高橋有紀 interview #1:トップモデルのヘアメイクを手がける、高橋有紀に迫る!
お客さまが持っている美しさを最大限に引き出す技術、ヘアメイク。高橋有紀さんは、雑誌やテレビ収録の現場などで、一流のモデルや女優のヘアメイクを手がけています。また、表参道にある美容室『Lysa』のオーナー美容師としても活躍中。今回は、そんな高橋さんがヘアメイクの第一線で活動することになった経緯や、美容業界で働く魅力について語っていただきました。前編では、美容業界に興味を持ったきっかけや、美容師として働き始めた当時のエピソードなどを伺いました。
将来の選択肢はただひとつ。「美容業界に進む」こと
――美容業界に興味を持ったのはいつ頃ですか?
「小学校高学年の頃です。姉の影響でファッション誌を読み始め、メイクやヘアアレンジに興味を持ち始めました。また、美容室に通い始めたのもその頃です。当時は、安室奈美恵さんが大好きで、初めて美容室でカットした時は『安室ちゃんみたいな髪型にしてください』とお願いしたことを覚えています(笑)」
――印象に残っている美容室でのエピソードはありますか?
「中学生の時に、美容室で泣いたことがありましたね。その頃から、お気に入りの美容師さんを指名していましたが、たまたまその日はお休みで別の方にカットしてもらったんです。でき上がった髪型にどうしても納得できず、その場で泣いてしまいました。『美容師によって、こんなに髪型が変わってしまうのか』と、中学生ながらに担当の大切を感じたできごとでした」
――ちなみに、美容業界以外に興味があったことはありますか?
「美容業界以外には、まったく興味がありませんでした。高校1年生の頃には、すでに美容学校に見学に行っていました。また髪型へのこだわりもどんどん強くなり、校則としては禁止されていたにもかかわらず、髪を金髪やピンクに染めて先生を困らせていたんですよ。そんな私の姿を見ていたので、当初は私が美容師になることに反対していた両親も、最終的には『そんなに美容業界に興味があるなら応援する』と言ってくれました」
もしかしたら、美容師に向いていないのかもしれない
――美容学校時代、初めて美容師の技術を学んだ時はどのように感じましたか?
「自分は、美容師に向いていないかもしれないと思いました。初めに教わる基礎の技術が、全然できなかったんです。それまでは自分のことを器用だと思っていたので、できないことがとてもショックでしたね。それでも、練習自体は苦痛ではなかったので毎日放課後に残って練習するうちに、徐々に技術が身につき大会でも入賞できるまでになりました」
人生で初めて挫折した時
――美容学校を卒業後の進路を教えてください。
「都内の美容室に入社し、まずはアシスタントとして中目黒のサロンに配属されました。入社当時は、シャンプーがすごく苦手でした。同期が先輩から合格をもらい次のステップに進むなか、私だけシャンプーで立ち止まっていたんです。振り返えると、人生で初めて挫折した時かもしれません。毎日、先輩に怒られ、泣きながらシャンプーの練習をしていました。とにかく練習をするしかなかったので、朝は一番に行ってサロンのカギを開けて練習し、夜は遅くまで残り、サロンのカギを閉めて帰る毎日でした。その成果もあってか、シャンプーを合格した後のステップは、同期のなかで一番早く進むことができましたね」
高校では、バトン部に所属していた高橋さん。大会に出場する際の髪型は、細かい編み込みをするなど、とくにこだわっていたそうです。中編では、アシスタント時代からスタイリストデビューまでの険しい道のりや、独立までの経緯を伺います。
Profile
高橋有紀さん
『Lysa』オーナー美容師。雑誌をはじめ幅広い分野でヘアメイクとして活躍中。2018年5月10日に最新メイク書籍『引き寄せメイク #自分史上最高に可愛くなる』を出版。他にも、メイク本『いきなりケタ違いにかわいくなる』や監修メイク本『ずぼらメイク』などを手がける。
高橋有紀 interview #2:試練を乗り超え、念願のスタイリストデビュー!>>