美容室と理容室の違いとは? どうやって見分けるの?

美容室と理容室は、ヘアスタイルを変えるために利用するお店に変わりはありませんが、実は明確な違いがあることをご存知でしょうか。

この記事では、美容室と理容室の違いについて紹介します。それぞれの免許や業務内容、関連する法律についてまとめました。さらに、それぞれの仕上がりの違いもあわせて見ていきましょう。

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美容室と理容室の違いとは?

まずは、美容室と理容室の違いについて紹介します。

違いは次の4つです。

1. 働いている人の資格
2. 関連する法律
3. 業務内容
4. 仕上がり

美容室と理容室で具体的にどのように違うのかを順に見てみましょう。

1. 働いている人の資格が違う

美容室は美容師免許が、理容室では理容師免許を持つ人が働いており、持っている資格に違いがあります。どちらも国家資格で、それぞれの試験に合格すれば両方の免許を取得することが可能です。実際、両方の資格を取得してダブルライセンスで働いている人もいます。

しかし、お店で働く全員がダブルライセンスでないかぎり、兼業することはできません。そのため美容室では美容師として、理容室では理容師としての仕事をしています。

美容室は美容師|美容師免許

美容室でお客様に施術をしている人は、美容師です。美容師免許によって、お客様の容姿を「美しくする」ための施術を、継続的に繰り返す意思を持って施術することが、有料・無料問わず認められています。具体的には、カット・パーマ・カラー・メイク・まつエクなどです。

美容師の免許は、次の順に段階を踏むことで取得できます。

①厚生労働大臣が指定する美容師養成施設への入所・卒業
②美容師国家試験に合格
③免許の申請をし、美容師名簿に登録

引用元
厚生労働省:理容師・美容師免許の取得まで

理容室は理容師|理容師免許

理容室でお客様に施術をしている人は、理容師です。理容師免許によってお客様の容姿を「整える」ための施術を、継続的に繰り返す意思を持って施術することが、有料・無料問わず認められています。具体的には、刈り上げや顔そりのほか、カット・パーマ・カラーなどです。

理容師の免許は、次の順に段階を踏むことで取得できます。

①厚生労働大臣が指定する理容師養成施設への入所、卒業
②理容師国家試験に合格
③免許の申請をし、理容師名簿に登録

2. 関連する法律が違う

美容室は「美容師法」、理容室は「理容師法」というそれぞれ違う法律で、定義や業務範囲が定められています。前項で紹介した、美容師免許と理容師免許についても同様です。

関連する法律が違うため、美容室や理容室はそれぞれの法律に基づいて運営しなければなりません。

美容師法と理容師法の概要とあわせて、「美容」と「理容」の定義、美容室と理容室の運営における規定について紹介します。

美容室は美容師法

美容室は、美容師法で「美容所」と表記します。美容室に関連する美容師法が定めているのは、次の6つです。

1. 定義
2. 美容師免許
3. 美容所
4. 管理美容師
5. 環境衛生監視員
6. 閉鎖命令

このなかから、定義と美容所の2つを見てみましょう。

引用元
厚生労働省:美容師法の概要

理容室は理容師法

理容室は、理容師法で「理容所」と表記します。理容室に関連する理容師法が定めているのは、次の6つです。

1. 定義
2. 理容師免許
3. 理容所
4. 管理理容師
5. 環境衛生監視員
6. 閉鎖命令

このなかから、定義と理容所の2つを見てみましょう。

引用元
厚生労働省:理容師法の概要

3. 業務内容が違う

前項で紹介した「美容師法」と「理容師法」によって、認められる業務内容にも違いがあります。

ここからは、美容室と理容室それぞれの業務内容について見てみましょう。

美容室|美容師の業務内容

美容とは、容姿を美しくすることです。美容師は、お客様に合ったヘアスタイルやメイクをすることによって、容姿を美しく仕上げる役割を担っています。

具体的には、パーマ・カラー・カット・ヘアメイク・メイク・まつエクなどです。どのメニューもデザインに富んでおり、女性にも男性にも人気があります。

実は2015年まで、男性がカットだけをしてもらうことは法律で認められていませんでした。パーマやカラーと一緒にカットをお願いしなければならなかったのです。しかし現在は法律が改正され、男性もカットだけできるようになりました。

