メイクアップアーティストの給料はどれくらい？働き方別の給与事情や収入アップの方法を詳しく紹介

メイクアップアーティストの仕事は、トレンドやお客様のニーズを汲み取り、その人に合ったヘアセットやメイクを行うことです。売れっ子になれば、テレビや雑誌で取り上げられることも。

そんな華やかなイメージのあるメイクアップアーティストですが、どれくらい給料がもらえるのか気になる人もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、メイクアップアーティストの給与事情を詳しくお伝えします。働き方別の給料や収入アップの方法についても見ていきましょう。

メイクアップアーティストの給料はどれくらい？

厚生労働省が運営しているjob tagによると、メイクアップアーティストの平均年収は397.7万円。ハローワークの求人賃金（月給）は26.4万円です。就業者全体の平均年収が460万円であることから、平均年収はやや低いといえます。

なお、この平均年収には美容師も含まれているため、メイクアップアーティストに限定した正確なデータではありません。

メイクアップアーティストの活躍の場は幅広く、地域・経験・現場で求められるスキルなどによって収入が異なるのが特徴です。

アシスタントや独立したてのフリーランスのなかには、年収が100～200万円という人もいる一方で、知名度が高い人気のメイクアップアーティストのなかには1,000万円以上稼ぐ人もいます。

歩合制のところも多いため、経験を積み実績を残していくことで、大きな収入を得られる可能性がある職業です。

引用元
job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET））｜メイクアップアーティスト – 職業詳細
国税庁｜民間給与実態統計調査

働き方別の平均年収はどれくらい？

メイクアップアーティスト全体の平均年収がわかったところで、働き方による年収についても見ていきましょう。先述したようにメイクアップアーティストはさまざまな場所で活躍しており、就職先や請け負う仕事の内容によっても年収に差がでることがあります。

ヘアメイクを行う美容室やプロダクション

ヘアメイクの案件を受注している美容室や専門のプロダクションに就職した場合、歩合制であることが多いため実績によって差がでるでしょう。

ヘアメイクを請け負う美容室やプロダクションでは、雑誌やテレビなどの撮影で、モデルやタレントにヘアメイクすることが多いです。場合によっては特殊メイクを行うことも。

年収額は100～500万円ほどと幅があり、アシスタントや駆け出しから、実績を積んでいくごとに年収は上がる傾向にあります。

フリーランス

美容業界やプロダクションなどで経験を積んだのち、フリーランスとして活躍する方もいます。

フリーランスといっても仕事の内容はさまざまで、テレビや雑誌の撮影でヘアメイクをする、ブライダルサロンで花嫁のヘアメイクを担当する、ファッションショーなどのイベントに呼ばれるなどさまざまです。

また近頃では、要介護の高齢者の方を対象にヘアメイクを施す「介護美容」も多くの介護現場で取り入れられており、メイクアップアーティストの需要が高まっています。

獲得できる案件の数や依頼される金額にもよりますが、テレビや映画・雑誌の撮影にコンスタントに呼ばれるような人脈や実績を作ることができれば、年収1,000万円以上稼げる可能性もあります。

化粧品メーカー

化粧品メーカーにメイクアップアーティストとして就職するケースもあります。その場合、デパートや専門ショップなどでビューティーアドバイザーとして働くことになるでしょう。

お肌の状態をチェックしたり、新商品を使ってお客様の顔にメイクを施したりする業務をメインに行います。また、イベントがあった場合にモデルのヘアメイクを担当することも。

化粧品メーカーに就職してビューティーアドバイザーとして働く場合、250～450万円ほどが目安となります。

ブライダルサロン

ブライダルサロンとは、結婚式場や披露宴会場の紹介、ブライダル関連の商品販売や相談などを一手に引き受けるブライダル専門の窓口です。

ブライダルサロンでは挙式に向けたプランを作ったり、式の内容に関するアドバイスを行いますが、メイクアップアーティストは花嫁の希望を最優先に、演出に合わせたヘアメイクの提案、当日のヘアメイクや着付けなどを担当します。

