経営を成功させるためには、自らの発信力が大事。場所に捉われない「一流」を目指す【エステティシャン 西原千晶さん】#2

エステティシャンの西原千晶さんは、地元・鳥取県でサロン「毛穴ケア専門サロン ATAHANA(アタハナ)」を経営しています。オープン当時、鳥取県にはまだ「まつげパーマ」&「眉毛ワックス」が浸透していませんでした。その目新しさから順調に売上をキープしていけると思った矢先、経営で悩む事態に。そんな中、西原さんは「ラボーテ式毛穴エクストラクションプロ」と出会い、サロンを立て直します。

前編では、西原さんがエステ業界に興味を持ったきっかけや、独立するまでの集客方法について伺いました。後編では、経営方針を見直したことによる変化や立て直したサロンの新たな集客方法、講師業に取り組んだ経緯をお聞きします。

お話を伺ったのは…
エステティシャン 西原千晶さん

高校卒業後、地元の鳥取県を離れて東京にある山野美容学校短期大学に進学。卒業後は、大手美容サロンに就職。都内で3年勤務をしたあと地元に戻り、結婚を機に退職。専業主婦をしていたが、3人目の子どもを出産したタイミングで独立してサロンを開業。現在は、鳥取で唯一無二の毛穴悩みに特化したサロンとして人気を集めている。プライベートでは4児の母。

Instagram:@atahana_since2011

サロンを持ち直して得た気づき。接客以外に大切なことは?

2023年7月より移転したサロン。エレガントな雰囲気を演出

――スクールに入会後、サロンの売上も安定し始めたようですが、スクールへ入会して得た気づきはありましたか?

ラボーテ式経営スクール入会前、私は「次回予約」が取れていなくて悩んでいました。新規のお客様のご予約はたくさんいただいていたのに、次回に繋げられない。その答えは分からないままでした。

そこでラボーテ式経営スクールへ入会して学んだ結果、当時の私は「待つ姿勢」の接客を行っていたことが理由だと気づきました。施術をしている間はあまり話さず、終わったら「お待ちしています」とお決まりの挨拶のみをしてお客様を帰してしまい、継続的に毛穴エクストラクションプロの技術を味わってもらいたい私からしたら、次回に繋げていないというのは完全なる力不足。確かに一度のケアできれいになれますが、継続して通っていただくことでより効果を実感してもらいやすいのです。それを多くのお客様に分かっていただきたくて。

そこで今一度、ラボーテ式経営スクールで習った内容をもとに、サロンの内装、家具の配置やお客様がご来店されたらどの位置に座っていただくか…など、お客様の目線に立ち、一見関係のないような細かいところに焦点を置いて改善する意識を持つようになったところ、1ヶ月後には次回予約が入るようになったんです。

――接客以外にも改善点があると気づいたのですね。

接客ももちろん大事ですが、やはり居心地の良さもかなり関係してきます。リラックスして最高の施術を受けてもらうためには、居心地の良い環境づくりも重要。居心地の良い環境で最高の施術と丁寧な接客を受ける、これらが合わさって初めて次回予約をしようと思われるのではないでしょうか。

都心部から離れた土地では、自ら発信していくことが必要不可欠

実は人前で話すことが苦手だったと語る西原さん。Instagramで発信できるようになったコツを聞くと…「独立前に不本意ながらも、カウンセラーや管理職の経験ができたからこそ、今があるのかなと。回り道だと感じても向き合ってみる姿勢が大事だと感じます」

――接客と環境づくりが次回予約獲得の手立てになったのですね。

私的には「毛穴」メニューに絞った他に、集客のために使用していたInstagramの影響も大きいと感じています。

――どんな投稿をしていたのですか?

