手指・手首の簡単ストレッチ!飯野慎也先生の体メンテナンス #1
美容関係のお仕事の人は、手に負担がかかる動きや作業が多く、手や手首に慢性的な痛みを感じていらっしゃる方も多いようです。「手のメンテナンス、していますか?」という質問に、「そういえば、体のメンテナンスはしているけど、手は何もしていないかも」という答えが多く返ってきます。
そうなんです! 手指や手首は1日を通して使用頻度が高いのに何もケアすることなく通り過ぎてしまっているのです。
手や指は体の中では大きな部位ではありませんが、細かな指の動きをするためにたくさんの神経が通っています。一日の終わりには酷使した手をいたわってあげましょう。
手指と手首の予防&改善のケアについて、パーソナルトレーナーの飯野先生にお話を伺いました。第一回目のこの#1では、「手指と手首のストレッチ」です。
腱鞘炎(けんしょうえん)予防には、日々のストレッチやケアが大事
「美容のお仕事をされている方の中には、手や腕がだるい、張っていると感じる方から、実際に痛みがあり医療機関を受診しなければならないレベルの方もいます。
代表的な障害としては腱鞘炎があります。慢性的な手の疲れや張りを感じている方は腱鞘炎の予備軍となってしまうので日々のケアを意識しましょう。 既に痛みを感じている方は、まず一度医療機関を受診されることをおすすめします」と飯野先生。
第一回目の#1では、手首のストレッチ、指のほぐし方を教えていただきました。
近年では腱鞘炎は女性ホルモンも関係していると言われます。妊娠や出産、更年期など女性ホルモンが変動する時期に出やすいとも言われています。腱鞘炎が女性に多いのはこういったことも1つの要因となっているようです。
サロンなどでは一般的に手を使う仕事が多く、さらに力が必要な作業も多くなります。手を使うことが多いなと自覚されている方は、やはり使い過ぎ、ケア不足が考えられるので、ここでご紹介するストレッチを実践してみて下さい。
ストレッチ中は呼吸の意識を忘れずに!
ストレッチ中は深呼吸を行い、痛みを感じても息を止めないように意識しましょう。息が絶えてしまう場合は、ストレッチに無理があるので、深呼吸できる角度までストレッチを弱くしていきましょう。
<メニュー1:手首のストレッチ>
掌を外へ向け手首・前腕のストレッチです。
体を使う作業をする際、手首は必ず連動していろいろな角度で動いています。手首自体は、体の中では細い部分で決して強くはありません。しかし、高頻度で使用し、負荷もかかりやすい部分です。「腱鞘炎」は手首に痛みを訴える方も多いです。このストレッチは「腱鞘炎」の予防にもつながります。
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- 腕を体の前に出し肘を伸ばします。
- 反対の手で掌部分を軽く引き込みましょう。
- 20秒から30秒程度行いましょう。左右行います。
- 掌を自分に向けてストレッチを行います。反対の手は、手の甲を引き込みましょう。
<メニュー2:指のほぐし>
親指の付け根、掌の外側のほぐしです。
親指は指の中でも1番使用頻度が高いです。「腱鞘炎」では親指の付け根に痛みが出る方も多いです。手が疲れたと感じる方は無意識に揉んでいることもあるかもしれません。そして、あまり知られていませんが、掌の外側(小指の付け根から手首)が手の疲れには影響してきます。親指を使おうと手を広げると連動して小指も広がるため、この部位も使用頻度が高くなります。
(親指の付け根)
- 親指の付け根の厚みがある部分を対象に行います。反対の手で親指の付け根を揉んでいきましょう。
- 1カ所ではなく少しずつ場所を変え、まっすぐ押したり、回すよう揉んだりと、場所や力の入れ方に変化をつけてみましょう。
- 押している方の手が疲れてしまう方はテニスボールやゴルフボールのようなもので、ごろごろと親指の付け根をマッサージするのも有効です。これを左右行いましょう。
(掌の外側)
- 小指を触って手首の方へ降りていくと掌の中に小指からつながる骨があると思います。その骨はつかまないように外側へ少し手をずらしましょう。
- 骨の外側に少しですがつまめる部分があると思います。摘んでいる指はピンセットのように先端で掴みます。
- コリコリと筋を感じたら軽く揉みほぐしていきましょう。これを左右行います。
<メニュー3:指を引っ張る>
筋肉は疲れが溜まったり、ストレスがかかると、内へ内へと縮んでしまいます。そのため硬くなって柔軟性が落ちてしまうのです。これは手や指でも同じことが言えます。外へと引っ張って元の柔軟性、可動域を取り戻しましょう。
- 指を一本掴み軽く引っ張ってみましょう。この時に指の付け根の関節から伸びる意識ができると理想です。
- 脱力ができたら掴んでいる指を軽く揺らしていきましょう。腕全体が脱力をし、肘の方まで揺らすように動かします。
- 特に疲れている部分を重点的に5本指すべて行いましょう。これを左右行います。
<メニュー4:手の甲をほぐす>
手の甲は筋肉のボリュームは薄くストレッチは感じられない部分ですが、やはりよく動く部分なので表面だけでもケアをしていきましょう。
- 手の甲には指から繋がって5本の骨を感じると思います。
骨と骨の隙間には小さいですが筋肉もあるので反対の手の指で軽く押すようなマッサージを入れていきましょう。 - 表面の皮膚の部分も、擦るように揉んであげることで血流が促され手全体の疲労回復につながります。左右行いましょう。
取材・文・写真(タイトル写真以外)/ORCA
Profile
飯野慎也
オリジナル標語が「外から帰ったら、うがい、手洗い、スクワット!」。忙しい毎日、わざわざ運動の時間を作るのは大変、だから「トレーニングを生活の一部に!」をご自身で実践。日常の歩き方、階段の上り下り、歯を磨いている時、信号が赤の時など、少しの隙間時間でできるトレーニングを考案。TPI (タイトリスト パフォーマンス 研究所)認定 ゴルフ フィットネス トレーナー、アディダス パフォーマンス トレーニング 認定トレーナー取得後、パーソナルトレーナーとして9年目を迎える。大手スポーツクラブ、都内最大級のインドアゴルフ練習場でのパーソナルトレーナーとして活動しながら、都内・湘南を中心にご自宅、オフィスへの出張パーソナルトレーニングも行っている。プロスポーツ選手から一般の方(子どもから高齢者)まで、それぞれの目的にあった的確で結果を出す指導やプログラムメニューが大人気。ダイエット、スタイル作り・ボディーメイク、障害後のリハビリ、スポーツ球技能力向上、ゴルフフィットネスと指導内容も幅広く、ダイエットやゴルフフィットネスに関してのセミナー講師としても活躍。
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