薬剤師になるためにはどうすればいいの?社会人が薬剤師を目指すには
薬剤師は医療の現場で欠かせない専門職です。社会人から薬剤師を目指す場合は、学業に専念できる環境や資金計画も重要となるため、事前にしっかりと準備しておくことが求められます。
本記事では、薬剤師を目指すための基本的なルートや学費の目安、社会人でも目指せるのかといった疑問、さらに働きながら挑戦できる医療系資格について解説します。
薬剤師を目指すルートを紹介
薬剤師は国家資格が必要な職業で、医療現場や薬局で活躍するためには資格取得が必須です。6年制の薬学課程を修了し、国家試験に合格することで、薬剤師としての道が開けます。
ここからは、薬剤師になるための代表的なルートを見ていきましょう。
引用元
職業情報提供サイト(job tag)|薬剤師 - 職業詳細
厚生労働省|薬剤師国家試験
公益社団法人 日本薬剤師会|薬剤師を目指す方へ
1. 6年制の薬学課程を修める
薬剤師になるためには、まず6年制の薬学課程を修了することが必須です。薬科大学や薬学部のある大学に入学し、6年間かけて薬学の基礎から応用まで幅広く学びます。
この課程では、化学や生物学、薬理学、病態生理学などの専門知識を習得するとともに、実習を通して調剤や患者対応など実務スキルも身につけます。さらに、医療現場での実習や研究活動も含まれるため、理論だけでなく実践的な経験を積むことが可能です。
6年間の学びを経て初めて、薬剤師国家試験の受験資格が与えられます。
2. 国家試験を受験し合格する
6年制の薬学課程を修了した後は、薬剤師国家試験を受験し、合格することで正式に薬剤師の資格を取得できます。国家試験は年に一度実施され、薬学の幅広い知識と実務能力が問われます。
試験内容は薬学の基礎科目から臨床応用まで多岐にわたり、化学や生物学、薬剤学、病態薬理学、衛生薬学など、大学で学んだ内容を総合的に理解していることが前提です。また、問題形式は記述式や選択式が組み合わさっており、知識だけでなく論理的思考力や判断力も必要です。
ちなみに令和7年2月に行われた第110回薬剤師国家試験では、全体の合格率は68.85%、新卒者に限っても84.96%となっており、決して簡単に合格できる試験ではないことがわかります。
引用元
厚生労働省|第110回薬剤師国家試験の合格発表を行いました
薬学部の学費はどれくらい?
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薬剤師を目指すには6年制の薬学課程を修了する必要がありますが、学費も長期間かかるため、進学前にしっかりと把握しておくことが大切です。
国公立大学の薬学部の場合、授業料は年間約50万円前後が目安です。たとえば、東京大学や京都大学、大阪大学などの国公立大学では授業料は標準的な国公立料金で統一されており、比較的学費負担は抑えられます。ただし、生活費や教材費なども別途必要になるため注意しましょう。
一方、私立大学の薬学部は国公立に比べて学費が高額になる傾向があります。入学金は20万円前後が一般的ですが、年間授業料は100万円〜150万円程度が多く、6年間の合計で600万円〜900万円程度かかる場合があります。加えて、施設費や実習費、教材費などを含めると、総額では1000万円以上に達することも。
大学によっては奨学金制度や分納制度を設けている場合もありますが、特に社会人や自力で資金を準備する場合は、事前に学費全体をシミュレーションしておくことが重要です。
引用元
東京大学|入学料・授業料
京都大学|学納金の額一覧
大阪大学|授業料・入学料
名古屋市立大学|入学料・入学検定料・授業料(学費) | 入試情報
静岡県公立大学法人 静岡県立大学|入学料・授業料 | 入試情報
東京理科大学|初年度納付金(2025年度入学生)
東京薬科大学|学費(学部)|学費・奨学金制度|入試情報|受験生サイト
大阪医科薬科大学|学納金
社会人でも薬剤師を目指せる?
