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岸紅子 interview:自分自身を知ることが、最高の自信に繋がる

ファッションやビューティーの世界で華やかに活躍しながらも体調不良により倒れ、そこからかつて学んだホリスティックの道に進んだ岸紅子さん。浮き沈みの激しい業界にあって、自分らしく生きるにはどうしたらいいのか。生き方に迷う全ての女性へ、ハッピーな毎日を過ごすためのメッセージをいただきました。

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在学中に知った『ホリスティック』

岸紅子さん

「学生時代に雑誌で読者モデルを始めて、美容業界に興味を持ったんです。ちょうどその頃はWEBの世界の黎明期で、同じ大学の友だちが在学中にどんどん起業していったんですよね。そういう友だちが立ち上げたWEB会社のひとつでビューティーライターのアルバイトを始めたんです。そうしたらあるメーカーさんからお声がかかりました。プレスリリースやパンフレットを書いているうちに、ビューティーライターとしての仕事も多くなりました。

そんな時、祖父母が癌になったのをきっかけに自然療法に興味を持ちました。西洋医学だと薬と手術のどちらかしかなくて、治療バリエーションが少ないでしょう。ところがいろいろ調べてみると、自己治癒力・自然治癒力を高めるような治療法と呼べるものが世の中にはいっぱいあるんだ、ということが分かってきた。そして、学校の授業の中に『ホリスティック』という言葉が出てきて、その概念を知ったんです」

治療法の選択肢がある社会を夢見て

「『ホリスティック』とは、『全体的な』という意味です。それを人間の身体にあてはめて考えると、人間は臓器だけでできているわけではなく、心やエネルギーなどが折り重なって有機体としての人間が出来上がっている。それを無視して臓器だけ見ていても人は癒されない。そういうことを、ホリスティック医療はすごく明白に言っているんです。

それを知って、その通りだと思いました。そして、その“自分の持っている力を引き出す”とはどういうことなのか知りたくて、学生時代はバイトでお金を貯めてはイギリスやアメリカに行き、アロマやリフレを学びました。そこで感じたことは、海外では医療や治療法の幅がとても広いということ。患者の選択肢を認めている社会っていいな、と感銘を受けたんです。日本には保険治療という制度があって、それはすごくメリットのあるものだし素晴らしいのですが、もう少し自分の治癒力を高める、いろいろなセラピーやハーブなどを生活の中に取り入れていくことを推進できないかな、と思っていました。

ただそれは学生の夢みたいなもので、社会に出て自分も起業して忙しく働き始めると、だんだんとホリスティックからは離れていったんです」

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華々しい活躍の陰で、身体に異変が

岸紅子さん

「社会に出てすぐにWEBの制作会社を立ち上げ、WEBマーケティング業務も行っていました。私はプロデュースなどに携わっていましたから、打ち合わせ三昧の日々。夜な夜なお付き合いもありましたし、昼も夜もない生活でした。自分だけではなくスタッフのお給料を出さなくちゃいけないし、どんどん背負いこんでいって、あの頃はほとんど寝る時間はありませんでした。

会社の業務、ライターとして自分の連載、新創刊の美容雑誌では企画段階から携わりユーザーモデルにもなっていましたから表紙の撮影などもあり、忙しすぎて、いま自分が何をやっているのか分からないほど(笑)。もちろん楽しいしやりがいもあったのですが、自分の影響力による怖さみたいなものもありましたし、どこか思い上がっていた部分もあったと思います。

だんだんと余裕がなくなり人に優しくできない場面も出てきて、全く地に足がついていない状態だったのですね。きちんと寝てないし食事は不規則だし、コンビニ弁当の日も数えきれない。生理痛がひどいので押さえるために薬も飲むでしょう。そうなると、身体を壊すか心を壊すかのどちらかに決まってますよね。私の場合は、まず身体に異変が起こりました」

落ちるところまで落ち、本来の自分に戻る決意を

「まず喘息になりました。呼吸ができない、眠れない、人と話せない。息ができないから末端まで血液が回らなくなる。そうすると、顔じゅう吹き出物だらけになる。どんどん人前に出たくなくなっていく。発作が起きると使うステロイドの吸入剤はしだいに強くなり、強いステロイドは心臓に負担をかけるので、動悸がして手が震え出し、まともに字が書けなくなる。ひどい発作の時は、病院へ行って点滴でステロイドを打つ有り様に。何なんだろう、と思いました。私が今までやってきたことは何だったんだろう、と。

そのタイミングで結婚が決まり婦人科に行ったら子宮内膜症がひどくて、妊娠は無理だと言われたんです。それどころか、このままにしておくと危険だと。切るかホルモン治療かということになって、手術はしない方を選んだのですが、ホルモン治療の結果、更年期障害と同じ症状になりました。正直、あんなに辛いとは思いませんでした。熱い寒いを繰り返し、何に対しても絶望的な気持ちになり、すごく追い詰められていました。

このままじゃいいわけがない。仕事が、とか会社が、とか言い訳せずに、一度きちんと本来の形に戻さないと、自分に戻れないんだ、と悟ったのです」

笑顔で生きるためには知識が必要な時代に

岸紅子さん

「それから人生の断捨利を始めました。会社の業務を減らし自分はなぜこんな病気になったのかよく考えてみることにしました。私の喘息はストレス性のものでした。そして内膜症の原因はストレスと生理回数の多さでした。それが分かったとき、私が落ちた落とし穴は、多くの現代女性が落ちうる落とし穴だな、と気付いたんです。

