そのニオイにご注意! 足からおこる『スメルハラスメント』
最近、時々耳にするスメルハラスメントという言葉。それは、わきがだけでなく、足からも起こっているのです。
普段、靴を履いて生活をしているから、そこに臭いニオイが充満しているのは防げません。じつは足の裏は、とても汗腺が発達しているもの。足の裏だけでも、一日コップ一杯程度の汗をかいていると言われています。
これからの季節、気温の上昇に比例してどんどん気になってくるもの。そこで、足のニオイについて説明します。
なぜ、足の裏が臭くなるのか
足の裏にかく汗は「エクリン腺」の汗であり、本来はサラサラしているのだとか。それならどうして足の裏が臭くなるのか。足の裏は細菌が活発に動くことができる理想的な環境だからです。新陳代謝で足裏の角質がはがれ落ちると、 それを栄養分としている皮膚の常在菌などが増殖します。すると、もともと汗の中にあるアンモニアや尿素などと混じり合って臭いニオイを発生することになるのです。つまり、足裏の臭いニオイは、汗のせいだけではないということ。
そのうえ、毎日、靴を履いているので通気性が悪くなり、ニオイがこもってしまうことになるのです。
女性ならではの理由で起こる足の臭い
多くの男性は、女性にいい香りを求めるものです。もちろん、男性に比べれば女性のほうが自分のニオイに敏感でしょうから、足が臭くならないように日頃から注意しているはず。ところが、ちょっとしたケアを怠ってしまったために、女性の足が悪臭を放ってしまうというケースも多々あるのです。
女性の場合、日常的にストッキングやタイツを履くため、それが臭さの源になってしまうということも。毎日、取り替えるのはもちろん、こまめに洗濯した清潔なものを履くようにしましょう。
臭い足のニオイは、病気との関連も?
足のニオイの原因は、体調不良や、足や靴のケアを怠ったがために発生することがほとんどです。しかし中には、悪臭を伴う病気であり、病院での治療が必要な場合もあるので、注意したいところです。
足のニオイを発する病気のひとつに「糖尿病」があります。糖尿病の人は、全身の免疫が低下することによって、ニオイの原因となってしまう雑菌を多く繁殖させてしまうことになります。ただし糖尿病の場合、足にニオイが限定される訳ではありません。全体的な体臭、口臭や加齢臭が起こったりします。ですから足の臭い=糖尿病、というわけではないのですが、急に足が臭いニオイを発するようになったら、一度、医師に相談してみてください。
次に気になるのが「多汗症」です。ただの汗かきというレベルではなく、手のひらや足の裏、脇や頭・顔などに、日常生活に支障がでるほど大量の汗をかく症状のこと。汗には体の温度を下げるという役割がありますが、多汗症の場合は、体が必要としてないのに汗がダラダラと出てしまいます。原因としては、ストレスによる自律神経の乱れなどの理由が多いようです。
その他
- 結核や悪性腫瘍(がん)などの発熱性の病気
- 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)などの基礎代謝が上がる病気
- 薬の副作用や化学物質の中毒
- 脳梗塞、事故などによる脳や神経系のダメージ
なども多汗症の原因となることがありますから、異常を感じた場合は医師の診断を受けましょう。
足の汗とそのニオイを気にするあまり、神経質になりすぎて対人関係に支障をきたし、最悪、精神的な疾患に発展してしまうこともあるとか。今までにない足のニオイが気になり始めたら、まずは原因を見極め、適切な処置をしていくことが大切です。
文・sapuri