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薬剤師は国家資格が必要であり、取得には6年制の薬学課程を修了することが求められることは、おわかりいただけたでしょう。それでは、社会人として働きながら薬剤師を目指すことは可能なのでしょうか。
ここからは、社会人が薬剤師を目指す方法や条件について見ていきましょう。
薬剤師の資格取得は独学ではできない
前項で紹介したように、薬剤師の国家試験を受験するには、必ず6年制の薬学課程を修了している必要があります。独学では、薬剤師の国家試験を受験するための資格自体を得ることはできません。
そのため、社会人であっても、薬剤師になるには必ず大学や薬科大学で6年間の薬学課程を修める必要があります。この制約を理解しておくことが、社会人から薬剤師を目指す際の第一歩となります。
薬学部への編入はできる?
大学によっては、条件を満たせば薬学部への編入が可能な場合があります。編入できる学年や必要単位、成績条件は大学ごとに異なるため、希望する大学の募集要項を事前に確認しましょう。
社会人の場合は、学業と生活を両立させる必要があるため、時間のやりくりや学習計画をあらかじめ立てておくと安心です。また、在学期間や国家試験の受験スケジュールも考慮して、計画的に準備しましょう。
働きながら目指せる?
薬学部は原則として全日制で運営されており、夜間部や通信制の課程はほとんど存在しません。そのため、日中に仕事をしながら通学することは非常に難しく、学業に専念できる環境を整えることが不可欠と言えるでしょう。
社会人が働きながら薬学部に通うことは、通学時間や学習時間の確保が困難なため、現実的にはほとんど不可能といえます。
社会人が薬剤師を目指す際の注意点
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社会人が薬剤師を目指す場合、学業に専念できる環境や資金計画、生活面での調整など、事前に考慮すべき点が多くあります。6年間の薬学課程修了と国家試験合格が必須であるため、計画性なく進めると途中で挫折してしてしまいかねません。
ここからは、社会人が薬剤師を目指す際に注意しておきたいポイントを見ていきましょう。
1. 6年間通える資金を準備しておく
前項で紹介したように、働きながら大学に通って勉強するのは非常に厳しいです。6年間を学業に専念するためには、授業料だけでなく生活費も事前に準備しておきましょう。
授業料や教材費に加え、生活費や交通費も含めると、必要な資金はかなりの額になります。十分な資金が確保できない場合、学業に集中できず、途中で挫折するリスクもあります。
そのため、大学に通う前に必要な費用を見積もり、貯蓄や奨学金、教育ローンなども含めて計画を立てておくことが大切です。安定した学習環境を整えることが、社会人から薬剤師を目指す第一歩となります。
薬剤師になったあとの資金計画も立てておこう
6年間の学費や生活費を準備することはもちろん重要ですが、薬剤師になった後の資金計画もあわせて考えておきましょう。とくに奨学金を利用した場合は、卒業後に返済が始まります。
また、社会人としての経験があっても、薬剤師として新たに働き始めた際の給与は、新卒と同じ水準であることが一般的です。そのため、以前の収入より低くなる可能性もあります。
さらに、6年間に費やした学費や生活費を回収する期間も見越して、返済スケジュールや生活費の見直しを行うことが大切です。
2. 6年で薬剤師になれるとは限らない
薬学部は6年制であるものの、必ず6年で薬剤師になれるわけではありません。薬学部や薬科大学の入試の難易度は高いため一度で合格できなかったり、学業についていくのが難しく留年してしまったりする可能性があるからです。
また、6年間の学業を修了しても、国家試験に合格しなければ薬剤師の資格は取得できません。6年で無事大学を卒業できても、国家試験で落ちる可能性もあり、予想以上に時間を要することもあります。
3. 周囲の理解が必要
社会人から大学生になって薬剤師を目指すには、家族やパートナー、職場など、周囲の人から理解と協力を得ることも重要です。学業に専念するためには、授業や実習に参加する時間を確保する必要があり、生活リズムや家事・育児の負担を調整する必要も出てきます。
周囲の協力がないと、学習時間を十分に確保できなかったり、精神的な負担が大きくなったりすることで、学業の継続が難しくなる可能性も。事前に家族に状況を説明し、理解してもらうことで、安心して学業に集中できる環境を整えることができるでしょう。
働きながらでも目指せるおすすめ資格とは?
