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学び・キャリア 2020-05-24

独立を目指すあなたへ Vol.11【LONESS 片山良平さん、本田治彦さん】 #2

オープン前に2年をかけて、お店のコンセプトや開業後のビジョンをしっかりと固めたという『LONESS』代表の片山さん、本田さん。2016年のオープンから、2018年の2店舗目の展開、そして現在までは「今のところ順調」だそう。

独立・開業の心構えを経験者から学ぶ本企画の後編では、開業後、今後の展開のためにお二人が大切にしていることをお伺いしました。

「自分がやらなきゃ」を切り離して「みんなのために」へ

本田さん(以下敬称略):これまで独立してきた方って、自分が一番頑張らなきゃと思っていた人だと思うんですよ。売り上げが一番高かったり。そうすると、どうしても営業がベースになっちゃう。僕らも最初1年くらいは、どうしても「自分たちがやんないと」と思っていたんですよ。でも、お店を持ってスタッフを抱えるということは、自分が一番の売上じゃなくていいんです。

「売上を上げられるから尊敬される人」から「みんなを統率できるから尊敬される人」にならなきゃいけない。それをどれだけ早く切り替えられるかが大事な気がします。みんなのために、みんながよくなるためにどうしていけばいいのか。そういう頭にいち早く切り替えられた人の方がお店はもっとよくなるし、大きくなっていくのかなと。

――現場から離れていくということですか?

本田:自分でも腕上がらなくなるまで切りたいとは思っているんで、僕を指名してくれる人がいる限り、やりたいなとは思っています。でも、お店を持つっていうのは、自分の城を作りたいわけじゃない。僕は、『LONESS』っていう、みんなが夢をもって入ってこられるみんなのお城を作りたかった。なので、そこで頑張ってくれているスタッフは、自分の子どもみたいなんです。その成長を見られるのが自分の幸せになってきています。

片山さん(以下敬称略):お店を「自分の」って思っちゃだめだと思うんですよね。そう思っちゃうと、カタチがねじれていっちゃう。本田が言ったように、みんなのお城。たまたま僕らがそれを統率しているだけ。トップって変わっていくじゃないですか。そうであってもらいたいなと。だから、みんなが自分のお店だと思う意識が大切だと思うんです。

密な『コミュニケーション』で『チームワーク』をつなげていく

――スタッフみんなが「自分のお店」だと思って働けるように、今していることってどんなことですか?

片山:トップダウンではなく、スタッフの意見を吸い上げて調和させながらまとめて舵取りをするということですかね。そのために一番大切にしているのは、僕らがスタッフとのコミュニケーションをしっかりとるっていうことですね。一人一人に割く時間をすごく多く作っています。気になることがなくても。気になってからじゃ遅いと思うんですよ。普段から声かけて最近どうなの? って聞いて、「ちゃんと見てるよ」というのを体現するというか。

僕らが密なコミュニケーションをとっていると、下の子たちも同じようにやるようになるんです。僕らの仕事って、お客様もスタッフも、人と人がつながる仕事だと思っているんで。スタッフ同士もちゃんとつながっておかないと上手くいかないんですよね。

本田:美容室って、スタイリストそれぞれが個人商店みたいになりやすいんです。何のために『LONESS』というグループにいるのか、アシスタントを下につけてやっているのか、その意味を考えてほしくて。どうやったらみんなでチームとして快くやれるか、というのを高めるために合宿をしたりもしました。

片山:人として、だよね。人としてどう成長するか。美容師って、技術だけじゃなくて、人間力・コミュニケーション力もすごく重要なんですよ。好きで始めた楽しいはずの美容師という仕事も忙しかったりすると、楽しさを忘れちゃったりするんです。でも、人間力が上がれば、楽しめる。そこを底上げするための合宿でしたね。

――スタッフの意見を吸い上げるって、具体的にはどうしているんですか?

本田:例えば「どうやってテンションを上げる朝礼をするか」みたいな色々な決定事項も、各店それぞれみんなで出し合って、いいものを作ってみんなでやって行く、というスタイルをとっています。自分たちで決めたことだから、それは絶対に成功させてほしいというスタンスですね。トップダウンよりも、自分たちがミーティングで決めたことの方が、みんな楽しんで自分の事としてちゃんとやれるんですよね。

片山:これから日本は少子化でどんどん人口は減っていくわけじゃないですか。人口が減っても強いところにお客様は集まる、弱いところはなくなっていく。マンパワーでやっていける時代は終わっていて、チームとして組織として大きくしてお客様を獲得していかないと負けてしまう時代なんだと思うんですよね。だからこそ、人を育てて、チームワークを築くことが大切だと思ってます。

『LONESS』の意思を継ぐ人を増やすことが成長の鍵

――『LONESS』のお二人が考える教育って?