年収の目安は300万円前後。一生に一度の晴れ舞台を素晴らしいものにするため、プレッシャーも大きい反面やりがいのある仕事です。

メイクアップアーティストはどんな仕事をしている？

メイクアップアーティストと一口にいっても、働く場所や働き方によって内容は必ずしも同じではありません。基本的には撮影やイベントなどの際に出演者や主役にメイクを施すのがメインの仕事です。

なお、メイクアップアーティストとヘアメイクアップアーティストは厳密には区別されることもありますが、ここではメイクアップアーティストとしてヘアセットも行う場合の仕事内容を紹介します。

カウンセリング

まずカウンセリングを行います。メイクアップアーティストとはいえ、施術を受ける相手の意向を無視して自分の提案を押し付けるわけにはいきません。モデルやタレントのニーズやキャラクターに合わせたヘアメイクにするため、希望を聞き出します。

また、イベントで仕事をする際には事前の打ち合わせも必須で、イベント全体の主旨や雰囲気なども把握する必要があるでしょう。

ヘアスタイリング

ヘアスタイリングは、撮影の目的やイベントの内容に合わせたものにする必要があります。場合によってはシャンプーやトリートメントで髪を整えるところからはじめることも。ブローでしっかりと下地を作り、必要であればカットやパーマ、カラーリングもします。

メイクアップとのバランスも考慮して仕上げることが大切です。

メイクアップ

メイクアップはまさにメイクアップアーティストの真価が問われるメインの仕事といえるでしょう。お客様に対し行ったカウンセリングや、事前の打ち合わせで把握した企画・主旨をもとにメイクを施していきます。

テレビや雑誌の撮影なのか、結婚式、ファッションショーなどの舞台といった場面によってメイクのやり方が異なることも。

保湿など肌を作るところからはじめ、ベースメイク・ポイントメイクを施して理想の顔に近づけます。

メイクアップアーティストになるには？

メイクアップアーティストは魅力的な仕事ですが、これから目指したい場合どうすればなれるのでしょうか？まずは美容師免許を取得することからはじめなければなりません。

ここからは、メイクアップアーティストになるまでに必要な流れを紹介します。

メイクアップアーティストに関する詳しい内容は以下の記事でも紹介していますので、あわせてご覧ください。
メイクアップアーティストになるにはどんな資格が必要なの？おすすめの資格を紹介！　

1. 美容師免許を取得する

美容師法では「美容師の免許を持たないものは美容を業として行うことはできない」とされており、美容とは「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」と定義されています。

メイクアップアーティストは、お客様に対してヘアセットやメイクを行うため、美容師免許の取得が必須です。

美容師免許を取得するためには、高校卒業後に厚生労働大臣指定の専門学校で昼間・夜間課程2年以上、通信課程3年以上にわたって必要な学科・実習を履修しなければなりません。

詳しくは以下の記事も参考にしてください。
美容師の資格と取得方法を紹介｜キャリアアップに役立つ資格5選

引用元
厚生労働省｜美容師法概要

2. 美容室やプロダクションに就職する

フリーランスのメイクアップアーティストを目指している方でも、まずは実績を作らなければ依頼を勝ち取ることは難しいでしょう。そのため、メイクアップの案件を請け負う美容室や専門のプロダクションに就職するのがおすすめです。

美容室やプロダクションに就職すれば、給料をもらいながら現場経験を積むことができ、実績も作ることができるうえに人脈も広げることができます。

メイクアップアーティストが収入をアップするには？

働き方や実績、実力によって大きく左右されるメイクアップアーティストの収入。メイクアップアーティストが収入をアップさせるために必要なことは、ニーズに沿った提案をするスキルの向上や自己研鑽です。

メイクアップアーティストに必要な能力と磨くべきスキルをチェックしましょう。

最新の技術やトレンドをキャッチ

美容業界は日々トレンドが移り変わります。どれだけセンスを磨いても、これでいいという到達点がないため、常に情報を求めトレンドをキャッチすることが大切です。

ヘアメイクだけでなく、トータルコーディネートができるスキルがあれば、活動の幅も広がりさまざまな現場で重宝されるでしょう。パーソナルカラーや骨格に合わせたスタイリングの知識を磨くのもおすすめです。

