは、アイドルからアニメ、ゲームなど人それぞれ。モチーフとなるものは本当にさまざまです。たとえばロボットアニメに出てくる盾に書いてあるエンブレムのように、一見私のネイルのテイストとは少し離れているリクエストをいただくこともありますが、お客様のファッションやライフスタイルに合わせてナチュラルにデザインに落とし込むことを大切にしています。
またお客様からお持ち込みいただいたデザインのパーツがなく、他店では断られてしまうような場合でも、私は全体のニュアンスをくみ取って代替案を提案するようにしています。難しいご要望であっても「どうやったらお客様の理想をかなえられるか」を常に考えていますね。
――生澤さんはInstagramのフォロワーが1.4万人(2026年5月時点)いらっしゃいますね。どのようにしてフォロワーを伸ばしたのですか?
私は先輩と「まずは同期のなかでフォロワー数1番になる」という目標を立て、InstagramやXなど、媒体の特性に合わせた投稿のブラッシュアップを必死に繰り返してきました。その結果、投稿が数回バズり、段階を踏んでじわじわとフォロワーが増加しました。
現在のネイル業界は、コロナ禍以降におうち時間が増えたことや、YouTubeでのハウツー動画の普及によって、若い世代を中心に「セルフネイル」への移行が急速に進んでいます。またショートネイルの先駆けだった私たちのサロンにも競合他社が増えてきました。だからこそ、これからの時代はサロンというハコの力に頼るだけでなく、ネイリスト個人の発信力や個性が重要になってくると痛感しています。
――生澤さんは大手通販サイトとのコラボアイテムが発売されたり、雑誌と美術館のコラボ企画やアニメと実写映画のコラボ企画でネイルでネイルをデザインしたりと活躍の幅を広げていますね。
雑誌と美術館のコラボや、アニメと実写映画のコラボネイル企画については、会社に来たお話に対して自分から手を挙げてチャンスをいただきました。一方、通販サイトさんとのコラボについては、Instagramで私のネイルを見てくださった企業の担当者さんから、指名でコラボレーションの依頼をいただきました。SNSの更新をがんばり、発信力を高めてきてよかったと感じた出来事でした。自分の描いた絵がグッズになっているのを見るのはとても感慨深かったですね。
また最近は、ネイリスト向けのセミナー講師も開始しました。ややタイトなスケジュールになってしまい課題は残りましたが、受講者の方々の満足度が非常に高く、「また開催してほしい! 」といううれしいお声をたくさんいただきました。
「目の前の人を幸せにする」をモットーに、お客様に選ばれるネイリストになる
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――現在、店長を務められて2年が経つそうですね。マネジメントで意識していることはありますか?
私が店長として意識しているのは、役割を分担することです。私は店長として、サロンとしての規律が守れているか、クオリティを担保できているかどうかなど全体を俯瞰しながらチェックする役割に徹しています。その代わり副店長が、スタッフ1人ひとりのメンタル面に寄り添い、育成をサポートしてくれるという体制ができています。役割を分担することで、チーム全体にまとまりが出ていると感じます。
――生澤さんのネイリストとしてのモットーがあれば教えてください。
「LIM」の創業者の「目の前の人を幸せにする」という言葉をモットーにしています。技術のクオリティを高めることはもちろんですが、接客の心地よさ、施術枠を厳守するという時間管理も含めて、やるべきことを完璧に提供することがお客様の「幸せ」に直結すると考えています。今目の前にいるお客様を幸せにすることに集中すれば、おのずとお客様は私たちのファンになってくださるはず。
できること、やるべきことに全力で向き合うというシンプルなことを徹底することが、ネイリストとしての成長につながっていると感じます。
――今後の目標を教えてください。
個人にフォーカスが当たりやすい時代だからこそ、サロンの看板を背負いながら外部の案件にもどんどん挑戦していきたいです。個人的には、私がデザインしたものがマスキングテープなどの「紙もの」になったらうれしいなと夢見ています。
ネイル業界はセルフネイルの普及や競合サロンの増加など、変化が激しくシビアな時代を迎えています。だからこそこれからも「日常に溶け込む可愛いデザイン」を武器に、目の前の人を幸せにする接客を続けて、お客様に選ばれ続けるネイリストでありたいと思います。
通販サイトや雑誌とのコラボレーションやセミナー開催など華やかに活動の幅を広げる生澤さん。取材を通してその裏には、「目の前のお客様を幸せにする」というモットーと着実な努力があることを感じました。
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インスタグラム
住所:大阪府大阪市北区梅田1-12-6E-MA 4階
TEL:06-6136-3746
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