【美容師のカラー技術】bianca IWABUCHIさん流 「ワイドバングに似合うベリー系ポイントカラー」#1
カラー需要が高まっている昨今、ちょっと目を引くデザインカラーの人気も上昇中。取り入れるだけでグッとお洒落になれるカラーリングを、カラーに定評のあるヘアサロン「bianca」のIWABUCHIさんに提案していただきました。さまざまなコンテストで受賞歴を重ねているIWABUCHIさん。前編では、そんな彼女の技術力アップ法や今気になるカラーリングについて伺いました。
「bianca」IWABUCHIさんにインタビュー
「bianca」スタイリスト IWABUCHIさん
学生時代から技術力のある美容師になりたかった
――美容師になろうと思ったきっかけを教えてください。
中学校の入学前に、いつも行っていた美容室で、ヘルメットみたいな髪型にされてしまったんですが、それを別の美容室で直してもらったときに、すごく感動したんです。とても落ち込んでいたのに、髪型ひとつですごく元気になれて…。そういう、人の気持ちをポジティブに変えられる仕事ってステキだな、と思ったのがきっかけでした。その気持ちはずっと変わらず、高校卒業後、山野美容専門学校に入学しました。
――学生時代は、どんな風に過ごしていましたか？
けっこう真面目に取り組んでいたと思います（笑）。ワインディングのコンテストチームに入って、毎日ひたすら練習していました。今になって、もっといろいろしたらよかったなと思うくらい、熱中していましたね。
――biancaに入社されたのはなぜ？
就職活動のときに、自分が何をしたいのか、どんな美容師になりたいのかっていうのを整理してみたんです。当時、一番したかったのが、カラーの勉強。あとは、しっかり技術力をつけられて、お客様と長いお付き合いができるサロンがいいな、とか、コンテストにも出場したいな、とか。それらをまとめて、美容学校の先生に相談したら、biancaを紹介してくれました。biancaは当時から、カラーのホイルワーク技術に秀でたサロンとして有名でした。美容学校卒業後、すぐに入社して、今7年目です。
――アシスタント時代は、どんな風に技術を磨いていましたか？
6年ほどアシスタントをしていましたが、若手のころからコンテストや作品撮りの機会を与えてもらえる環境なので、そのなかでたくさん学ばせていただきました。このカットはこうやって切るんだとか、カラーの入れ方とか、作品作りを通して勉強する方法と、モデルさんに頼んでひたすらサロンワークの基本的な技術を練習する方法の、2方面から技術力を高めていきました。
――練習時間はどうやって確保していたんですか？
biancaは、技術を磨くことに力を入れているサロンなんです。営業日は17:30にはクローズして、みんなでご飯を食べてから練習の時間になります。先輩とミーティングして、そのときに必要な技術を習得するためのプロセスを決めていき、アドバイスをもらいながら練習日程を組んでいくんです。今日は何をするっていうのを自分で決めて取り組み、先輩にチェックしてもらうっていうのを毎日行っています。
――スタイリストデビューから1年、何か変わったことはありますか？
お客様の髪について、より似合うものを考えるようになりました。全体のバランスとか、もっとこうしたらどうだろうとか…。生活背景や性格なども含めて考えるようにしています。「いつもと同じで」っていう方もいらっしゃいますが、ちょっと前髪の幅を変えてみたり、カラーを少し変えたりと、大きくは変わらないけれど飽きないような工夫で、より似合うものを提供できればと思っています。あと、私はお店の中ではキャリアが浅いほうなので、その点でお客様を不安にさせないように、取り扱うものの知識や、髪の状態についての説明など、安心していただける知識や情報はしっかり勉強しています。
作品作りとサロンワークはつながっている
――サロンワークでのデザイン提案のためのインプットは？
お店で業界誌を一通りそろえているので、それはよく見ています。あとはハイファッション誌も見ますね。コンテストに力を入れていることもあり、普通のサロンワークでのカットプロセス以外の方法も教えていただいてきたので、そこからサロンワークで生かせるものを取り入れたりもしますね。
――業界誌やヘアコンテストとサロンワークでは、デザインは変えていますか？
自分の中で、意識的に変えようと思っていることは、特にありません。もちろんまったく同じデザインではありませんが、要所要所使えるところがあるというか。何度か出場させていただくなかで、その作品で使った技術をサロンワークで取り入れることも多く、「つながっているな」というのを、すごく感じています。
――最近のカラーリングのトレンドは？
マイトレンドは、今、自分でしているんですが…（笑）、くすんでいないベージュがきれいだなと思っています。全体でみると、少し前からブリーチカラーのブームが来ているので、部分的にでも取り入れると、今っぽいし一癖ある髪になれてかわいいです。全体的に明るくするのに抵抗があったり、お仕事柄ハイトーンが難しい方でも、髪型に合わせたポイントブリーチなら取り入れやすいと思います。ピンク系は、抵抗も少なく人気の色です。
IWABUCHIさんが提案する『ベリー系ポイントカラー』
秋に向けたベリー系のカラーリング。顔立ちを個性に格上げするワイドバングに合わせ、人気のデザインカラーを左右非対称にオン。彩度の高いポイントカラーは、オレンジ系とパープル系の2色のピンクを使って個性的に。
IWABUCHIさん流『ベリー系ポイントカラー』のいいところ
１．髪型に合わせたカラーリングが個性を演出
２．人気のピンクを鮮やかなグラデーションに
３．ブリーチし過ぎずできるのでダメージ軽減にも
個性が重視される今にぴったりな、オンリーワンのデザインカラーを提案してくれたIWABUCHIさん。その人の髪型に合わせたポイントカラーは、これからさらに需要が増えそうです。後編では、提案いただいたポイントカラーの詳しい施術方法についてご紹介します。
▽後編はこちら▽
【美容師のカラー技術】bianca IWABUCHIさん流 「ワイドバングに似合うベリー系ポイントカラー」＃2>>
取材・文：山本二季
撮影：石原麻里絵（スタジオバンバン）
ヘア＆メイク：IWABUCHI（bianca）
モデル：カレン
教えてくれたのはこの人！
IWABUCHIさん
bianca スタイリスト
入社7年目。スタイリストデビューから1年ながら、数々のコンテストで入賞、業界誌での作品掲載など、目覚ましい活躍を続ける。ブリーチを使ったハイトーンカラーをはじめ、ヘアカラーデザイン全般に定評がある。
インスタグラム https://instagram.com/bianca_iwabuchi/
