仕事の裏側、聞いてみました! 美容師の裏事情! #1
華やかなイメージがある一方で、「毎日が激務」「お客さんとのトラブルは日常茶飯事」「人間関係は超体育会系」など、さまざまな噂も飛び交う美容師の世界。そんな美容業界の実態に迫るべく、原宿の人気サロン「HEYKEL」で働く皆さんに美容師の“仕事”に関する裏事情を聞いてみました! その座談会の様子を、東京都内・近郊在住の美容師さんたちに実施した匿名アンケートの結果と合わせてお届けします。
〈PROFILE〉左から
KANZOさん 34歳 美容業界歴10年
杉崎花帆さん 22歳 美容業界歴2年目
酒井啓伍さん 22歳 美容業界歴2年目
飯田淳平さん 27歳 美容業界歴7年目
失敗談やよくあるクレームなど…。仕事にまつわる裏事情
――今までに「やってしまった!」と感じた仕事の失敗は何ですか?
KANZO「まだ駆け出しだった頃、お客様から『お任せで』といわれた時に思うままにカットしすぎて泣かれてしまったことがあります。ロングヘアの若い女性だったんですが、いきなりバリカンでガ〜ッと刈り上げてしまって…」
飯田「…いきなりそんなすごい話をされたら僕らが話しにくいじゃないですか(笑)」
KANZO「だって赤裸々に話さないと! その時は結局『(自分もお客様も)お互いにコミュニケーションが足りてなかったね…』って空気になって大きな問題にはならなかったけど」
飯田「美容師の仕事ってカット前のカウンセリングが本当に重要ですよね。お客様の希望をしっかり共有することが」
杉崎「私はアシスタントでシャンプーに入った時に先輩から『ゆっくりめでお願い』といわれていたのに早く終わってしまった時あせりました。お客様を待たせちゃうので」
KANZO「スタッフ同士の連携は仕事をスムーズに進める上でとても大切だからね。先輩の動きを読んでそれに合わせる。最初のうちは難しいけど」
酒井「僕もシャンプー関係で、お客様にシャンプークロスを付け忘れたことがあります」
飯田「それもあせるね(笑)」
【アンケートの結果をCheck!】
――Q.仕事でやってしまった失敗は?
「誤って耳を切ってしまった…!」(30代/女性/草加)
「セニングとシザーを間違えてお客様の髪の毛をバッサリ…」(20代/男性/池袋)
「縮毛している方にパーマをかけた」(20代/女性/用賀)
【アンケートの結果をCheck!】
――クレームやトラブルはどんなものが多いですか?
飯田「一番多いのはカラーと切り過ぎについてだと思います。色が明るすぎるとか、後日すぐに色が抜けた…とか。カラーは本当に難しいです」
KANZO「そうだね。お客さんと密にコミュニケーションをとって、希望の明るさとか長さを把握するしかない。後は色の落ちやすさなんかも事前に説明して納得してもらうことも大事だね」
酒井「今までで一番印象に残っているクレームはなんですか?」
飯田「前に働いていたサロンで施術中の先輩が突然お客様に雑誌で頭をはたかれた時はビックリした(笑)」
杉崎「ええっ!」
KANZO「それはだいぶレアだ(笑)トラブルにまで発展しやすいのはカット時間とお金関係かな、やっぱり」
飯田「カット後に予定が入っているお客様も多いから、所要時間については正確に伝えてお客様に納得してもらわないと後が怖い」
KANZO「事前に同意をもらった場合でも、後日トラブルに発展することがあるけどね(笑)」
【アンケートの結果をCheck!】
――Q.お客さんから受けた印象的なクレームは?
「施術後、カウンセリングの時と180度違うことをいってきた…」(20代/女性/渋谷)
「明らかに自分で切った前髪をサロンのせいにしてきた」(20代/男性/池袋)
ここが一番気になる! サロン内の人間関係
――サロン内の人間関係は厳しいですか?
KANZO「昔に比べると最近は(業界全体が)ずいぶんと丸くなったんじゃないでしょうか。もちろん仕事なので後輩を叱ることはありますけど」
飯田「HEYKELの場合、上下関係はしっかりしているけど理不尽な厳しさはないと思います」
酒井「優しく、おもしろく、的確なアドバイスをくださる先輩ばかりです」
杉崎「私もそんな印象です」
KANZO「本当か?(笑)俺が新人だった時は上下関係がかなり厳しくて、新人歓迎会で料理に一口もありつけない、なんてこともあったなぁ…。水の一滴すら飲めずに延々と先輩のお酌回りで『これのどこが歓迎会だ!!』と思ったよ(笑)」
飯田「昔は先輩に『これやって』といわれたらそれは『なんでやってないの』と同じ意味だったり…。今そんなことすると業界に人が残りませんしね」
杉崎「…恐ろしい」
――スタッフ同士で仕事に関する議論はしますか?
飯田「美容師は各々が独自の哲学を持って仕事をするので、技術的な話は年齢やキャリアに関係なく意見をぶつけ合うことも多いです」
KANZO「うちは特にそうかも。髪の話になったとたんみんな饒舌になる(笑)」
酒井「よりよいスタイルを作れるようになりたいので、先輩や同期の意見は勉強になります」
KANZO「美容師=チャラいというイメージをお持ちの方は多いかもしれませんが、多くの美容師は仕事に情熱を持って誠実に取り組んでいると思います。色々と大変なことが多い仕事だからこそ、そういった人でないと続きません」
飯田「KANZOさんみたいな?」
KANZO「そうそう…ってうるさいよ!(笑)」
飯田・酒井・杉崎「(笑)」
【アンケートの結果をCheck!】
――Q.サロン内の人間関係は厳しい?
Yes:20%
No :73%
どちらでもない:7%
――Q.カットやスタイリングについてスタッフ同士で議論する?
Yes:80%
No :20%
――後半ではある意味仕事以上に気になる「お金」と「恋愛」の裏事情をお届けします。お楽しみに!
取材・文/甘佐直人(レ・キャトル)
撮影/森崎一寿美
お金や恋にまつわる“リアルトーク” 美容師の裏事情! #2>>