本当に欲しい人材って? 採用担当のホンネ【PearL MATSUさん】#1
「こんなスタイリストになりたい!」という理想をかなえるには、技術を磨く努力はもちろん、経験の積み重ねがものを言います。その体験の場となるのがサロン。そこで、人気ヘアサロンの採用担当者に、求めている人物像を直撃しました。さらなる高みを目指している人を応援します!
今回はPearLで採用を担当している代表のMATSUさんに採用にまつわるホンネをうかがいます。
今回お話しを伺ったのは…
PearL 代表 MATSUさん
PearL代表。スタイリスト歴20年以上。青山のANTIでトップスタイリストとして活躍後、2014年にPearLをオープン。スタイルのテーマは、「ライフスタイルにプラスαを」。趣味はビール、珈琲、読書、カニカレー、ハワイなど。1人ひとりに合わせたパーソナルな施術で幅広いお客さまから支持を得ている。
「求める人材は、自分の言葉を持っている美容師」
――まずは、PearLについて教えてください。
PearLは店名のとおり「PearL」をコンセプトに設定しているサロンで、コンセプトを詳しく説明すると、パールはひと粒でも輝いているので「個を輝かせる」を掲げています。また、つながってアクセサリーになるとさらに美しい宝石でもあるので「輝きのあるつながりを作る」もサロン全体で大切にしているポイントです。目の前の方を輝かせるかつ、お客さまの友達や家族もよろこぶスタイルを作ることを常に意識しています。
――採用では、どのようなことを意識しているのでしょうか?
成長できる美容師かどうかを見極めるために、「物事を自分の問題としてとらえる力があるか」をチェックしています。時折、会話をするなかで「誰かのせいにする癖がある」と感じる学生を見受けることもありますが、それではいつまで経ってもスキルが伸びることはありません。「何が悪かったのか?」と自分の問題として受け入れて、改善する力はとても大切です。
――次に、採用のステップについて教えてください。
ステップは書類選考と面接の2つでサロンワークを行うこともあります。書類選考では、履歴書と自己アピールの作文を送ってもらっており作文の内容は完全に自由です。
いただいた作文を読んでいると、自分の言葉ではなくネットに載っているフォーマットに当て込んだような文章があり、正直に言うと「少し寂しいな」と。美容師にとって自分の言葉で話すことは必須の能力ですからね。
当たり前ではありますが、お客さまは1人ひとり違いますからテンプレートの会話で乗り越えることはできません。フォーマットの作文を書いてしまう学生は「美容師スキルがない」という印象を与えてしまい「もったいないな」と感じていますね。
また、先ほど言ったとおり「誰かのせいにする性格」というイメージを持たれてしまう可能性もあります。もし、自分の言葉で書いて不合格なら落ち込むと思いますが、フォーマットを使えば、それのせいにできますからね。
私は、下手な文章でもよいので自分の言葉で書いている学生のほうが会いたくなります。ちなみに新卒の場合はほとんどが面接に進みますが、中途採用の場合はかなり厳しく書類をチェックしていますね。
――「中途採用の場合は厳しく書類をチェックしている」とは、どのようなポイントを見ているのでしょうか?
就職活動の真剣さを確かめるために、実際にPearLに足を運んでいるかを確かめています。中途採用の面接で以前のサロンについて聞くと、「お店の雰囲気が合わなかった」や「お客さまの層がマッチしなかった」という声をよく聞くことがあり、本当にそうであれば実際にサロンを訪れて自分の目で確かめてから応募するのが普通です。
そのため、書類だけ送ってくる美容師は「本気ではないな」と。ちなみに、新卒の採用ではサロン見学の有無はそれほど重視していません。しかし、50%の学生割を設定しているので学生さんが来店しやすい体制は整えています。
次回は、面接でチェックしているポイントやMATSUさんが採用を決めた人材をご紹介します。
▽後編はこちら▽
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