戦前に比べて現代の女性の生涯生理回数は10倍と言われていますが、その理由は出産回数の違いです。昔は平均10人程度は身ごもっているライフスタイルが当たり前だった。翻って現代社会では、一回も出産しない女性も増えているでしょう。もちろん女性の社会進出によって経済は発展もしたし、昔の方が良かったとは言えません。ただ、女性ホルモンと上手く付き合っていくためには知識が必要な時代になった。それは紛れもない事実です」

『日本ホリスティックビューティ協会』の意義

「ストレスとホルモンがどういう風に関わって、それがどう生活に影響を及ぼすのかを理解し、その上でライフプランを組み立てる参考にしてほしくて『日本ホリスティックビューティ協会』を立ち上げました。それだけではなく、自分の身体について知識を得ると自信が持てるようになります。ビューティーは健康づくりの元です。高いレベルの健康がビューティーなんですよ。肌や爪、髪は身体の末端部です。身体にとっては内臓部の方が大事だから、睡眠不足・栄養不足の場合は心臓や肺などに血液や酸素を送り、末端部は二の次になります。顔色が悪いとはそういうこと。

例えば、化粧品業界で一番人口が多いのは、販売員さん・美容部員さん。でもこの人たちにインタビューを行うと、この先の将来像が描けない…と、不安を感じている方がとても多いんです。そこで人間の身体がどういう風にできているか理解していれば、自信を持ってお客さまにふさわしい商品をお勧めすることができます。それはお客さまの話を聞く能力にプラスして知識がなければできないこと。なので身体のことを包括的に学ぶことが大事だし、その知識は仕事にもセルフマネージメントにも繋げることができるんですよ」

セルフマネージメント力という賢さを持つ

岸紅子さん

「吹き出物が出る、鼻水が出る、熱が出る、そういうことは、出す力があるということで、ある意味健康な証拠なんです。身体に入った有害物質はどういう経路で体外へ排出されるのかということを知っていたら、それを促進する方法を調べればいい。ハーブなどもありますしね。それは働く人にも必要な知識だし、ママになって子どもの健康管理をする時にも有効です。体調不良やアレルギー反応など何か身体に異変があった時に、自分の、子どもの状況を見極めて慌てずに対処ができる。そういうマネージメント力が身についているって、これ以上賢い女性はいないでしょう!

『ホリスティックビューティ検定』では、身体の仕組みや睡眠、入浴、食事の仕方、スキンケア、ヘアケア、アロマ等々、皮膚科や婦人科などの先生方に協力していただき、セルフケアの範囲でまとめてもらってテキストを作りました。ビューティー業界の方や美容雑誌の編集さんなどにも大好評なんですよ」

自分を知り、美しくも楽しい毎日を

「ビューティーが持つ可能性ってすごいですよね。この業界で働いている人は、きれいになって嬉しいとか、人が幸せになることのクリエイションに関わっていて、さらに日常に根づいたベーシックな部分の健康にも寄与している。それは誇りに思うべきです。

だからこそ、自分自身が実践していくことがすごく重要ですよね。私は、ビューティーアイコンと呼ばれながら実際は全くビューティーな生活をしていなかった。言葉と行動の不一致が起きていて、そういう時身体は必ずバランスを取るようになっているから、倒れちゃった(笑)。たとえば美容部員さんもエステティシャンも、ビューティーの世界にいるのであれば、自分自身をすごく愛して、メンテナンスをしっかり行い、楽しく生き、その上で人を幸せにしてほしい。

もし自信が持てない人がいるならば、自分でできる努力としては勉強をすることです。人の身体と心を知る勉強。例えばサロンを転々とする転職ジプシーになってしまうのは、考え方のループにはまっているだけなんですね。その場合は身体アプローチの方が絶対いい。こういう風に寝てみたら疲れが取れたとか、こういうものを食べたら胃の調子がいいとか。何の匂いをいい匂いと感じるかとかでもいいの。そういう知識は絶対に武器になります。

そうやって自分自身を知り、人間を知り、豊かな人生を送れるようになれば、毎日がキラキラと輝きだします。私は、そのお手伝いをライフワークにしたいと思っているんですよ」

Profile

岸紅子さん

岸 紅子(きし べにこ)さん

NPO法人日本ホリスティックビューティ協会代表理事

大学在学中にホリスティック医療(心と体のバランスがとれてこそ健康と考え、本来持つ自然治癒力を引き出すことを治療の基本とする)と出会い、多くの代替療法を研究。美容家としていち早く、ホリスティックビューティのメッセージを発信し、NPO法人日本ホリスティックビューティ協会を設立。
トークショーをはじめ、雑誌・WEB・新聞・テレビ・ラジオなど、多くのメディアでも活躍中。

オフィシャルブログ:http://ameblo.jp/kishi-beniko/

Profile

NPO法人日本ホリスティックビューティ協会

NPO法人日本ホリスティックビューティ協会

岸さんが代表理事を務めるNPO法人。

美しさを保つためにする日頃のケアが、結局は心身の健康を保つことに繋がり、ひいては毎日の充実感をもたらすことになるという考え方のもと、世の中に溢れる情報に惑わされず、今の自分自身に必要なものを選び取りセルフマネジメントするための基礎知識を発信している。

NPO法人日本ホリスティックビューティ協会:http://www.h-beauty.info/

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■ホリスティックビューティ検定

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NPO法人日本ホリスティックビューティ協会

ホリスティックビューティ検定について詳しくは公式サイトにて。
http://www.h-beauty.info/

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