メイクアップアーティストになるにはどんな資格が必要?おすすめの資格や活躍の場も紹介
さまざまなお客様を相手に、その人の個性やシチュエーションに合わせてメイクを施すメイクアップアーティスト。華やかな印象があり、美容に関心のある人のなかには、メイクアップアーティストになりたいという人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、メイクアップアーティストに必要な資格やおすすめの資格、どんな場所で活躍できるかなどを紹介します。
メイクアップアーティストとは?
メイクアップアーティストとは、雑誌や映画などで活躍する俳優やモデルのメイクを担当したり、結婚式場でブライダルメイクを施したりする、メイクのスペシャリストのことです。
また、化粧品メーカーに勤めるメイクアップアーティストもおり、なかには百貨店やイベントなどで自社製品を使ってモデルにメイクを施すだけではなく、商品開発に関わる人も。
さらに、メイクアップアーティストは医療分野でも活躍します。メイクは怪我や病気で苦しんでいる人たちや高齢者などの心を支える役割も担っています。
メイクをしたくても思うようにできない人たちや、怪我などが原因の傷を隠したい人たちにとって、メイクアップアーティストの優れた施術はメンタルケアになることもあるのです。
医療メイクは近年注目されている分野であり、将来性とやりがいのある仕事となっています。
おもな仕事内容
メイクアップアーティストの仕事内容は、メイクを施す人の要望や個性を活かしたうえで、撮影内容や衣装などのシチュエーションに合わせて適切なメイクをすることがメインです。打ち合わせでメイクの方向性を決め、必要な道具を準備します。
俳優やモデルのメイクを担当する場合は、現場まで同行してメイクを施します。撮影の合間にメイク直しをするのも仕事です。ブライダルメイクをする場合は、お客様の顔立ちや雰囲気、要望なども考慮しながら、ドレスや衣装に合ったメイクを施します。
医療分野では、お客様自身が受け入れられるようなメイクの提案や技術を教えることも仕事の一環です。
ヘアセットとメイクを施す「ヘアメイクアップアーティスト」と混同されやすいですが、メイクアップアーティストはメイクのみ行います。
メイクアップアーティストになるには?美容師の資格が必須
メイクアップアーティストは、お客様にメイクを施し容姿を美しくする仕事であるため、美容師の資格を取得する必要があります。
美容師法において、「美容師でなければ、美容を業としてはならない」「美容とは、パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」と定義づけられているためです。
引用元
厚生労働省|美容師法概要
美容師資格を取得するまでの流れ
美容師の資格を取得する条件と取得までの流れは、以下の通りです。
1.美容師養成施設を卒業し、国家試験の受験資格を得る
2.美容師国家試験を受験し、筆記試験と実技試験の両方に合格する
3.免許申請をおこなう
美容師国家試験の概要や免許の申請方法などは、以下の記事で紹介していますのであわせてチェックしておきましょう。
美容師の資格と取得方法を紹介|キャリアアップに役立つ資格5選
メイクやコスメの知識や技術も欠かせない
美容師免許を取得すれば、それだけでメイクアップアーティストになれる、というわけではありません。
メイクアップアーティストにはメイクやコスメの深い知識や高い技術が求められます。そのためには、メイクを専門的に学べるスクールに通ったり、講座を受けたりすることも大切です。
とくにスクールや専門学校は、技術や知識を効率的に学べるうえに、スキルアップや人脈作りにも役立つでしょう。
メイクアップアーティストにおすすめの資格
メイクアップアーティストになるためには、美容師免許以外にもメイクなど美容に関わる資格を取得することをおすすめします。なぜかというと、資格を持っていることで、一定のメイク技術や知識を持っているという証明になるからです。
たとえば、メイクアップサロンや芸能プロダクションに所属する際、美容師免許だけ持っている人とほかにいくつかの資格を持っている人では、後者が選ばれる可能性が高いと考えられるでしょう。
また、メイクに関する資格を持っていれば初めてのお客様から見ても、「メイクでキレイにしてくれそうだ」という期待や、信頼を得やすくなります。
このように、資格を取得することでメリットを得ることができると考えられます。
そこで、メイクアップアーティストにおすすめの資格をいくつか紹介します。
JMA日本メイクアップ技術検定試験
JMA日本メイクアップ技術検定試験は、メイクアップを職業として行いたい人やすでに職業としている人の技術や接客、知識を高めることを目指して、一般社団法人JMAが実施している検定です。
難易度によって1〜3級の3段階があります。初級となる3級はスキンケアやベースメイクなど、メイクの基本技術の過程と仕上がりを審査される実技試験で、受験資格はとくになく誰でも受験することができます。
2級はフルメイクの過程と仕上げを審査される実技試験で、3級合格者または3級と同日受験者を対象としています。もっとも難しい1級は、実際にモデルの悩みや希望を汲み取りイメージメイク技術を審査される実技試験で、2級合格者を対象としています。
年に2回、夏期と冬期に試験がおこなわれているため、受験する機会は比較的多いでしょう。実技試験のため、メイク技術の向上を目指す人にとくにおすすめの資格です。
IBF国際メイクアップアーティスト認定試験
IBF国際メイクアップアーティスト認定試験は一般社団法人IBF国際美容連盟が認定する、メイクアップの知識や技術を国際的に共有できるレベルで理解し、実際のメイクアップを行うことができるかを問われる資格です。
資格を取得することで認定証が発行されるほか、就職や開業、フリーランスとして活動する際に、IBFからさまざまな支援を受けることもできるため、とくに独立を考えている人におすすめです。