毎朝のライブ配信に重点を置き、自分自身をさらけ出すことを意識して投稿していました。

お客様が私たちに施術を依頼するまでの判断材料は、画面上の写真しかないですよね。実際に対面するまで、相性が合う合わないが分からない…それってすごく不安な要素だな、と。

そんな不安要素に対応するのが、Instagram。実際に発信している人の声や姿まで届けられるので、施術を予約する前にどんな人なのかが事前に把握できます。ブログが主流な時代と比べると、写真や文章では伝わらない温度感を伝えるためには最適なツールでした。

――確かに施術前に選べると、お互いに不利なく効率良くマッチできそうです。

それだけではなく、Instagramで私のリアルな言動や雰囲気を確認してからご来店いただくためか、以前は「お姉さん」だったのが初対面の段階で名前で呼ばれたりと、親しみを持ってもらえるようになりました。

現在はお客様だけではなく、同業者とのコミュニケーションの場にもなりました。

――地方で経営をしていくうえでSNSは貴重なツールだとお見受けしました。

たしかに私がサロンを構えている鳥取は東京と比べると、閉鎖的でエステにも勇気を出して行くようなイメージなので、自分から積極的に発信する必要があります。そこにInstagramがあることで私を知って、安心して予約を取れる。ただ、地方に限った話ではないですが、自分を発信することはかなり大事だと思いますね。

過去の経験を活かし、次世代の一流エステティシャンを育てたい

鳥取県にて「黒石鹸」を製造している社長と対談している西原さん。なんと、西原さんが取り入れたタイミングで同業者間で一気に口コミが広がり、県内1000店舗ものサロンで取り扱いされるようになったのだそう

――今後もエステサロンを通じて地元を活性化させたい?

そうですね、今私を頼って来ていただいているお客様の期待に応えたいですし、深く付き合っていきたい、と思う気持ちと、都心に出なくても一流の施術が鳥取県でも受けられる強みをもっと広めたいです。

人柄や技術力を磨いていれば、場所なんて関係ないと私は感じます。

――現在、講師もしているとか。講師業を始めたきっかけをお聞かせください。

恩師よりお声がけいただいたことがきっかけです。

スクール入会後してわずか1ヶ月で日本一人口の少ない鳥取県で、80人ものご新規様のご予約をいただいた実績や同期たちと頑張ろう!と切磋琢磨している私の姿を見て、「一緒に講師として手伝ってくれないか?」とお誘いをいただいたんです。

私自身、10年ほど自己流で経営をしてきて、結果が出ずに悩んでいた時期があったのですが、恩師と出会って学んだおかげで結果を出すことができました。自分と同じように悩んでいる同業者の底上げに力添えをしたいと心から思い、引き受けることにしました。

――講師をする際に、心がけて教えていることは?

第一にお客様目線に立つことを必ずお伝えしています。利用いただきたいお客様の層は、大体30〜40歳のサロンが多いんですね。その層に受け入れてもらうためには、目新しさよりも基礎的な一般常識を持っていることや身だしなみや言葉遣いができて初めて「この人に任せたい」と思ってもらえます。毛穴エクストラクションプロの施術を教えるのは前提ですが、何よりもそういった基本的なところを理解して身につけていくよう指導をしています。

――そこに力を入れるのは、ご自身の経験からなのでしょうか。

個人エステサロンはたくさんありますが、その中でも意識が高い人とそうでない人もいます。指輪などアクセサリーをしたままだとか、爪が長い状態のままで施術をする方も。大手サロンで働いた経験があるからこそ、個人のサロンでも一流の施術を提供できるエステティシャンを育てたいと思っています。

――今後の目標は?

私の個人サロンが安定し始めたので、講師業を通して個人で運営しているエステティシャンのために動いていきたいです。

今までは恩師の講習についていく形で講師をさせていただいていたのですが、今年からはひとりで東京と鳥取のエリアの二拠点で講習を開くことになりました。月一の講習の際に技術やエステの楽しさを再確認してもらえるような講習をしていきたいと考えています。

西原さんがサロンを立て直せた3つのポイント

1.サロンのウリを分かりやすくシンプルにする

2.接客以外に改善し得るところを探し、改良していく

3.SNSでは、積極的に自分を知ってもらうために発信をする


取材・文/東 菜々(レ・キャトル)

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Salon Data

毛穴ケア専門サロン ATAHANA(アタハナ)
※2023年7月より〜
住所:鳥取市瓦町512 1階
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