片山:伸びてる人たちの底上げをしていかないといけないと思ってます。一番下から底上げするやり方だと、伸びている上の子たちは自分たちのことは見られていないと思っちゃうんですよね。エースだから、順調だから放っておいても大丈夫、じゃないんですよ。人間ってみんな、褒められたら嬉しいじゃないですか。それを体現することで、その子たちが下の子たちを引っ張っていってくれる流れを作っていかなければいけないと思っています。

――細やかなコミュニケーションが基本なんですね。

片山:そう。なので、お店の大きさも最初からある程度決まっていたんです。大きいお店じゃない、30~50坪くらいでメンバーがMaxで20人入るくらい。20人単位なら少数のうちに入るので、しっかりコミュニケーション取って育てて行けるかなって。これも最初のビジョンの中に入っていたこと。二人で見られる人数も限られてますよね。でもそれが、僕らの意思を継ぐ人が3人、4人って増えていくともっと大きくなれる。

美容室って売り上げが上がればお客さん一人にかけられる時間って短くなる。でも、その短い時間にリターンさせるコミュニケーションをとらなければいけない。そこがお店を大きくしていくコミュニケーションとイメージは一緒ですね。人数が増えれば一人に充てる時間は少なくなりますけど、その少ない中でも密にコミュニケーションをとっていけるような僕らじゃなくちゃいけない。僕らの下に今いる子が、そういうコミュニケーションをとれるようになっていくともっと強いお店になると考えているんです。

――一人ひとりとの密なコミュニケーション。お忙しい中、難しいことですよね。

本田:僕らって仕事する時間にミーティングする時間がないんで、どうしても営業前だったり、営業後だったりになりますね。でも最近は、営業を切ってミーティングする時間を設けてたりもしてるんです。その方がスタッフとコミュニケーション取りやすくなったっていうのもあるんで、これが結構大事だと思いますね。美容室もそういう風にやっていった方がいいなと最近すごく思います。もちろん売り上げは下がるかもしれないですけど。

片山:その日の売り上げは下がるかもしれないけど、後の売り上げにはつながるよね、たぶん。って、信じないとね。

――オープンから5年目ですね。今後の展開についてはどう考えていますか?

片山:今のところ計画通りですね。ここからかなという感じですね、10年先までオープンの前に考えていたので。10年経つと20歳で入ってきた子が30歳になるじゃないですか。結構、変わりますよね。そうすると、そこから先って見えないことが出てくるんですよね。想定外のことが起きたりしてくると思うので。ここから先の5年というのは、その時までにいろいろな情報を集めたりしていかないといけないし、変化にしっかり対応できるように上が柔軟じゃないといけないのかなと思っています。

独立を目指すあなたへ

「『ビジョンをちゃんと持つこと』が大事です。今って選択肢はたくさんあるので、『独立』が本当に自分が求めているビジョンなのか、というところをちゃんと見据えることが大切。ビジョンも見えずに独立したいというのは、ただ自由になりたいだけなんじゃないかな。お店をやるということは他のスタッフを抱えるということなので、自由じゃないんです。いろんな責任も増えるし。それをしっかり考えた上で、自分がどういう風になりたいかを思い描いてみてください。」(LONESS 代表 片山良平さん)

「目の前のちょっとした甘い汁を吸いたいだけなら、独立するのはやめた方がいい。美容師って最初は低賃金で、売れるようになると一気に給料が上がる。けど、お金を追うだけだったら、独立なんてやめた方がいい。自分の幸せもそうだけど、自分のことよりスタッフの幸せを願える人じゃなきゃいけないなと。でもそうしたら、自分も幸せになれるんですよ。」
(LONESS 代表 本田治彦さん)

▽前編はこちら▽
独立を目指すあなたへ Vol.11【LONESS 片山良平さん、本田治彦さん】 #1>>

取材・文:細川光恵
撮影:高嶋佳代

Store Data

LONESS【ローネス】

住所:東京都港区南青山3-15-6 ripple square D 2階
TEL:03-5413-7928

LONESS ginza【ローネス銀座】

住所:東京都中央区銀座7-3-8 銀座七丁目プレイス2F
TEL:03-6228-5733
URL:http://loness.jp/

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