詳しくは別の記事でまとめていますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
モアリジョブ BEAUTY:美容院で男性のカットのみは違法だった?|美容師と理容師の違いとは

理容室|理容師の業務内容

理容とは、容姿を整えることです。理容師は、頭髪の刈り込み・顔そり・カラー・パーマなどの施術によってお客様の容姿を整える役割を担っています。

美容室と違って髭やもみあげなどのシェービングが認められており、それを目的に来るお客様も多いです。

また、2015年まで女性へのパーマが認められていませんでした。これについても、さきほど紹介した記事で詳しく紹介しています。

モアリジョブ BEAUTY:美容院で男性のカットのみは違法だった?|美容師と理容師の違いとは

4. 仕上がりの違い

定義や業務内容が違うため、仕上がりにも違いがあります。男女問わずどちらのお店も利用できるようになった今、美容室と理容室のどちらがいいのか悩む人もいますよね。

そこで、仕上がりの違いとあわせて、それぞれの施術が向いている人も紹介しますので参考にしてください。

美容室での仕上がり

美容室には、高いセンスとバリエーションのある技術を持つ美容師が多くいます。そのため自分の悩みや希望に合わせ、容姿が美しく見える仕上がりにしてもらうことが可能です。

また、トレンドにあわせたデザインにしてもらうこともできます。

希望のヘアスタイルがある人や髪型に悩みがある人、トレンドを楽しみたい人などは美容室の施術が向いているでしょう。

理容室での仕上がり

理容師は、バリカンでの刈り込みや顔そりについて学んでいるほか、正確に長さを整える技術を持っています。そのため、長さやバランスが整った清潔感のある仕上がりにしてもらうことが可能です。

バリカンを使うような刈り上げや、短くキレイに揃った仕上がりにしたいという人に向いています。

また、女性向けのシェービングメニューを設けた理容室も増えています。カミソリを用いたシェービングは理容師しかできないため、産毛や角質をキレイに取り除いて、肌を整えたいという女性にはぴったりです。

美容室と理容室はどう見分けるの?

美容室と理容室は、お店に入る前にひと目で見分ける方法があります。それはサインポールの有無です。

理容室を探したいならサインポールをチェック!

赤・青・白のしま模様がくるくるまわっているサインポールは、そのお店が理容室であることの目印です。ただし、設置義務があるわけではないため、出していないお店もあります。

サインポールの由来は諸説ありますが、そのうちの1つは、中世ヨーロッパの外科医が理容師と兼務し「理容外科医」をしていたことにはじまります。

理容外科医が、瀉血(しゃけつ:身体の血を外に出す治療法)手術で赤い棒を使用していました。術後は白い包帯と一緒に軒先に干しており、風で包帯が棒にらせん状に巻きついていたことから、赤と白のらせん状の棒が理容外科医の象徴となったそうです。

理容師と外科医が独立するようになって以降、見分けがつきやすいよう理容室の看板には青が加わったといわれています。

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美容室と理容室は法律で定義されている

美容室と理容室では、働く人が持つ資格や業務内容に違いがあり、それぞれ美容師法と理容師法で定義されています。

カットやパーマ、カラーができるという点では共通していますが、美容室では容姿を美しくするために、理容室では容姿を整えるために施術をするので、仕上がりにも違いがあるのです。

また、ヘアセットやメイクは美容室でしか、顔そりは理容室でしか施術が受けられません。

それぞれの違いを理解し、なりたい仕上がりに合わせてお店を選びましょう。

引用元
厚生労働省:理容師・美容師免許の取得まで
厚生労働省:美容師法の概要
厚生労働省:理容師法の概要

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