掛け合わせこそが強さを生む!ヨガインストラクター・上村ゆいさん
鹿児島県でヨガインストラクターとして活躍する上村ゆいさん。前編ではヨガインストラクターとしてのキャリアのスタートや仕事をどう広げてきたかを伺いました。ヨガを始めたばかりの頃は体が硬く、苦手意識があったという上村さん。しかし今はその体の硬さを逆手にとって売りにすることで、ヨガ初心者や高齢者の方、運動が苦手な人でも安心して通える教室として人気を集めているそうです。
後編ではコロナ禍で大打撃を受けた上村さんが、どのように起死回生したかを伺います。カギとなったのは、オンラインサロンの運営と、ヨガインストラクターの知識を活かしてライターとしても活動を始めたこと。さまざまな経験の掛け合わせで、活動の幅を広げたことが、コロナ禍の打破につながったといいます。
今回、お話を伺ったのは…
上村ゆいさん
ヨガインストラクター
精神保健福祉士・社会福祉士の国家資格を持つ。精神科勤務・飲食店・美容部員・農業など幅広い職種を経験し、2017年からフリーランスのヨガインストラクターとして様々な場所でレッスンを行う。2019年には南九州市に移住し古民家を借りて、ヨガ教室を主宰しているほか、2021年からトータルビューティを学べるオンラインサロンを開設。また2022年からはライターとして「ヨガジャーナル」に寄稿するなど、活動の幅を広げている。
上村ゆいさんのinstagram:@gekkabijin_yui
twitter
youtube:【身体の硬い人向けヨガで美しい姿勢へ】
オンラインに活動の場を広げ、徐々にオンラインレッスンを確立
――コロナ禍で思うようにレッスンができなくなったとのことですが、その後はどうされたのでしょうか?
可能性を広げてみようと思って、いろんなオンラインサロンに入ってみたんです。そのなかのひとつが作家の西原愛香さんのオンラインサロン。運営をされていた、ラブソルという会社の方と知り合いになり、自分も運営のお手伝いをさせていただくことになりました。
そしてそのオンラインサロンのなかで、ヨガイベントをやってもらえないかと頼まれたんです。最初はオンラインでレッスンをする自信がなかったのですが、無料ならできるかなと思い、最初は無料でヨガイベントを開催することにしました。これがかなり好評だったんです。
――今は、ご自身でオンラインサロンも開かれていますね。
はい、コロナ禍の影響が段々深刻になってきて、やっぱり自分が主催のオンラインの展開を考えていかないといけないなと思ったんです。そこで、これまでもさまざまなオンラインサロンの運営をされてきたラブソルの方たちにお話を聞いて、自分でもやってみる決心をしました。うまくいくかはわかりませんでしたが、できるだけのことはやってみようと。
私はCAMPFIREというクラウドファンディングの会社のシステムを使ってオンラインサロンを開いたのですが、会員がいない間は費用が発生しないので、その手軽さも後押しになりましたね。
美容部員の経験をいかした「トータルビューティクラス」のオンラインサロンも開設
――オンラインサロンではどのような活動をされているのでしょうか?
現在はズームでオンラインヨガを月に4回受ける月額1500円のコースと、オンラインヨガに加えて私が美容部員をしていたときに身につけた、美容知識についてのコラムやライブ配信も行う月額2500円の「トータルビューティクラス」の2つのコースを設けています。開設から1年近くが経ちますが、1年間ずっと続けてくださる方もちらほらいるんです。価値があると思っていただければこうやって継続という形につながっていくので、やりがいもあると思います。
――単発のオンラインレッスンとオンラインサロンの差はどんなところにあると思いますか?
オンラインサロンのメリットは、自分がその都度、レッスンの設定をしたり、告知をしたり、申し込みを待ったりしなくてもいいことが大きいと思います。オンラインレッスンの場合、軌道にのるまでは申し込みがなければ何も始まらないわけですし、申し込みを待つようなことが続くとモチベーションも下がってきてしまいますよね。オンラインサロンの場合は、決まった日にやることになるので、精神的な負荷が少なくなると思います。
さまざまな経験の掛け合わせこそが強み
――2022年になってから、ライターとしても活動を始めたそうですね。きっかけは?
これもコロナ禍で自分の働き方を見直したときに、ライターという働き方に興味が出てきたんです。私はブログを開設してから3年ほど毎日更新してきたのですが、毎日更新を始めてから1年くらい経ったときに、経験もないのにライターの仕事依頼がきたことがあって。その後、ちょくちょくとヨガウェアの記事や、オンラインヨガの記事の監修をしてほしいというような依頼をいただくことがありました。自分のヨガの経験をレッスン以外にもいかせることに、すごく可能性を感じたんです。そこで本格的にライターとしても活動をしていくことにしました。
今、ヨガジャーナルさんに週に1本寄稿させていただいているのですが、これは自分から応募しました。ほかにもラブソルさんの運営する媒体にも週に1本寄稿し、SNS発信も任されています。最近では鹿児島のWEB媒体にも寄稿させていただくようになりました。
――それにプラスして個人のブログを毎日更新されてますし、SNS更新もまめにされていますよね。小まめに発信するコツはありますか?
コツは、プライベートだと一切思わないことです。仕事だと割り切る(笑)。私も本当はマメなタイプではないんですよ。毎日やるのが苦痛すぎて。でも私のようにフリーで働いている個人事業主は、自分が動き出さないと何にもつながらないと思うんです。だからとりあえず無料でやれるものは全部やるしかないと思っています。これは私の仕事だという感じで自分を追い込んでいますね。
――精神科医勤務や美容部員など数々の経験を積まれてきた上村さんですが、これまでの経験が今に活きていると思うことはありますか?
はい、あります。ヨガに関しては、美容のためにやられる方が多いので、美容部員の経験が常に活かせますし、元々ヨガは心と体を繋ぐツールだと言われていて、自分の生きやすさに繋げることもできるので、精神保健福祉士の経験も活きていると思うんです。農業を学んだ時に野菜コーディネーターについても学んだので、食についてのアドバイスも軽くできて、これはヨガにもライターの仕事にも活かせています。
結果、今までの経験は何ひとつ無駄なことはなかったなと思いますし、そういった掛け合わせこそが私の強みなのかなと。これからもオンライン、対面、ヨガインストラクター、ライターと、自分の活動の幅をどんどん広げていきたいと思っています。
上村さんがコロナ禍を乗り切った3つのポイント
1.可能性を広げようと、オンラインの場でさまざまな人と出会った
2.オンラインサロンを運営することで、オンラインレッスンを安定的に定期開催することができた
3.ライターにも活動の幅を広げ、これまでのさまざまな経験を活かして仕事を獲得した
お話を聞いていて感じたのは、好奇心旺盛に新しいことに次々と飛び込んでいく行動力と、そのとき必要なことを淡々とこなしていくストイックさ。そしてそれまでやってきたことにとらわれずに挑戦していく強さこそが、上村さんが成功した理由ではないかと感じました。これからヨガインストラクターとして活躍したい方、今とは違うフィールドに挑戦してみたい人はぜひ参考にしてみてくださいね。