若い人が活躍できる美容業界に 独立を目指すあなたへ vol.10【GARTE ATSUTOSHIさん】#1

いつか独立して自分のサロンを持ちたい。そう考えている人に向けた本企画。一足先に独立して活躍されている方の経験談をお届けします。今回は、「若い人が活躍できる美容業界を創っていきたい」と刻々と進化を続ける「GARTE」のATSUTOSHIさんが登場。

前編では、ATSUTOSHIさんが22歳の若さでヴィダル サスーン サロンシップのモデルサロン代表として独立人生をスタートさせた経緯から、現在の「GARTE」を創り上げるまでについて、詳しくお伺いしました。

実力が認められ、サスーン モデルサロンの代表に

「GARTE」代表 ATSUTOSHIさん

――もともと独立志向はなかったそうですね。

なかったです。お店を持ちたいとは特に思っていなかったです。でも、働きたいと思える店もなかったんですよね。イギリス留学前へはアシスタントとして働いていたお店を辞めて行ったんですけど、そこを超える働きたい店がなくて。むしろ、帰国したらどうしよう…と思っていました。

――それなのにどうして独立を?

イギリスにサスーン留学をしていた時に、ヴィダル サスーン サロンシップのモデルサロンを代表としてやってみないかと声をかけられたことがきっかけです。『若い子たちが活躍できる業界を創っていきたい』という、僕に声をかけてくれた方のその思いにとても共感して。

最近では若くても活躍する人がポツポツと出てきてはいるんですけど、ちょっと前までは、大御所の方たちしか活躍していない業界だったんですよね。美容学生の時から「なんでこんなに変わらないんだろう?」と思っていたので、声をかけていただいた時に「一緒に若い子たちが活躍できる美容業界を創っていこう!」と決意しました。それで日本の出資者を紹介してもらって、お店を出すことになったんです。

――この段階では一般的な独立とはニュアンスが違うんですね。

そうですね。かなりレアタイプの独立だったと思います。人を雇うとか、材料の選定、仕入れとか、営業時間とかは全部僕が決めるけど、資金だけは出資者の方が出してくれる。帰国後、お店を始めてすぐはぜんぜん売り上げがなかったので、本当に申し訳なくて。その頃は100日間連続で勤務したりしていました。

―軌道に乗ったきっかけは?

SNSですね。24才の頃かな。この頃はアシスタントも辞めていて僕一人だったので、安い単価で細かくやっていては回せないなという状況で。高単価メニューをやっていかなければだめだと思って『根本は紫、毛先は白』というスタイルを発信したんですよ。

その頃って、美容師でSNSをやっている人がほとんどいなくて。これが今でいうところのバズったんです。その頃、ホワイトカラーができる人は僕ぐらいだったんじゃないか、っていうくらい少なかったのもあって、そこから予約が激増しました。

――その後、完全独立までの経緯は?

まず、24才の時に今の場所にお店を移すタイミングですべて自己資本に切り替えました。そして、留学経験者でなくても採用できるようにしました。今の時代、奨学金を借りて美容学校を出ている人も多いんで…。僕が作りたいのは若い人が活躍できるお店なので、やる気のあるいい人はしっかり採用したかったんです。

4年前、渡英経験者のみ3~4人ではじまったこのお店ですが、来年度からはこの店で育った第一号の子たちが活躍し始めますよ。

「辞めたくない」と思えるサロンにするために

―オーナーになってよかったことは?

若い子たちが実績を積み上げていくのを身近で見られる、サポートできるということですかね。頑張っている人に、しっかりとお給料を払う。僕がいくら給料をもらうかではなくて、スタッフがいくら給料をもらうか、僕が給料をいくらあげられたかが、僕にとってのやりがいなんです。例えば、22才の2年目のスタッフが40万円越えのお給料になっていたとか、No.2の美容師が僕の給料よりも高いときがあるとか。これは僕にとっての誇りですね。

――福利厚生も充実しているそうですね。

給料が少ないとか福利厚生がないとかって、結局、離職につながるわけじゃないですか。完全週休二日制、社会保険完備は当たり前のことなんです。「そこからさらに何を与えられるか」を考えるのが僕の使命だと思っています。例えば、食事代を浮かせられるよう「白米食べ放題」にしたり、体が資本なので「ジム会費月額一万円負担」にしたりしました。もちろん、練習を見てほしいと言われれば、夜だろうが何だろうが見ますよ。

――その発想はどこから?

僕はいつも、スタッフの声に耳を傾けています。厚生年金は、個人事業主時代にスタッフに「なんで入らないんですか?」って聞かれて、「スタッフが嫌なんだったら」と加入しましたし、「白米食べ放題」はお金のないスタッフ達を見ていてお金以外の方法で何かと考えた結果ですし。スタッフを見てどう良くしていくか、というのが僕の柱ですね。

――経営には影響が出ないですか?

スタッフが辞めたくないお店を作った方が、お店はもうかるんですよね。将来の利益をとるか、目先の利益をとるか、なんですけど。数年で辞められるよりも、しっかりと給料をあげて、サポートもして、辞めたくないサロンを創らないといけないと思うんです。むしろ、僕がスタッフに還元することで、スタッフのモチベーションが上がって、その成長でスタッフが僕に還元してくれるという感じ。僕自身はあまりお金に執着がないのでそんなに給料はいらなくて。だから、出た利益はお店を大きくする時のために会社に貯めます。

独立のその先のために考えておくべきこと

「若い人が活躍できる美容業界に」という夢に向かって目まぐるしく進化を続けるATSUTOSHIさん。そんなATSUTOSHIさんにとって「独立」とは何か。そして、進化の先に目指すものとは? その行動力の根っこにある信念を教えてもらいました。

1.何のために独立したいのか

2.何年続くお店を創りたいのか

3.未来に残したい夢があるか

後編では、「GARTE」にかける思いと将来像についてお伺いします。

▽後編はこちら▽
独立を目指すあなたへ vol.10【GARTE ATSUTOSHIさん】#2>>

取材・文:細川光恵
撮影:片岡 祥

Store Data

GARTE(ガルテ)

住所:東京都渋谷区神宮前4-26-27 神宮前細井ビルB1
URL:http://garte.jp/

求人数3万件!リジョブで求人を探してみる
この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事

近くの美容師求人をリジョブで探す

株式会社リジョブでは、美容・リラクゼーション・治療業界に特化した「リジョブ」も運営しております。
転職をご検討中の場合は、以下の地域からぜひ求人をお探しください。

関東
関西
東海
北海道
東北
甲信越・北陸
中国・四国
九州・沖縄