「バチ指」スタイリストとして一躍有名に。コンプレックスを武器にした投稿が話題【スタイリスト 吉田彰吾さん】#1

SNSでの発信が当たり前になった美容業界。採用に向けてSNSアカウントを聞くサロンも増え、その活用方法が就職活動に与える影響も大きくなってきました。そこで本企画では、就活に効果的なSNSの活用法について、熟練者へのインタビューを通して学んでいきます。

今回は、愛知県名古屋市にてスタイリストをしている吉田彰吾さんにインタビュー。肥厚性皮膚骨膜症(ひこうせいひふこつまくしょう)という、指先が広くなってしまう持病を抱えている吉田さん。SNSでは自身の疾患をポジティブに発信し、大きな反響を呼んでいます。

前編では、吉田さんが自身のコンプレックスをSNSで発信することにした経緯や想い、さらに注目されるまでの背景について詳しくお聞きします。

お話を伺ったのは…
スタイリスト 吉田彰吾さん

地元・愛知県名古屋市にてスタイリストデビュー後、スタイリスト歴は10年。その後独立し、今年11月にサロン「grip」をオープン。SNSでは、自身の病気でもありコンプレックスとする指を「バチ指」として公開したところ、大きな注目を集め、SNSの総フォロワー数は現在30万人を超える。(2024年11月取材時)

インスタグラム

TikTok

コンプレックスを公開したことが、注目されるきっかけになった

――SNSを始めた時期を教えてください。

サロンに入社して、アシスタント時代からInstagramをスタートしました。でも、当時は流行りだから「とりあえずやっている」ような感覚で…

熱量はそこまでなく、プライベートと仕事を混同した投稿が中心。今ほどSNSが流通していなかったので集客ができるとは思えなくて。その数年後、まさか自分がSNSで多くの人に知ってもらえることも想像していませんでしたね。

――では、多くの人に知られるようになったきっかけは?

自分のコンプレックスでもあった「肥厚性皮膚骨膜症」をテーマに、投稿したことがきっかけです。

――コンプレックスを打ち出した経緯をお聞かせください。

SNSが徐々に世間に浸透し始めてきた頃が、僕がスタイリストデビューしたタイミングでもあり、本格的に取り組むことにしたんです。でも、SNSを始めているスタイリストは増え続けている状態。たくさんの人の中から見つけてもらうには「差別化」が必要だと思ったんです。

そこで、周りと違うことを考えて思いついたのがコンプレックスである指を公開すること。差別化をする以外にも、僕のような病気はあまり知られていないことから「正しい知識を伝えたい、理解してもらいたい」という気持ちもありました。

――どのような内容だったのでしょう?

反響があった動画の一コマ。肯定や批判などさまざまな意見が寄せられたのだそう。

動画はこちらから>>

「僕と同じ指の人はいますか?」と、問いを投げかけている内容の動画でした。

共感する人、驚く人…思っていた以上に反響が大きかったのを覚えています。それから各SNSにも同じ動画を編集して配信したところ、徐々にフォロワーや再生回数が上がっていきました。

コンテンツ内容を仕事へシフト。徐々に要素を散りばめて自然に

――ご自身のコンプレックスを公開したところ、伸びていったのですね。

指についての反響はありがたかったのですが、肝心のスタイリストとしての僕へのスポットライトを当てるタイミングが掴めなくて悩んでいました。

――どのようにしてシフトを?

指の構造的に先端に力が込めやすくヘッドスパが得意だったり、特注のハサミを使用している話をしたり…指に対する質問や意見に、少しずつ仕事の様子を盛り込みながら答え、徐々にシフトしていきました。

――「少しずつ」シフトしていくことがコツなのでしょうか。

もともと見ていたコンテンツに興味がある場合、急に違う角度の内容に変更してしまったら離れてしまうと思ったんです。これは僕だけではなく、ほかの人にも通じることだと思っていて。例えば、「カラーリングの動画」がバズったスタイリストがいたとして、急に「カットの動画」を上げたらどうでしょう? カラーリングが良いと思ってフォローした人は離れてしまうかもしれません。

大事なのは、もともとのフォロワーを置き去りにせず、自分が打ち出したい本当の強みを新しい要素として「少しずつ」盛り込んでいくことだと思います。

同じ病気の人とつながれたことがモチベーションになった

コンプレックスを逆手に取り「バチ指でめちゃくちゃ遊ぶ男」として、様々なチャレンジをしている吉田さん。ユーモア溢れるネイルアートの投稿はフォロワーが注目しているポイントのうちの一つ。

――SNSをやっていて感じたメリットをお聞かせください。

一番は、指の病気について理解してもらえたこと。僕の病気は国内に100人もいないため、同じ病気の人との情報共有ができるのはとても良かったです。病気について共有できることで気持ちが保たれるというか…僕の日々のモチベーションにつながりました。仕事の面では、SNSを見た方から予約していただき、結果、集客につながったところもメリットだと感じます。

SNSは日常では得られない数の人たちとつながれるところが一番大きいメリットだと思います。

――普段接点がない人とつながれるのは、どちらにしてもメリットですね。

僕の場合は、病気の情報共有や共感する人とのつながりがメリットに感じましたが、SNSのフォロワーが多いこと自体、とても強みになると思います。自分の味方の数が多ければ多いほど、新しいことに挑戦しやすいでしょうし。

僕個人の活用方針としては、これからも同じ病気の人とつながったりスタイリストとしての僕を求める人に寄り添った活用をしていきたいです。

自分の強みや特徴をコンテンツ化するメリット3つ

1.コンプレックスに感じていることでも敢えて発信する

2.もともとものフォロワーは大切に、徐々に強みを盛り込む

3.同じ境遇の人と理解・共感を得ることがモチベーションになる

取材・文/東 菜々

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