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薬剤師の資格取得は6年制の大学に通う必要があり、社会人にとってはハードルが高いかもしれません。薬に関わる仕事や医療系の資格を目指したいけれど、大学に通う余裕がない方には、働きながら取得できる資格もあります。
ここからは、社会人でも比較的取得しやすく、薬に関わる仕事に役立つ資格を見ていきましょう。
1. 登録販売者
登録販売者は、薬剤師の管理下であれば一般用医薬品の販売ができる資格です。ドラッグストアや薬局での販売業務に役立ちます。
東京都を例にすると、登録販売者になるには、都道府県が実施する試験に合格する必要があります。試験は筆記で、医薬品に関する基礎知識や法規、衛生に関する内容が問われます。受験資格に年齢や学歴の制限はなく、働きながらでも挑戦可能です。
ただし、正式に登録販売者となるためには、資格取得後24カ月(月80時間以上)の実務経験が必要ですので注意しましょう。
なお、各自治体によって試験の実施日程や出題範囲、合格基準が異なるため、受験を考える場合は自分の居住地の情報を事前に確認しておくことが大切です。
引用元
東京都保健医療局|登録販売者試験について|医薬品の安全
東京都保健医療局|令和7年度登録販売者試験について
職業情報提供サイト(job tag)|医薬品販売/登録販売者 - 職業詳細
2. 調剤事務管理士
調剤事務管理士は、薬局での受付やレセプト作成、在庫管理など調剤業務のサポートを行う資格です。薬剤師の補助的な役割として、薬局運営に欠かせない存在となります。
資格取得には、専門の講座を受講して試験に合格する必要があります。試験内容は、調剤報酬や薬局事務の手順など、実務に直結するものが中心です。働きながらでも通信講座や週末講座を利用して学習できるため、社会人でも取得しやすい資格です。
引用元
JSMA 技能認定振興協会|調剤事務管理士®技能認定試験
JSMA 技能認定振興協会|調剤事務管理士®を初めてご検討されている方へ
薬剤師になるためには6年制の薬学課程修了が必須
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薬剤師になるためには、国家資格が必要であり、その受験資格を得るためには6年制の薬学課程を修了することが必須です。社会人でも薬剤師を目指すことは可能ですが、学業に専念するための環境や資金、生活リズムを整える必要があり、決して簡単な道ではありません。
社会人から薬剤師を目指す場合は、学費や生活費の準備、入学後の学習計画をしっかり立てることが大切です。また、薬剤師以外にも、登録販売者や調剤事務管理士など、医療・薬学に関連した資格は働きながらでも取得できるものがあります。
自分に合った資格やキャリアを選ぶことで、現実的かつ着実に医療業界で活躍する道を築くことができます。資格取得後、自分に合った職場でキャリアをスタートさせたい方には、薬剤師専門エージェントのファーマキャリアの利用がおすすめです。
薬剤師を目指す場合も、それ以外の医療系資格を目指す場合も、まずは自分に合った資格や働き方を見極め、計画的にキャリアを進めることが大切です。
監修者
原瑞希
薬剤師専任キャリアアドバイザー
薬剤師免許保有
【経歴・実績】
・ドラッグストアチェーンにて薬剤師として3年間従事
・2024年度 新人賞(銀賞)受賞
【プロフィール】
元薬剤師として現場の空気感やストレスを肌感覚で理解しているため、悩みへの深い共感が可能です。
求人紹介だけでなく、入社後の教育体制まで徹底確認して提案。生活の変化を具体的にシミュレーションし、不安のない転職を支えます。
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