山口直美 interview#1:まつ毛エクステのカリスマが語る魅力と逆境?
フィリピン、中国、インドネシア、そして日本。アジアを股にかけて活躍するトータルビューティサロン『ボーテ・レヴェスリージェ』の代表、山口直美さん。まつ毛エクステの技術に定評があり、業界がまだ小さい黎明期から活動している功労者です。しかしこれまで順調に来たわけではなく、紆余曲折しながら現在に至ります。そんな山口さんにこれまでの道のりと今についてをインタビュー!
――経営する『ボーテ・レヴェスリージェ』はトータルビューティのサロンですが、その中でも山口さんはまつ毛エクステに長年従事されてきたそうですね。まつ毛エクステの魅力とはどういったものでしょうか?
「まつ毛エクステは目元の印象を作りかえることが可能です」
――マスカラとの一番の大きな違いはどこですか?
「マスカラはもともと生えているものをよりよく見せられます。一方まつ毛エクステは、物理的なものをつけ足すことで、その方の限界を超えられるという違いがあると思っています。つまり、施すデザインによって、いかようにも変身できるんですね。しかもまつ毛が上に引きあげられるので、視界にまつ毛が見えていた方は見えなくなって視野が広がります」
――重くはないんですか?
「全然重くないですよ。私が今つけているのは、すごく軽いものです。装着している感じがしないんですね。でも鏡で見ると、ちゃんとボリュームが出ている。以前と違って品質や材料もよくなり、種類も豊富になっています」
――そもそも、この美容というお仕事に就こうと思われたきっかけはなんだったのですか?
「私自身、それがないと生きていけないくらい、美容が大好きなんです。遡ると、学生の頃から自分の見た目にコンプレックスがたくさんあって、それを改善できるのが美容だと思って興味を持つようになりました。美容というのは、健康を害さずに変わっていけるものなので、安心ですよね。そういう点も魅力です」
――最初から技術者志望だったんですか?
「はじめは国内メーカーの美容部員をやっていたんですよ」
――それがなぜ今の仕事へとシフトされたのでしょうか?
「化粧品っておうちで使っていただくことで、お客さまにキレイになってもらうという商品。美容部員はお客さまに対してカウンター越しに説明したり、メイクをその場で施して見せていくわけなんです。仕事をやっていくうちに、もっとこの手で直接お客さまをキレイにしてあげたいと思うようになったんです。もっと手をかけてあげれば、今以上に変わるんじゃないか。そういう思いから、サロン業へ転身しました」
――仕事をしていて一番苦しかったのはどんなことでしたか?
「2008年の3月に法律が変わって、美容師免許を取らないとまつ毛エクステの営業ができなくなったんですね。今まで普通に仕事ができていたのに、突然の通達で美容師免許が必要だと。そんなこと言われても…という感じでした。車の免許のレベルではないんですね。何カ月か通ったところで取得できるような試験でもない。仕事しながら通うとなると通信教育になるので、3年もかかってしまう。いつ勉強するのかという問題も出てきます。私なんて人の髪の毛すら触ったこともないですから。しかも勉強をしている3年間はどうやって生活するのっていう。結局、営業ができなくなるわけですよ。それでもなんとかしたいと思って、保健所やいろいろなところに相談してみましたが、最終的にはまつ毛エクステを一旦やめるしかないと判断しました。それまで自分が築き上げてきた売り上げを全部捨てたんです」
――生活はどうされたんですか?
「もう大変でした(笑)。社員もやめていただいて、私一人になって。当時、250~300人くらいのお客さまを毎月施術していたんですが、一気に失いました」
山口直美 interview#2:まつ毛エクステとは“健康の上”にある。>>