ウリは技術!『hair salon Gallica』の成長を続けるサロン作りに迫る
スタッフの幸せから考える経営により人気店に成長した『hair salon Gallica』。高い再来率の秘密について「20代後半から30代前半と、ターゲットの年齢をある程度限定していることが理由のひとつです」と、代表の中村さん。他にも、『hair salon Gallica』がお客さまから厚い支持を得ている背景には、いつの時代でもニーズがあるサービスの提供や、言葉使いを大切にしたチーム作りがありました。
後編では、リピート率を高める方法などに迫ります。
どの時代でもニーズのあるサービスをご提供
————リピートを生むために、どのようなことを大切にしているのでしょうか?
「リピートを生むためには、まずはお客さまとサロンのミスマッチをなくすことが大切です。わかりやすくたとえると、ファーストフードを食べたい方が高級店に行ったら満足できませんよね。『ミスマッチ』を生まないために重要なことは、『どんなお客さまにご来店していただきたいか』と『何をご提供するのか』の2つがあります。
まず、『どんなお客さまにご来店していただきたいか』について説明すると、『hair salon Gallica』がターゲットにしているのは、お悩みを抱えている方です。業界を見ていると、カラーなどの流行で押しているお店がありブームの時は成果を上げていますが、それが過ぎてしまった時にはサロン自体も勢いを失ってしまいます。
一方、『髪の毛の状態をよくしたい』という気持ちは、いつの時代でも共通して抱えている問題です。そのため、時代に流されることなく安定した経営が可能になります」
品質を安定させるために、技術をウリにする
————次に「何をご提供するのか」について教えてください。
「当サロンでは、髪質を改善する『Gallicaオリジナルカット』をご提供しており、トリートメントなどの商材ではなく技術をウリにしている理由は、品質を安定させるためです。
商材を前面に出すと、商材をおすすめする営業力があるスタッフは成果が出ますが、それが苦手なスタッフは伸びないなど、スタッフの性格が売上に関わってきます。要するに、サービスにばらつきが出てしまう。
一方、技術はきちんと浸透させれば仕上がりに変化がありません。つまりベースのお客さま満足度は安定します。そこに、丁寧なカウンセリングなどの接客をご提供して、よろこびを足し算していくイメージです。
ちなみに、カウンセリングの講習では『アクティブ・ラーニング』を採用しています。『アクティブ・ラーニング』とは、指導を受ける側の能動的な学びを促す学習法です。僕たちも一緒に輪に入って、マニュアルに沿って何度も繰り返し練習をしています」
一定のペースで歩き続ける「20マイル行進」
————日々のサロンワークでは、どのようなことを大切にしているのでしょうか?
「常に注意を払っているのは、言葉使いです。僕は会話をしていて、その内容がうまく伝わらない時は、話している側にも問題があると思っています。たとえば、スタッフがミスをしたとした時に、『こんなこともわからないのか!』というのと、『僕たちの考えはこうだから、次からはこういう風にやってほしい』というのは、話している内容は同じです。
しかし、最初のほうは怒っていることしか伝わりません。内容は伝わっていませんから、おそらく同じミスを繰り返すと思います。
また、スタッフを名前で呼ぶことも意識しているポイントです。少し大きな話ですが、世界中で自分の名前を知っている人は本当に一握りで、名前で呼ぶ人はそのなかでもわずかだと思います。そのため、○○さん、○○君と呼ぶと『あなたは僕にとって、大切な存在です』と伝えることができる。ちなみに、お客さまに対しても同様に名前で呼んでいます」
————最後に今後の目標を教えてください。
「一定のペースで歩き続けていきたいと思っています。これは『20マイル行進』という考え方で『ビジョナリー・カンパニー』という本を読んで知りました。本のなかでは、南極点到達の話が出ていて『最新設備を備えたチームと、古典的な犬ぞりで挑戦したチームで、命を落とすことなく横断できたのはどちらか』という話でした。
答えは古典的なチームで、その理由の1つが一定のペースで歩き続けたからです。晴れだから多めに歩く、悪天候だから歩かないなど、状況に左右されずに毎日同じ距離を歩く。それが一番早くて、遠くまで行けます。
とくに調子がよい時ほど人は調子に乗ってしまいますから、常に自分を疑って、時代に流されずに、地道に歩き続けていきたいですね」
成長を続けるサロン作りの極意
電話予約を極力減らし、スタッフのストレスを緩和しているという『hair salon Gallica』。成長を続けるサロン作りの極意をまとめると、下記の3つでした。
1.いつの時代でもニーズがあるサービスをご提供する
2.技術をウリにして品質を安定させる
3.言葉使いを大切にして、チーム力を高める
集客をSNSに頼っていないという中村さん。「インスタの集客を成功させるためには、かなりの労力が必要だと感じています。それを美容師に強いるのは、かなりの時間とエネルギーを使わせてしまうと感じていますね」と、優しい表情で答えてくれました。髪質改善の技術に興味がある方、心地よい店内の雰囲気を感じたい方は、サロンに足を運んでみてはいかがでしょうか。
▽前編はこちら▽
まずはスタッフの幸せを知る。『hair salon Gallica』の経営術とは>>
Salon Data
hair salon Gallica
住所:東京都渋谷区神宮前3-32-1 SUNWISE 1F
TEL:03-6434-7484
URL:https://www.hair-salon-gallica.com/