そこに見出せるものがあるならと自分を信じて突っ走った ネイルサロン Oh! 新宿マルイアネックス店 トップネイリスト Junさん#2

飲食店での接客担当から男性ネイリストへの転職を遂げたJunさん。エントリーした10件中、面接にこぎつけたのは2件だけとなかなか厳しい状況下でしたが、自分を信じて転職活動を突っ走ったそう。いまは、この道で間違いではなかったと自信を持って言えるそうです。

 お話を伺ったのは…

ネイルサロン Oh! 新宿マルイアネックス店

トップネイリスト Junさん

フレンチレストランでフロア担当として培った丁寧で品のある接客力を活かし、ネイル業界へ転職。ネイリスト検定1級・ジェルネイル検定上級まで、いずれも一度も落ちずにストレート合格で取得。技術とホスピタリティの両面を兼ね備えた信頼感のあるメンズネイリスト。1歳女児のパパ。

男性だからこそ選ばれることもある

「男性のお客様は休みの日や仕事終わりの時間帯に多いです」

 ――実際に入社してみていかがですか。

 現場にいると、自分の目がちょっとずつ肥えてくるのが分かるんです。でも目は肥えても手が動かない。じゃあどうするかというと、先輩の施術を見て学ばせてもらう。分からないところを聞いて教えてもらう。その上でひたすら練習を重ねていくという感じですね。

 ――フレンチレストランの経験があるから接客は問題なかったですか。

 まあそうですね。飲食店ではお食事の邪魔にならないようにお客様との距離感も大事にしていましたが、ネイルサロンでは1時間以上マンツーマンというケースがほとんど。お客様の状態も様々ですので、お疲れかなと思う方にはボリュームを落として最低限のご希望だけお聞きし、逆にしゃべりたいお客様もいらっしゃるので、そういうときは楽しくお話させてもらっています。

 ――男性のお客様もいらっしゃいますか。

 新宿という場所柄、営業職の男性の方も多く、全体の15%が男性です。初めて予約をいただいたのも男性のお客様でした。たまたまサロンの前を通りかかったときに、わたしが施術しているところを見かけて「女性ネイリストだと気恥ずかしいけど、男性ネイリストがいるなら」と予約を入れてくださいました。男性だからこそ選ばれることもあるんだなと感じています。

 ――その方の感想は?

 ネイルサロン自体が初めての方だったんですが「形を整えるだけでこんなにきれいになるんだ」と感動してくださいました。爪の形をファイルで整え、甘皮まわりと角質を除去して、透明なマニキュアでコーティングするネイルケアは、爪が大きくきれいに見えて自然な仕上がりになります。 

できることが増え、日に日にやりがいを感じる

手タレになれそうな美しい手元。「フレンチレストラン時代は爪を伸ばすのはNG。洗剤で荒れてしまい指先はボロボロ。この業界に入ってからケアをするようになりました」

 ――ネイリストになって2年目だそうですね。

 はい。技術職なので最初は大変でしたが、ひとつずつできるようになって自信がつき、日に日にやりがいを感じています。一方で先輩ネイリストの施術を見ると、自分はまだまだ。今後も切磋琢磨が続いていくんだろうなと思います。でもやりがいはめちゃめちゃあります。

 ――どんなときにやりがいを感じますか。

 爪にコンプレックスを抱えているお客様が、ケアをしてきれいになった爪を見て喜んでいらっしゃるときです。

 ――どんなお悩みの方が多いですか。

深爪や噛み癖のある方がよくいらっしゃいます。わたしも子どもの頃から噛み癖があって、ちょっとでも伸びると気になって噛んでしまい、爪がボロボロでした。フレンチレストラン時代もずっとそうでした。でもネイルと出会ったことで、手元に自信が持てるようになりました。そんな経験をお客様にお伝えすると、お客様も自信を持たれることも嬉しいです。

この道で間違いではなかったと自信を持って言える

妻はサロンでの話を楽しそうに聞いてくれて「いい職人になれてよかったね。あなたは人に恵まれているね」といつも応援してくれています。

――転職してよかったことは?

新しい世界を知れたことです。まったく美容男子ではなかったんですが、ネイル業界に足を踏み入れたことで美容業界全体に興味が湧きました。女性がネイルに限らず肌や髪にも手をかけることが理解できるようになり、ちょっとずつ実践もしています。

プラモデルや粘土細工で鍛えた手先の器用さが、まさかネイルに活かせるとは。自分でも思いもよらない道の開け方でした。どこにどんな出会いがあるか分かりませんね。

――転職活動を振り返ってどんな経験でしたか。

門を叩いたら女性の職場だった。わたしは男だ、どうしようとデメリットばかりに目がいってしまい尻込みしてしまうこともありました。でもトントンといい引き込みをもらえて、そこに見出せるものがあるのならと自分を信じて突っ走りました。いまはこの道で間違いではなかったと自信を持って言えます。僕はラッキーボーイですよね(笑)。

――では男性ネイリストを目指す方にメッセージをお願いします。

女性が多い業界なので、もしかしたら肩身の狭い思いをすることもあるかもしれません。でも時代が後押ししてくれるようないい追い風が吹いていると感じるので、ぜひ門を叩いてほしいです。一緒に盛り上げていきましょう。

――女性が多い業界を渡り歩くための処世術みたいなものはありますか。

謙虚さでしょうか。男だからとか、自分が自分がではなく、これまで女性が築き上げてきた業界にお邪魔させてもらうという姿勢で臨むといいかもしれません。そのほうが男性ネイリストとしても、ネイル業界全体としてもより発展できて、いい未来になると思います。

Junさんが男性ネイリストに転職できた理由は

1.元々手先が器用だった

2.「これは面白そう」と考えすぎずに飛び込んだ

3.就活がうまくいかなくても「ここまできたらやるしかない」と突っ走った

プラモデルや粘土細工で鍛えた手先の器用さで、男性ネイリストに転職したJunさん。その美しい手先で、爪に悩みを抱える方に自信を持たせる存在です。

撮影/森末美穂
取材・文/永瀬紀子


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