志望するサロンの特性を理解してSNSの発信に活かす姿勢を大切に 【THEGARDEN TOKYO アシスタント 佐藤奈由さん】#1
SNSでの発信が当たり前になった美容業界。採用に向けてSNSアカウントを聞くサロンも増え、その活用が就職活動に与える影響も大きくなってきました。そこで本企画では、就活に効果的なSNSの活用法について、熟練者へのインタビューを通して学んでいきます。
今回は、入社2年目でSNSを活用している「THEGARDEN TOKYO」アシスタントの佐藤奈由さんにインタビュー。佐藤さんは、高校生の頃からInstagramを始め、美容学生になってから本格的に力を入れ始めたのだそう。最初はどのような目的で活用していたのでしょうか。高校生から美容学生になるまでの活用歴についてお聞きします。
お話を伺ったのは…
THEGARDEN TOKYO アシスタント 佐藤奈由さん
国際理容美容専門学校を卒業後、千葉県の柏市にあるサロンに1年勤務。翌年にはInstagramへの取り組みが評価され、THEGARDEN TOKYOに転職。現在、スタイリストデビューに向けて日々練習中。
本格始動は美容学生から! 入学前は友人たちとつながるためのツールとして活用
――高校生の頃にInstagramを始めたと伺いました。
そのきっかけは?
当時から美容業界に興味はありましたが、最初は友人たちとつながるツールとして使用していました。
――どのような投稿をしていましたか?
内容は、友人たちと遊んでいる様子の写真ばかり(笑)。今と比べると本当に「プライベート」として持っている感覚でした。
投稿内容を変化させたのは、美容学校に入学した時期。もともとヘアメイクやファッションが好きで美容業界に憧れがあって。美容学校に進学したタイミングで投稿内容も心機一転、美容アカウントとして運営していくことに決めたんです。
――アカウントはそのまま継続して使用を?
そうですね、高校生の頃から使用していたアカウントを、そのまま美容アカウントとして引き継ぎました。
――高校生の頃の投稿と比べて具体的に変えたところは?
以前は、私と友人間だけが楽しく交流する場としてのツールでしたが、美容をメインに第三者に向けた投稿へシフトしました。
――業界で働くことを考え、先回りして準備をしていたのですね。
やはり、美容業界で働くうえでSNSは必須だと認識していたので。学生のうちに美容アカウントとしての基盤作りをしておこうと思い、Instagramに取り組みました。
一刻も早いデビューのためにより多くのサロンモデル確保を目指した
――美容アカウントを意識し始めてから、投稿していた内容は?
当時、学校へ通いながらサロンやアパレルショップでアルバイトをしていたんです。その経験を活かした投稿が中心でした。
アルバイトをしていたサロンではカラー施術を経験させてもらえていたので、この頃からカラーのビフォー・アフターの投稿を始めたほか、出勤時や休日のコーディネート、メイクなど、美容について幅広い投稿を心掛けていました。
卒業も間近となった頃、Instagramの目的はサロンモデルを集めるためのアカウントへと自然にシフトしていきました。
――卒業してから、さらに投稿を変化させていった経緯をお聞かせください。
スタイリストデビューするには、かなり多くのサロンモデルの方に協力してもらう必要があります。とにかく経験と数をこなすために、Instagramで募集を開始したのが経緯です。
――カラーモデルが集まるために、どのような投稿を?
工夫した点があればお聞かせください。
系統別に投稿の方法を分けたり、ライトの明るさに気をつけました。
以前に所属していたサロンの方針が「派手髪」だったので、ピンクやベージュなど映えるカラーをメインに投稿していたんですね。でも、黒だったりグレーだったり少し落ち着いた色味のカラーのご要望もあって。派手髪の投稿が多いところへ暗めのトーンデザインの投稿をすると、統一感がなくなってしまうと思い、派手髪は投稿欄、暗めトーンはストーリーズ、と投稿の方法を分けて発信していました。
明るさについては、暖色・寒色それぞれの色がきれいに映るようにライトの調節を。特に、寒色は写真だと印象が変わってしまいやすいんです。なるべくオレンジライトを避けて、肉眼で見るのと同じ発色を目指し、撮影には気をつけました。
あとは、来ていただいたお客様の知人や友人に紹介してもらうこともありました。
――試行錯誤した成果は?
投稿方法によって見やすかったのか、今まで投稿したカラーのデザインを見てくださった方々から「この色にしてください」と、DMを通じてお声がけいただけるようになりました。
投稿していたデザインのほかにも、その方に似合う色味や組み合わせなどの相談も増えるなど、順調だったと思います。
サロンの特徴を理解してSNSへ取り入れることが採用への近道に
――工夫と積極性が伝わり、結果が出始めたのですね。
このあと、最初に所属したサロンを辞める決意をし、THEGARDEN TOKYOを受けたのですが、今までのSNSの動向に注目してもらえたところでもありました。入社後に担当者の方から「自分の好きなスタイルやデザインが明確化され、継続力があるところに好印象を受けた」とお声をいただいたんです。転職活動に有利に働いたことから、学生のうちからSNSをやっていて良かったと感じたことの一つでもありました。
総合的に見て、美容学生のうちからSNSで発信していたことはとても良い結果につながったと感じます。
――ご自身の経験から学生から始めたSNSがメリットになったとのことですが、採用されるためにアピールしておくと良いことは何でしょう?
サロンの意向に合った運営を意識すると良いかなと。フォロワーが多い、作品のクオリティが高い、リールなどの再生回数が多いなど…「良い」と思うポイントはサロンによって異なります。
周囲の話を聞いて感じたのは、たとえフォロワーが思っている数でなくても「取り組んできた姿勢」を評価するサロンがほとんどだということ。大事なのは、サロンが何のためにSNSをして、どんな投稿を心掛けているのか、しっかり研究することだと思いますね。
美容学生がSNSを活用するメリットまとめ
1.学生時代から取り組むことで投稿内容を使い分ける技術が身につく
2.自分に対する認知度を高めることでスタイリストデビューにつながる
3.受けたいサロンの特徴を取り入れた投稿を意識し、採用時のアピールにできる
取材・文/東 菜々