ベテランこそチャレンジを! 新人から熟練者までが同じフロアで刺激を与え合う『kakimoto arms』の強い組織力の秘密に迫る

常にチャレンジを続けることで業界をリードしてきた『kakimoto arms』。コンテストで上位を独占する圧倒的な技術力を武器に、長年成果を残し続けています。その成功の陰には、柔軟な対応を身に付けるためにマニュアルを作らない教育方針や、ベテランこそプレッシャーに挑むひたむきな姿勢がありました。

後編では強いチームを作る極意に迫ります。

ホスピタリティ×技術×人間力で質の高いサービスを提供

————リピート率を高めるためには、どのようなことを意識していますか?

「ホスピタリティ、技術力、人間力の3つが揃っていることが大切だと思います。とくに私たちのお客さまは、コスメはシャネル、買い物は伊勢丹など生活水準の高い方がほとんどです。一流のおもてなしを求めていらっしゃるのでスタッフは日頃から勉強することを欠かしていません。ファッション面は『VOGUE』、政治や経済は『日経新聞』を読んで情報を取り入れることを心掛けています。ちなみに最近、『大切な人に紹介したいサロンであるか』を軸にした顧客満足度調査を実施しました。結果は100点満点中98点を獲得できたので、サロン全体で高いサービスを提供できている自信があります」

————高いサービスを実現するために、工夫していることを教えてください。

「技術のカリキュラムはありますが、接客のマニュアルは一切ありません。若手を放し飼い状態にすることで、自分で考えてサロンワークを行うため、柔軟な対応力を身に付けることができるんです。『マニュアルがない』と聞くと団結力がない印象を持つと思いますが、リーダーがひと声かければ全員が同じ方向を向く体制は整っています。それがサロン全体で質の高いサービスを提供できている理由だと思いますね」

若手とベテランが切磋琢磨し合う環境が強いチームを生む

————「リーダーがひと声かければ全員が同じ方向を向く」チームを作るために大切にしているポイントはありますか?

「いくつかあり、まず情報の共有がしっかりとできていることです。毎月、第1土曜日の営業後に約360名の全スタッフが集まるミーティングがあり、その月の店舗の売上と個人の売上などをランキング形式で共有しています。おおまかな自分のポジションをつかむことができるため、切磋琢磨し合う環境を作ることができるんです。今はネットが発達しているため顔を合わせずとも情報共有ができますが、各サロンの温度感を肌で感じることができるので実際に会うことはとても大切ですね。次に年代別でスタッフを分けて、サロン展開をしていないことも大きいと思います」

————そのサロン展開の方法について詳しく教えてください。

「業界のなかには、若手がメインで働いておりリーズナブルな価格設定のサロンと、ベテランが中心で金額を高めに設定している店舗を分けて展開している美容室があります。要するに、新人と経験者が一緒の環境で働くことがありません。しかし『kakimoto arms』では新人も15年以上勤務しているスタッフも同じ環境で働きます。そのため、若手は高い技術を身近で見ることができますし、ベテランは勢いのある新人が現れると刺激を受けることができるんです。そして、強いチームを作るもっとも大きなポイントは職歴が長いスタッフがチャレンジを続けていることだと思います」

ベテランがプレッシャーに挑み続ける大切さ

————なぜベテランもチャレンジを続けるのでしょうか?

「まわりのサロンを見ていると、ある程度の実績を積むとそれ以上は上を目指そうとしない美容師もなかにはいますが、それでは若い世代にどんな言葉を伝えても説得力がありません。若手は現在の姿からしか刺激を受けませんからね。だからこそ『kakimoto arms』はベテランが挑戦をし続けています。日本にカラーの技術を広めた初代のカラーリストたちは、今では同じ黒髪を持つアジア圏の方々に技術を伝えるために海外を飛び回っています。また、スタイリストも積極的にコンテストへの出場を続けているんです。すでに高いスキルを持っていますから、もしかしたら出なくてもいいかもしれません。それでも舞台に上がります。『kakimoto arms』というブランドを背負っている以上は、常に1位を獲ってこなければならない。そういったプレッシャーにあえて挑む姿が、若手を刺激するんだと思います。実際に行動を起こして結果を出していれば、後輩は自然と背中を追いかけますからね」

強いチームを作るための極意

最近は、SNSの活用にも力を入れ始め時代の流れに沿ったサロン運営を進めている『kakimoto arms』。強いチーム作りの極意をまとめると下記の3つでした。

1.マニュアルを作らず、個人が柔軟な対応力を身に付ける

2.全社員と顔を合わせることで、情報とともに熱意を共有する

3.ベテランこそ、プレッシャーに挑む姿勢を持つ

今後の課題としては、美容業界の人材不足の改善にも取り組みたいと語ってくださった村松さん。美容室経営に悩むオーナーの方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

▽前編はこちら▽
ヘアカラーのパイオニア! 道なき道を切り拓き、日本ヘアカラー文化の基盤を築いた『kakimoto arms』の経営術に迫る>>

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Salon Data


kakimoto arms 新宿店

住所:東京都新宿区新宿3-24-1新宿 M-SQUARE 2F
TEL:03-3226-3320
https://kakimoto-arms.com/

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