女性が活きる職場とは?プロが教える優秀な人材確保の秘策 #1

美容サロンを中心にコンサルティングを行っている、社会保険労務士の東久仁子さんご登場!

時間をかけて育てた優秀なスタッフが辞めてしまうのは、経営者にとって大きな損失ですよね。とくに女性スタッフを多く抱える職場では、おめでたいはずの結婚や出産を素直に喜べない、なんてことも少なくありません。

また、働く女性にとっても、キャリアを捨てて家庭に入るのは勇気が要るもの。いざ、復帰したくても条件に合うところが見つからないのではないか、不安定なアルバイトしか見つからないのではないか、という不安の声をよく聞きます。

ライフスタイルが変化しても女性が自分らしく働けて、お客様にも愛されるサロンづくりのためには、経営者には何ができるのでしょうか?

そこで、美容サロンの現状に詳しい東久仁子さんにご意見を伺います。ぜひ、参考にしてください!

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「優秀な人材の確保」は経営者共通の悩み?

女性が活きる職場とは?プロが教える優秀な人材確保の秘策

「美容室のオーナーさんって、ご自身が優秀なスタイリストの方が多いですよね。技術やセンスはもちろん、接客や店内の内装にも精通しているけれど、経営者に回った途端にいろんな煩雑な仕事が増えて、苦労されている方が少なくないんです」と東久仁子さん。

収益や税金の問題は税理士に相談するけれど、社会保険制度や福利厚生などはついつい後回し、どんな制度があるかも知らないという経営者の方もいらっしゃるのでは?

「オーナーにお会いして、何かお困りのことは?と尋ねると、『優秀な人材が欲しい』『教育しても女性は出産・育児などで辞めてしまう』といった声もよくいただきます」

新卒で採用した女性従業員がスタイリストとして育ってきたところで、「妊娠しました」と言われて慌てるオーナーさん。

妊娠はおめでたいけど、いつまで働いてもらえるのだろう、辞めてしまったらどうしよう・・・と悩みが膨らみますよね。

「辞めないように、あらかじめ安心して休業して復職できる制度があることを伝えてはいかがでしょうか」とお話しするのですが、産前産後休業・育児休業の仕組みをご存知ない方も結構多いんですよ」

女性が活きる職場とは?プロが教える優秀な人材確保の秘策

東さんによると、健康保険や雇用保険に加入していれば、社会保険料の免除制度・出産手当金・育児休業給付金など、従業員が休業中に受けられる制度があるので、優秀な従業員を確保するためには、「社会保険完備」だけではなく、「産休・育休制度完備」などの“法定福利制度”が完備されていて、実際に活用できることを強調することもポイントになるのだそうです。

安心して働ける環境が繁盛店につながる

女性が活きる職場とは?プロが教える優秀な人材確保の秘策

また、良い人材が定着している優良店や企業ほど、“社会保険制度”と“評価制度”が充実しているのだとか。

「給料や勤務時間などは、求職者も最初に見る大切な条件ですが、それだけでは“安心して働ける”ことになりません。優秀な人材ほど『スキルを上げたい』、『能力を認められたい』、『お客様に喜んでもらいたい』という熱い気持ちを持っていますから、その気持ちを育てるような教育制度や職場環境を整える方が、『一緒にお店を盛り立てよう』と自発的に働くスタッフが集まります」

「具体的には、スキルアップを評価して給与に反映できるような『評価制度』や出産育児などに合わせた『短時間正社員制度』を導入することも安心して働き続ける環境づくりに繋がりますよ」

スタッフ全員のモチベーションが高く、チームワークも良いサロンは、店内に活気があり、挨拶一つとっても気持ちがいいもの。そんな雰囲気は、やはりお客様にも伝わるのでしょう。「繁盛店のスタッフの方が“居心地の良い職場”だと思っているように感じています」

福利厚生の一例

  • ボーナス・賞与あり
  • インセンティブあり
  • ノルマなし
  • 社会保険完備
  • 住宅手当あり
  • 寮完備
  • 交通費支給
  • 社員登用あり
  • 独立・開業支援
  • 研修制度あり
  • 制服あり
  • 育児休暇あり
  • 託児所ありs

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短時間勤務でも正社員が可能に!?

社会保険や福利厚生が手厚い方が、求人の際にも有利なことは想像できますよね。でも、人件費の負担が厳しいという経営者の声も大きいのでは?
「そうかもしれません。でも、社会保険制度は従業員を守るためだけでなく、経営者を守るものでもあるんです。それに、経営にメリットのある助成金などの制度もありますから、私はそれを基に様々なプランを作って、ご提案しているんですよ」

「例えば、何らかの事情でフルタイムの仕事ができない女性に、『1日5時間でも、週3日でも正社員になれます』と言えたらいかがでしょうか。あるサロン様に『短時間正社員制度』の導入をおすすめしたところ、子育てのために辞めようとしていた優秀なスタッフが働き続けることになった上に、新卒の応募も増えたんです。しかも、経営者側には助成金も給付されました」

他にも、育児休業の後、ちゃんと職場復帰できるよう支援するための助成金などもあるのだとか。

働く側と経営者の双方に良い制度があるなら、知らないのはもったいないですよね。
#2では、東さんが提案したという「女性が長く安心して働けるためのプラン」についてお話を伺いました。ぜひ、読んでくださいね。

取材・文/あどわいず・橋本弥司子
写真提供/Azex社会保険労務士事務所
イメージ写真/AJHAJHA

Profile

東久仁子さん

東久仁子さん

社会保険労務士。Azex社会保険労務士事務所 所長。
大阪生まれ東京育ち。百貨店での販売職、メーカーでの商品企画・営業職などを経験後、40歳になって一念発起し、社会保険労務士の国家資格を取得し東京都で開業。以来10年にわたり、労務管理の専門家として、女性従業員がライフスタイルに合わせて安心して働き続けることできる仕組みづくりを提案している。特に近年は、美容サロンや医療・福祉・介護業等で、産休・育児休業をスムーズに取得し復職できるための相談を多く受け、講演会などでも活躍中。

Azex社会保険労務士事務所
https://www.facebook.com/Azex.sr/

定着率を上げて繁盛店へ。プロが教える優秀な人材確保の秘策 #2>>

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