お客様の心をつかむ接客心理検定とは? 役立つ資格 #2
日本で、接客業にたずさわる人は数多くいます。みなさんが働く美容業界はもちろんのこと、他にもデパートやホテル、金融業や営業職にたずさわる人など、お客様と直接対面して接客する業界は多岐にわたります。
人が相手の仕事なので、ただ漫然と接客するのではなく、心理学や色彩学、行動分析の知識なども取り入れ、お客様を十分に満足させ、みなさんにも利益になるような接客を行いたいとは思いませんか? そのための知識を学ぶことを目的としているのが、接客心理検定です。
接客心理検定とは?
接客心理検定においては、単純にお客様にサービスや商品を販売するだけではなく、お客様自身が何を考え、何を求めているかを探る中で、販売する側と、購買する側の要求が、Win-Winの関係でバランスよく収まることを目的としています。
さらに、バランスを考えないで一方的に売り込んだり、お客様が求めるタイミングを逃したりすることなく、意識的に接客できるテクニックを身につけることができます。
接客は、人が相手の仕事なので、個人の人間的魅力も重要なものとなりますが、それに加えて、心理学をはじめとする様々な知識を取り入れ、接客することで、ワンランク上の上質なサービスを、お客様に提供できるのです。そのために必要な知識を得る検定が、接客心理検定です。
接客心理検定の出題内容は?
商品やサービスを提供する分野からは、属性研究、ニーズの創造、商品提案、クレーム処理、分類法が出題されます。接客知識では、情報とコミュニケーション論が出題されます。心理やコミュニケーションの分野からは、接客コミュニケーション論、顧客心理が出題されます。交渉スキルの分野からは、Win-Win関係構築法、交渉学が出題されます。
1級から3級まである接客心理検定では、どの級でも出題内容は共通しています。
接客心理検定の出題形式やレベル
〇3級
マークシート式の筆記試験で、在宅で年に3回(3月、7月、12月)受験することができます。接客心理の基礎を身につけた接客・営業担当者のレベルとなっており、アシスタント接客技能士の資格が得られます。
また、合格率は約80%となっています。
〇2級
マークシート式と記述式の筆記試験に加えて、実技試験が行われます。筆記試験は在宅で年に2回(7月、12月)受験でき、実技試験は、筆記試験と同様に年に2回、東京と大阪で受験できます。接客心理やマーケティングを理解する主任レベルとなっており、接客技能士の資格を得ることができます。
また、合格率は約50%となっています。
〇1級
マークシート式と記述式の筆記試験に加えて、実技試験が行われます。年に1回3月に東京で受験することができます。接客のプロとして活躍でき、また接客の指導を行うこともできるマネージャーや責任者のレベルとなっていて、マスター接客技能士の資格を得ることができます。
また、合格率は約20%となっています。
実技試験はどのように行われるの?
〇2級
お客様役のモデルを相手に、出題される商品を接客販売することとなっています。
表情や姿勢、言葉使いが評価され、さらに販売する商品について理解しそれをお客様にどのように伝えるか、お客様についての理解度なども評価されます。
〇1級
試験官をお客様と見立て、何を考え、何を求めているかを理解し、そのニーズに合った商品を提案することとなっています。
2級と同様の評価ポイントに加えて、お客様とコミュニケーションをとることでお客様のニーズを理解し、創造する技術も評価されます。
接客心理検定は、接客についての知識や技能を習得することを目的としているので、みなさんが働く美容業界はもちろんのこと、あらゆる販売職や営業職につく人々にとって、有益な資格となっています。就職や転職の際にも有利となるので、これを機会に学んでみることをお勧めしたいと思います。
文/sapuri