セラピストの業務委託とは?収入アップの方法や契約時の確認点も押さえよう
セラピストとしての働き方のひとつに「業務委託」があり、効率よく稼ぐチャンスが広がります。しかし、業務委託で働くことには、いいことばかりではなく注意点もあります。
そこで今回は、業務委託の仕組みや業務委託セラピストが収入アップを目指す方法、契約時に確認すべきポイントなどをわかりやすく解説します。
セラピストの業務委託とはどんな働き方?

はじめに、セラピストの業務委託とはどのような働き方なのかについて解説していきます。
個人事業主としてサロンと契約する働き方である
「業務委託」とは、セラピストが個人事業主としてサロンと業務委託契約を交わして働く歩合制の働き方です。
施術した時間やオプションなどに応じて働いた分がしっかりと給料に換算されるので、正社員やほかの働き方よりも収入が多くなるケースがあります。
社員として契約しているわけではないので、勤務時間などは基本的に自分の希望に合わせて設定することが可能です。
勤務する場所は契約したサロン
業務委託の場合、勤務場所は契約先のサロンになるので、改めて個人サロンを開設する必要はありません。なお、サロンの従業員ではないため、労働基準法は適用されません。
開業届の提出や確定申告が必要!
業務委託契約を結んでサロンで働く場合は、従業員ではなく個人事業主としての契約となります。個人事業主として働く際は、開業から1カ月以内に税務署へ開業届の提出が必要です。
また、開業届を提出する際に青色申告の申請をすることも可能です。白色申告に比べ帳簿付けは若干複雑になりますが、青色申告特別控除や赤字の繰り越しなどのメリットもあります。
このような開業時の届出のほかにも、経費などの帳簿付けや確定申告など、会社員としてサロンに雇われていた頃にはなかった仕事が発生します。
引用元
国税庁:No.2070 青色申告制度
国税庁:個人事業の開業届出・廃業届出等手続
雇用契約との違い
社員やパートとして働く場合、勤務先となるサロンと雇用契約を結んで働きます。その契約にもとづいて決まった時間勤務し、働きぶりや時間に応じた給料が支払われるという仕組みです。
一方、業務委託の場合は、雇用契約ではなく「業務委託契約」を結びます。収入は、自分が担当した施術の売上のうち何割かを報酬として受け取る「歩合制」であることが多く、固定給や時給ではない点が雇用契約との大きな違いです。
セラピストとして業務委託で働く4つのメリット

業務委託は、雇用関係とは異なりサロンと対等な立場なので、自分のライフサイクルに合わせた働き方をしやすいことが特徴です。さらに、個人事業主なので仕事関係の出費を経費にすることも可能です。
そこで、セラピストが業務委託で働くと具体的にどのようなメリットがあるのか、以下で見ていきましょう。
1. 歩合制で収入が高くなる可能性がある
業務委託の報酬は、歩合制を取り入れているサロンが多いです。そのため、多くのお客様に施術を行い指名をたくさん取れれば、それだけ報酬に反映されます。
サロンによっては、技術の向上によって歩合が変化したり、指名料が還元されたりする場合もあります。
そのため、勤務した時間や日数に応じて固定月給や時給で給料を受け取る場合より、高収入を狙いやすいでしょう。
また、セミナーへの参加や書籍の購入など、業務に関連する出費を経費として計上することができるため、結果として節税となり、手元に残るお金が増える可能性もあります。
2. 自分の都合のよい時間に働ける
基本的に、自分の都合のよい日程で働くことが可能です。契約先との事前の打ち合わせは必要ですが、実際の就業時間帯などは、自分の都合で決めやすい利点があります。自分のライフスタイルに合わせた働き方ができ、自分の仕事時間を管理することができます。
3. 施術業務に集中できる
サロンの従業員として働く場合、毎日のサロンの清掃や、後片づけといった雑務もこなすことがほとんどです。業務委託の場合は、サロンの従業員ではないので、基本的に施術以外の雑務を任されることがほとんどなく、お客様への施術に集中することができます。
4. 仕事に関する出費を経費として計上できる
業務委託契約は個人事業主として働くので、仕事に関係する書籍などの多くは、経費として計上することが可能です。具体的には、以下のような経費を計上できます。
・レンタルルーム代
・店舗賃貸(事業用部分)
・ホームページ作成・広告料
・セミナー参加費
・セラピスト関連の書籍
・交通費
・精油・オイル購入費
・イベント出店料
・チラシ・名刺作成費
一方で、事業とは関係ない生活費や所得税・住民税、医療費や保険料などは経費としては計上できません。事業と関係のある支出が経費になると考えておきましょう。
セラピストの納税については、以下の記事でも詳しく紹介しています。
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セラピストでも確定申告は必要? お得に納税する方法をお伝えします
セラピストとして業務委託で働く3つの注意点