営業スキルを磨く

とくにフリーランスのメイクアップアーティストに求められるスキルです。仕事の依頼がなければ収入アップは見込めないため、積極的に営業をするバイタリティも必要となります。

人脈をひろげるためさまざまな場所に顔を出したり、企業やプロダクションにメールを送ったり電話をかけたりして自分のことを知ってもらうことも大切。ポートフォリオをいつでも提示できるようにしておき、案件に合わせた提案力も磨きましょう。

コミュニケーション能力を鍛える

メイクアップアーティストは、お客様へのヒアリングや案件に関わるスタッフとの打ち合わせなど、コミュニケーションが欠かせない仕事です。

コミュニケーション能力が高いというのは、相手の話を瞬時に理解して的確に必要なことを伝える力や相手の話を引き出す力、自分自身の考えを伝えたり説得したりする能力が高いことを指します。

つまり、コミュニケーション能力が高ければ、お客様側の労力を軽減することにつながります。相手のイメージを掴んで形にする能力に長けている人は、また一緒に仕事をしたいと思ってもらえる確率を上げ、重宝されるでしょう。

関連する民間資格を取得する

美容師免許があればメイクアップアーティストになることができますが、関連する民間資格の取得もおすすめです。今ある知識や技術をさらに磨くことで仕事の幅が広がり、収入がアップする可能性があります。

民間資格にはメイクやスキンケアに関するもののほか、色彩技能パーソナルカラー検定・色彩検定・カラーコーディネーター検定など、メイクの色づかいに役立つ資格があります。ここでは、色彩に関する3つの資格について紹介します。

メイクやスキンケアの資格は、以下の記事をご覧ください。
メイクアップアーティストになるにはどんな資格が必要？おすすめの資格や活躍の場も紹介

色彩技能パーソナルカラー検定

色彩技能パーソナルカラー検定は、ひとりひとりの肌・目・唇などに似合う色である「パーソナルカラー」の基礎知識や、色を見分ける力を身につける検定のことです。

モジュール1（初級）・2（中級）・3（上級）の単位制で、モジュール1から順に取得しなければなりません。ただし、モジュール1とモジュール2は併願受験も可能です。各検定では、以下のようなスキルを習得できます。

試験は、パソコンを使ったCBT方式で行われます。

引用元
日本パーソナルカラー協会｜試験内容と公式教材

色彩検定

色彩検定は、文部科学省が後援する公的資格。色の基礎・配色技法・専門分野における利用などが学べる検定です。

プロフェッショナル向けの1級・実務に活かしたい人向けの2級・初心者向けの3級と、一般社会人・公共・福祉・設計者など、ユニバーサルデザインのニーズに向けたUC級があります。

試験はマークシート方式で、以下のような内容が問われます。

引用元
色彩検定協会
色彩検定協会｜受検案内 合格への道

カラーコーディネーター検定

カラーコーディネーター検定とは、実践的な色彩の知識を習得できる検定で、色の性質・特性など、色彩の知識を身につけることができます。

この検定は、スタンダードクラスとアドバンスクラスの2種類です。

スタンダードクラスでは、日常から見た色彩に関する基礎知識について出題されます。

アドバンスクラスでは、スタンダードクラスで問われる内容に加え、ビジネスシーンにおける色彩の活用事例など幅広い知識を得ているかも問われます。

試験は多肢選択式で、テストセンターに出向いて用意されたパソコンで受験するCBT方式と、自宅などでパソコンを使って受験するIBT方式のいずれかの方法で受験可能です。

引用元
東京商工会議所検定サイト | カラーコーディネーター検定試験®
東京商工会議所検定サイト | 試験要項 ー受験案内・お申込み ー カラーコーディネーター検定試験®

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メイクアップアーティストとしてスキルを磨けば収入アップ！自分に合った職場を見つけよう

メイクアップアーティストの給料は、一概に低い・高いとはいえず、個人のスキルや働く場所などによって大きく差がでる仕事です。

メイクアップアーティストが働く場所は、美容室やプロダクション・ブライダルサロンなどがあるほか、フリーランスとしてさまざまな現場に出向くケースもあります。

いずれにしても、お客様のニーズに沿った提案をし、期待に応えるスキルを磨くことで収入アップにつながるでしょう。

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