受験資格があるのは、IBFが指定する各スクール所定のカリキュラムを修了し、修了証書を有している人。なお、所属スクール修了証のコピーが必要です。(2024年3月31日現在)
引用元
IBF国際美容連盟|IBF国際メイクアップアーティスト認定試験
JMANメイクアップ技術検定
JMANは、メーカーやジャンルを問わず活躍するメイクアップアーティストによる、有志の会員によって運営されているメイクアップアーティスト団体。
そんなJMANが会員のメイクアップ技術の向上と活動支援を目的として行う技術検定が、JMANメイクアップ技術検定です。
3~1級の各難易度と、講師やインストラクターになることができる「インストラクター検定」の4つの検定があります。初級の3級は、メイクアップの技術に加え、対人技術の基本やメイクアップ技術者のマナーが問われます。
3級は誰でも受験することができますが、2級以降は下位検定の合格者であることに加え、JMANの会員であることが条件です。
引用元
JMAN|メイクアップ技術検定
日本化粧品検定
日本化粧品検定は文部科学省が後援する検定で、コスメや化粧品に関する知識を問われます。化粧品の成分や効能をを正しく理解することで、スキンケアやメイクアップ、化粧品選びによって悩みやコンプレックスを解消し、理想に近づけるようになるでしょう。
誰でも受験できる1〜3級の各難易度と、1級合格者のみが受験できる特級があります。
また、1・2級はそれぞれにあわせた検定対策講座も用意されています。自宅で受講できるWebと認定校で開催される対面講座がありますので、お住まいの場所やスケジュールに合わせて効率的に学習することが可能です。
メイクセラピー検定
メイクアップ技術と心理カウンセリングをあわせて行う、メイクセラピー。メイクで外見を美しく整えることで、メンタルケアに寄与する手法として、近年注目が高まりつつあります。
メイクセラピー検定は、メイクセラピーの知識や技術が問われる検定で、メイクに必要な「メイク理論」「色彩学」や、心理カウンセリングに必要な「コミュニケーション」「化粧心理学」など、幅広い分野から出題されます。
3級・準2級・2級・1級・特級があり、2級までは誰でも受験可能。1級は2級合格者に受験資格が与えられます。特級を受験するためには、1級に合格し活動報告書の提出と認定講座を受講する必要があります。
各級に合わせた公式テキストが発売されているほか、eラーニングや通信講座などの、検定対策もおこなわれていますので利用してみてください。
引用元
メイクセラピストジャパン|メイクセラピー検定
メイクセラピストジャパン|試験内容
メイクアップアーティストのおもな活躍の場
冒頭のメイクアップアーティストについてお伝えした内容と関連しますが、ここではメイクアップアーティストのおもな活躍の場を改めて紹介します。
メイク専門のプロダクション
メイク専門のプロダクションに所属し、メディア系の仕事で表舞台に立つ人のメイクを担当するメイクアップアーティストがいます。就職してすぐに施術を担当するのではなく、アシスタントから経験を積むのが一般的です。
美容室・ブライダルサロン
メイクアップアーティストは、美容室やブライダルサロンでメイクを請け負うこともできます。美容室によっては美容師の仕事もしながら、メイクや着付け、ネイルの施術をすることも。
ブライダルサロンの場合、新婦や参列者のメイクなどを任されます。和装やドレスに合わせて系統が異なるメイクを施さなければならないため、高いセンスや技術が必要です。
化粧品メーカー
化粧品メーカーに就職し美容部員として経験を積んだのち、メイクアップアーティストになる人もいます。
ただし、希望者が全員なれるというわけではなく、社内試験に通るかブランドの基準を満たさなければならないことが多いため、狭き門です。
なお、美容部員の仕事は化粧品販売がメインなので、美容師の資格はいりません。
フリーランスとして活躍する人も
卒業後すぐには難しいですが、ある程度経験を積んで腕に磨きをかけたり、人脈を広げたりしてからフリーランスとして活躍する人もいます。
フリーランスのメイクアップアーティストは、企業や事務所には所属せず、個人でメイクの依頼を請け負います。
収入は依頼数や1件あたりの単価によって異なり、安定した依頼を受けられるかどうかは知名度や技術力などにも左右されます。
メイクアップアーティストの平均収入
厚生労働省が運営するjob tagには、メイクアップアーティストが属する「美容師」全体の平均年収と平均月収が記載されています。これによると、平均年収は約330万円・平均月収は約25万円です。
アシスタントの場合だと、さらに低い可能性も。しかし、メイク専門のプロダクションは歩合制を導入していることも多いため、実力がついてくると収入アップも期待できるでしょう。
引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|メイクアップアーティスト – 職業詳細
メイクアップアーティストのやりがい
メイクアップアーティストが感じるやりがいとして、自分自身の手でお客様の魅力を引き出し、美しくできることが挙げられます。
また、メイクによってお客様から喜んでもらえることも、大きなやりがいです。
メイクのプロとしてお客様から期待される分、プレッシャーや責任も大きいですが、経験を積むことで自分自身の成長を感じられることにやりがいを感じる人もいます。
メイクアップアーティストには美容師資格が必須!メイクに関する資格も取得しよう
メイクアップアーティストは、メディアに出演する俳優やモデルのメイクを担当したり、ブライダルメイクや医療メイクを施したりする、メイクのスペシャリストのことをいいます。
お客様の容姿をより美しくする仕事であるため、美容師の資格が必須です。また、メイクやコスメの深い知識と高い技術も欠かせないので、関連する資格を取得するとよいでしょう。知識や技術を身につけて経験を積み、腕を磨くことで収入アップが期待できます。
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