メリットの多いセラピストの業務委託ですが、個人事業主や歩合制だからこその注意点もあります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1. 福利厚生がない
正社員や契約社員、一定条件を満たしたパートやアルバイトの場合は、雇用している会社で社会保険や雇用保険への加入手続きを行います。
業務委託の場合は、サロンが個人事業主であるセラピストへ業務を委託している形になるため、従業員として雇用保険や社会保険に加入することができません。賞与などの特別手当も、従業員ではないため支給されません。
社会保険や国民健康保険への加入は自分自身で行わなければならず、個人事業主本人の場合は雇用保険に加入できない点に注意しましょう。
2. 収入が不安定になりやすい
業務委託は歩合制なので施術した分が収入に反映されますが、季節やその日の天候などによってお客様の入りが異なります。いつも同じ金額を稼げるわけではなく、収入に波があることが多い点は注意しなくてはなりません。
指名が取れないと収入が落ちるケースもあります。
3. 確定申告をしなければならない
サロンに雇用されている従業員の場合、毎年年末に会社側で年末調整を行ってくれます。医療費控除を行う場合や副業で稼いでいる場合などは、自分で申告することになりますが、基本的には面倒な税金の手続きは自分で行う必要がありません。
一方、業務委託(個人事業主)の場合、自分で毎月の収支や経費などすべてを管理し、毎年税務署に確定申告しに行かなければならないという点に注意が必要です。
業務委託セラピストとして収入を上げる方法

業務委託のセラピストは自由度の高い働き方ができる反面、収入は安定しづらく、思うように稼げないこともあります。では、収入アップのためにはどうすればいいのでしょうか。
セルフブランディングによる集客力の向上
業務委託セラピストとして収入を上げるには、セルフブランディングが欠かせません。たとえば、SNSで施術実績や強み、豆知識を発信したり、お客様の声や日常の様子を紹介したりすることで認知度を高められます。
他のセラピストとの差別化を図り、ファンを増やして、「この人に施術してほしい」と思ってもらえるようなセラピスト像を目指しましょう。マイナス印象を避け、自分の価値を高めるような情報発信を行うことが、集客力アップにつながります。
知識の拡充と施術技術の向上
知識量や技術力がアップすれば、できる施術の幅が広がり、自分の価値もいっそう高められます。対応できるメニューが増えればより多くの顧客のニーズに応えやすくなり、新規顧客の獲得や客単価の向上も見込めるでしょう。
指名客・リピーターを増やす
ここまでのように集客力やスキルが高まれば、おのずと指名が増え、リピーターもついてきます。
顧客のニーズを正確に把握して施術で応えることに加え、丁寧な接客を行うことも重要です。コミュニケーションの取り方・気づかい・アフターフォローなどにより、継続利用につながりやすくなります。
複数のサロンと契約する
契約するサロンを増やせば、収入源が広がり、仕事量も安定しやすくなります。サロンごとの客層や繁忙期の違いを考慮しながら契約することで、効率的に働きながら経験や人脈も広げられるでしょう。
ただし、どの日時にどのサロンに出勤するかなどの管理は大変になる可能性があるので、注意が必要です。
業務委託契約を結ぶときのチェックポイント
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セラピストの業務委託契約では、自分が不利にならないよう内容を必ず確認しましょう。チェックすべき点は以下のような項目です。
チェック項目 |
内容の例 |
業務内容 |
担当する施術・業務範囲 |
契約期間・更新について |
契約終了日・自動更新の有無 |
報酬条件 |
計算方法・歩合率・支払い日 |
経費の範囲 |
消耗品や交通費の負担先 |
責任の範囲 |
トラブル時の対応責任 |
契約解除について |
解約条件・違約金の有無 |
特に、報酬や契約解除条件は収入に直接関係する重要なポイントです。
また、サロンによっては独占契約を結び、他サロンとの契約を禁じている場合もあるため、事前に必ず確認しましょう。
セラピストとして業務委託で働ける職場を探すには「リジョブ」がおすすめ

セラピストの募集情報を探す方法のひとつに、求人サイトの利用があります。正社員やパートはもちろんのこと、業務委託の募集も求人サイトで探すことが可能です。
求人サイトに掲載されている求人のなかには、雇用形態として「業務委託」を選べるサイトもあります。
そのほかに、働きたいと思っているサロンがある場合は、そのサロンの公式ホームページを確認したり、直接問い合わせたりする方法もあります。
なお、求人サイトを利用してセラピストの仕事を探す場合は、美容・リラクゼーション関連に特化した求人サイト「リジョブ」がおすすめです。
幅広い職種を取り扱う求人サイトにもセラピストの求人は掲載されていますが、特定の分野に特化した求人サイトでは、より希望に沿った求人を探しやすいという特徴があります。
リジョブでは美容に関連した検索条件が充実しているため、自分の希望条件を複数選択して求人を絞り込むことで、理想の求人が見つかるかもしれません。
リラクゼーションサロンがいいのかエステサロンがいいのかなど、勤務先の施設形態を指定しての検索や、雇用形態を「業務委託」に指定しての検索も可能です。
業務委託セラピストとして活躍しよう

業務委託セラピストには、時間の融通がききやすい・施術数が収入に反映されるなどのメリットがあります。その一方で、雇用契約に比べて収入が不安定だったり、福利厚生が受けられなかったりするといった点には注意しなければなりません。
業務委託として働くことのメリットと注意点の双方を理解したうえで、自分に合った働き方を見つけ、活躍を目指しましょう。収入アップの手段も、できることから実践していただければ幸いです。
なお、美容・リラクゼーション関連に特化した求人サイト「リジョブ」では、業務委託のセラピスト求人も豊富に掲載しています。自分に合った求人がないか、ぜひ一度チェックしてみてください。

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